今日移動中にボケーッとTwitterを見ていたところ、韓国の音楽シーンをサゲする感じの記事が出ておりまして……文章が面白くてよく読んでるライターさんの記事だったのでなかなかショックだったのですが、その前にそもそも、K-POP以外の韓国の音楽シーンについて日本人マジで全然知らんのでは……!?ということに気が付きました。ということで、少しでも多くの人に韓国のメジャーじゃない音楽の良さを知ってもらいたくて、ブログを書いてみました。
さて、ブログ読者のみなさんにはアイドルオタクとしての認知が強め(?)なわたしではありますが、そもそも韓国にハマった一番最初の理由は実はアイドルではなく、韓国のインディーズ音楽に興味が出たからでした。
それまで邦楽のバンドばかり聴いていたのですが、当時リアルタイムのバンドはほぼ聴き尽くしていて、なんか他に新しくて面白い音楽ないかな~と思って色々漁っていた時に出くわしたのが韓国のインディーズ音楽だったのです。
- アーティスト: オムニバス
- 出版社/メーカー: Quince Records
- 発売日: 2008/07/16
- メディア: CD
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↑ちなみに発端はこのコンピです。
1曲目のThe Majestic Highの曲があまりも良すぎてそのまま韓国のバンドを掘りまくった結果、韓国の音楽にハマりました。ポストロックやシューゲイザーは韓国以外のバンドもよかったんですけど、こと「歌もの」の楽曲については、韓国の楽曲が一番日本のインディーズと毛色が似ていて聴きやすく、とってもびっくりしたことを覚えています。そしてその後Kドルにハマっていた友達により沼に沈みました。
最近ではめっきりマンガばかり読んでいて、ろくに新しい音楽も聴かず、という怠惰(?)な日常を送っているため、最新の音楽事情はそこまで詳しくありません。が、今回はかつてメチャクチャ韓国のインディーズにハマっていた時の知識を総動員しつつ、韓国インディーズ音楽をちょっぴりご紹介できればと思います!
というわけで、みんな!!!!!!!韓国の良質な音楽をたくさん聴いてくれよな!!!!!!!!!!!
혁오
まずはヒョゴから。ちょっとK-POPを聴き込んでいる人なら知らない人はいないであろう、メチャクチャHOTなバンドです。サウンドが非常に今時っぽい。そしてライブもめっっちゃかっこいいよ……!
厭世的な感じの曲や、ぼんやりとしたトラウマ(あるいは悪夢)を連想させるような曲が多くて、ダウナーな気分になれていいですね。위잉위잉を初めて聴いた時は、「おお~ついに韓国にもSyrup16gの風が吹いたようなバンド出てきたな!」と思いました。
ちなみに、わたしがヒョゴについて知っているどうでもいいトリビアを1つ話すと、ボーカルのオヒョクくんはSMのオーディションでカメラテストまで通過したらしい。
장기하와 얼굴들(チャン・ギハと顔たち)
IUの元カレのバンドと言えば分かる人も多いと思いますが、なんというか、そのIUの元カレ(チャン・ギハ)は日本でいう向井秀徳のようなポジションやからな(とわたしは勝手に思っている)。というか初来日の時ZAZEN BOYSと対バンだったよね……?
曲としては70年代末~80年代前半の韓国ロックを踏襲したスタイルでちょっとレトロな感じです。ラップというか語りが入っている曲が結構多くておもしろい。MVとかアートワークもその辺を意識しているものが多くて見ても楽しいバンド。あと、実はドラマーが長谷川陽平さんという日本人の方(竜雷太さんの息子さん)です!
Peppertones
KARAとかが流行ったあたりのころ、渋谷系の系譜を辿る韓国アーティストみたいな感じでタワレコとかで展開されてたような気がしますが、ほんとにそういう感じです。
作曲の幅が非常に広いアーティストで、楽曲の多くを占める打ち込み系やゆるギターサウンドの曲はピチカート・ファイヴ(というか小西康陽)リスペクトを感じる音作りです。ピコピコ系のはSugar's Campaignとかとも毛色が近いかな。
一方でバンドサウンドの楽曲もあって、そっちは00年代中~後半の邦楽ロックっぽさのある楽曲が多いんですよ~。例えば、
↑「グッモーニンサンドイッチマン」はフジファブリック好きな人とか好きそうだし、
↑「몰라요」とかはくるり好きな人とか好きそ~。このMV、いつ見てもサビのとこでめちゃめちゃ笑ってしまう。しゅき。
Humming Urban Stereo
わたしのなかで韓国のガッツリ渋谷系インディといえば前述したPeppertonesとこのHumming Urban Stereo(作曲家イ・ジリンの個人プロジェクト)だなぁと思ってます。イ・ジリンさんも小西さんリスペクト系のアーティストです(たしかイベントかなんかで一緒にDJやったりしてたはず)。
初期はボサノバ調の楽曲(↑とか)や、ポップでキュートな打ち込み楽曲(最初に貼ったやつ)が多いのですが、重さのあるクラブサウンドもイケる作曲家なので、いろんな味が楽しめておもしろいです。あと、メロディーや音が可愛いのにハッとするような歌詞の曲も結構多くて(後期になるほどエロい曲も多い)、ギャップが良いですね。
REFORMという既存曲の再録アルバムでは、BEGのナルシャやG.NAをFeatにして曲を撮り直していたりと、K-POPファンも楽しめるんじゃないかな~。とにかく聴きやすくてめちゃくちゃいい作曲家です!!
