男女4人が死亡したさいたま市大宮区の風俗店火災で、店舗南側の燃え方が激しかったことが18日、市消防局への取材で分かった。店舗(3階建て)の出入り口は北側に客用、南側に非常用があったといい、ともに屋内の階段で1階につながっていた。特に激しく損傷していたのは2、3階部分の南側で、埼玉県警はこれが逃げ遅れにつながった可能性もあるとみて調べる。県警と市消防局は同日、合同で現場検証を行い、出火原因などを調べている。
市消防局によると、火災はさいたま市大宮区宮町4の風俗店「Kawaii大宮」で17日午後2時ごろに発生し、鉄筋コンクリート3階建て店舗(約170平方メートル)を全焼。同店は1、2階に個室が5部屋ずつ、3階に客の待合室と女性従業員の休憩室があった。
店の屋内階段は南北に2カ所あったが、同店のビルに昨年2月まで入居していた別の風俗店で働いていた女性によると、各階の南側に非常口があり、南側の階段につながっていたという。市消防局によると、「煙が充満して逃げられない」との119番が相次いでおり、逃げ遅れにつながった可能性がある。
火災では、病院に搬送された40~50代くらいの男性1人と20代くらいの女性2人が死亡。3階の焼け跡から性別不明の1人の遺体が見つかり、県警が身元確認を進めている。他に女性1人が重体、男女7人が軽傷。
消防は17日、建物の延べ面積を約195平方メートルから約170平方メートルに訂正した。【三股智子、中川友希、鈴木拓也】