Misty Blue
悪いこと言わんので女性Voのギターポップシューゲイザー好きは絶対に聴いてください!!!!!!!!!! ウィスパーボイスとリバーブ掛かったギターの音が最高、楽曲によってはめちゃくちゃ轟音もあるよ!超絶好みなサウンドのバンドなので、もう活動してないのがめちゃくちゃ惜しいです。
ちなみにこのバンド、コーヒープリンスのOSTとかやってたのでドラマ好きは知っているかもしれないですね……というかコーヒープリンスのOSTって韓国インディの文脈だとめちゃくちゃすごいラインナップなんですよ……知ってましたか皆さん……ドラマはあんまちゃんと見てないけどOSTはよく聴いてたヨ……
국카스텐(Gukkasten)
9mm Parabellum Bullet、THE BACK HORNあたりを好きな人にオススメしたい。音の圧とか、あと独特な音階のギターリフが耳に残る……!今年のフジロックでステージ見ましたが、ライブもかっこよかったです~!!!!
↑のMVは映像がめちゃめちゃ好みでの……賭博シーンが入る韓国MV好きなんですけど……伝わって……笑
このバンドはなんか全体的に「迷宮」みたいなイメージの音・歌詞の曲が多くて、韓国のバンド界隈の中でも楽曲が異彩を放っていて素敵なんですけど、↑この新曲もめっちゃ迷宮って感じの音でした。世界観ブレないのいいなぁ。
GO GO STAR
踊れるロック系のバンド。ベーシスト兼サブボーカリストが女っていうのがなんか日本のバンドのような構成で親近感湧いていいですよね……。うちの妹曰く「KANA-BOON好きな人とか好きそう」とのことでした。たしかに。
ちなみに初期は完全に新宿ゲバルトとかメトロノームかな?という感じで、白塗りピコピコ寄りなV系バンドってこういう風に海外に輸出されていくのかぁ~……!と不思議な気分になったものです。。
Cocore
90年代から2009年頃まで長きに渡って活動していたオルタナ系のバンドです。The pillowsとか、MO'SOME TONEBENDERとか好きらへんの人はきっと気に入るはず……!
2009年に出た5集<Relax>以降は全然活動が見えないので休止か解散かなーと思われます。韓国いろんなバンドいるけど、ガッツリオルタナ系は案外いない印象なので、貴重な枠だっただけに残念です~。
만쥬한봉지(饅頭一袋)
えっとね、突然ですけどわたし、まさか韓国で倉橋ヨエコの後継者に出会うとは思ってなかったんですよ……。まぁ、聴いてみてくれよ。
シンプルにヨエコの新曲かと思った。サビの歌詞も「同情なんてしないでください/いっそお金で下さい」っていうヨエコ感……ちなみにK-POP STAR出身の歌手・안예은も、韓国で倉橋ヨエコっぽいと言われているらしい。倉橋ヨエコ韓国で有名説、あるで。
↑いわゆる普通の韓国インディー女子ボーカルグループっぽ感じの曲もあります。
↑でも結局やっぱりこういう感じの曲の方が耳にも残る。。この曲、「アンニョン、私はスヨン」ってタイトルなんですけど、歌詞が妙にリアルでエグい……でもこういう曲……好きやねん……!同楽曲収録の最新アルバム「スヨン」には、平凡なアラサー女・スヨンにまつわるボイスドラマが合間合間に収録されているらしいです。非常に気になっている………。
미미시스타즈(Mimi Sisters)
先程紹介したチャン・ギハのプロデュースでデビューした二人組。チャン・ギハと顔たちのバックでコーラスしてたりもしました。
ファーストアルバムは骨太なロックというかパンク?で荒削りだけどかっこいい。そういえば2010年代前半のミミシスターズは、韓国のストリート雑誌・CRACKER YOUR WARDROBEのストリートスナップとかに2人で載ってたりして、ファッションもオシャレでした。
ちなみに今年出た新曲だと80sアイドルソング+ドリームポップみたいな、今時っぽい感じのサウンドで、なのに歌詞が「老いについて」みたいな感じで、相変わらず変なことしてていいぞ!と思うなどした。
lalasweet
このバンドはわりかし正統派韓国女子インディーなんですけど、
↑この曲がマジでバケモノなので聴いてくれ……という感情しかない……。歌詞はこのへんに乗ってるのを翻訳かけるなりして見てみていただけると……。
↑あと、この曲もすごい好きなんですけど、底抜けに暗い。このグループは明るい曲はちゃんと明るくて可愛いのに、暗い曲の暗さが常軌を逸していて(しかも奇をてらっていないのがヤバイ)、しんみり聴き込んでしまいます。
↑ちなみに「君に届け」韓国2期のED担当してたみたいです、こっちは切ない片思いソングでした。
Glen Check
オシャレ&カッコイイ&踊れる。Foever21で掛かってそう。これに尽きますね(?)一時期結構韓国MTVとかでよく取り上げられてた気がします!ライブもVJとかかっこいいんですよ~。イマドキっぽさが凄いのでオシャレな人にチェックしてもらいたいアーティストです。
PONY
ポストパンク+ちょっとグラムみたいな感じで、ボーカルの歌い方と声がセクシーで好きでした。動画が出てこないんだけどアルバムに入ってた、女の子のゲストボーカルと歌ってる曲とかすごく好きだったな~……!
長らく活動してなかったと思いきや2015年に新譜を出していたようなのですが、なんかこじらせたのか(?)楽曲の難解さが上がっていました。
Eloise
こちらもポストパンク系のバンドなのですが、Plastic TreeやThe Novembersとかが好きだとオッ!となるやつです。ちなみに歌詞は初期ART-SCHOOLっぽさもあり、最高でした。
しかし、Ep1枚だけ出した後、ずっと活動がなくて……。すごく残念だったのですが、その後フロントマンのソン・ジョンピョさんのソロプロジェクトになったようです。
ソロの曲もめちゃくちゃ退廃的で好みだった……!
そして今日これ書くに当たってバンドのwikiを見てたんですけど、ソン・ジョンピョさん、どうやら寺山修司や松本利夫・若松孝二などATG周りの人物から影響を受けているらしい。……は?!?マジかよ!??!?!?そりゃ好きだわ(謎の納得)……。
검정치마(The Black Skirt)
シメはやっぱり、わたしの一番好きな韓国のバンド(今はソロプロジェクトの模様)・コムジョンチマですね。好きすぎて、好きというかもはやチョ・ヒュイル(ボーカル)という才能に嫉妬レベル。日曜日生まれだからって名前が「휴일(休日)」なのオシャレすぎるし、何事なの……。
曲としては、ドンズバでインディーロック風な楽曲もありつつ、フォークっぽい曲やバラード、パンク、ポップ、サイケなどなど、色々な味付けが楽しめる感じです。ほんとにアルバム通して聴いて欲しい。個人的にコムジョンチマといえばAntifreezeという曲が第一に思い浮かぶのですが、PVも最高だし曲も最高だし歌詞も最高なのでまずは見て。
映像も楽曲も、ビックリするほどエモさしかなくない!!??!!?!?歌詞も凄いんですけど、全体を見て溜息をついてしまうようなタイプのアレなので……↑のYoutube動画のキャプションに歌詞入ってるから翻訳機にかけて意味を汲んで悶てください。
あといちばん新しめの曲のMVもヤバイ……ヤバイとしか言いようがない……見て……
映像の内容が好みすぎて頭がおかしくなるかと思った……性癖がバレる……ていうかこの曲にこの映像を合わせるの天才としか言いようが……?????
검정치마は好きすぎて本当に一生話してしまうので、今度ダイマ記事書きますね……。LOVE……。
↑201はロック好きにはマジで間違いないので、聴いてくださいよろしくお願いします。
つーわけで、思ったよりめちゃくちゃ長くなってしまいましたが、みんなK-POPだけじゃなくてもっと韓国のインディーズ音楽にも注目してね!!!!!!!いいアーティスト、めちゃくちゃくさんいるからね!!!!!!!!
と、いう話でした。~完~