〇はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね、映画『スターウォーズ:最後のジェダイ』についてのお話なんですが、その中でも今話題になっているローズというキャラクターに絞って記事を書いていこうと思います。
(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
記事の都合上作品の一部ネタバレを含みますので、ご注意ください。
良かったら最後までお付き合いください。
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〇『スターウォーズ:最後のジェダイ』のレビュー記事
当ブログの『スターウォーズ:最後のジェダイ』レビュー記事は以下にリンクを掲載しております。作品解説や考察が読みたいという方は是非ご一読くださいませ。
【ネタバレ】映画『スターウォーズ:最後のジェダイ」:感想・解説:ようやく始まった新世代のスターウォーズを徹底考察
〇1ローズ=100ジャージャー?
Twitterでも既にローズというキャラクターが話題になっています。
ローズはジャージャービンクスの再来である!!
「スターウォーズ:クローンの攻撃」より引用
なんてことが声高に言われているわけですが、今やローズのヘイトはジャージャービンクスを超えているということで「1ローズ=100ジャージャー」というレートが作られてしまっているようです。
ジャージャービンクスというと『スターウォーズ』シリーズで最もヘイトを集めてきたキャラクターですよね。
どれくらいヘイトを集めているのかということで有名なのが、ミキサーでジャージャーのフィギュアを粉砕する動画ですよね。
温和な表情のおじさんが「ジャージャーを次回作に出演できないようにしてやろう!」と発言し、そのままジャージャービンクスのフィギュアを粉砕してしまいます。
他にも『スターウォーズ:フォースの覚醒』の予告編公開の際には、『スターウォーズ:ジャージャービンクスの覚醒』というファンメイドの予告編映像が作られ話題を呼びました。
このキャラクターがなぜヘイトを集めたのかということですが、『スターウォーズ』シリーズの一連の出来事って大体ジャージャービンクスが悪いんですよね。
ジャージャービンクスがヘリウムガスを吸った様な声でキーキーと喚くのが不快だとか、作中であまりにも不器用すぎて見ていてイライラするというご意見ももちろんあると思いますが、それ以上にジャージャーはシリーズ最大の戦犯です。
彼は、エピソード1でさんざんヘイトを集めたにもかかわらず、エピソード2では、自分に弁論の才能があることを悟って、政治家として活躍するようになりパルパティーン最高議長(後のダースシディアス)に非常時特権を与える決議を後押しするというシリーズ最大の愚行を犯しています。
つまり、クローン戦争開戦に踏み切らせたのは、彼の弁論だったわけです。そしてパルパティーンに強い権力を持たせたのも彼です。よってざっくり説明しますと、エピソード3~6で起きている出来事、大体元を辿ればジャージャービンクスに辿りつくのではないか?ということが言えるわけです。
さらには、それはエピソード7以降のことにも言えます。カイロレンはダースベイダーに影響を受けています。ダースベイダーはダースシディアスの導きを受けてアナキンがダークサイド堕ちした姿です。ダースシディアスはパルパティーン最高議長として非常時特権を駆使して暗躍しました。そしてその非常時特権を与えるのに一役買ったのが、ジャージャービンクスです。
結局カイロレンもジャージャービンクスのせいなんですよ(笑)。スターウォーズシリーズで起きる大半の出来事の元凶はよくよく考えるとこいつなんです。
だからこそジャージャービンクスというキャラクターは当然ヘイトを集めます。ただ、彼は『スターウォーズ』シリーズに不必要だったか?と言われると絶対にそんなことはありません。キャラクター設定はもう少し何とかなったかもしれませんが、シリーズにおいて彼が果たした役割は重要です。
一部界隈でこのキャラクターが黒人蔑視的であるとか、怠惰なカリビアン人のステレオタイプだとか人種差別的な方向からの批判を受けていますが、その辺りはさほど重要ではなくて、結局作中での役割と独特のキャラクター設定が相まってヘイトを集めてしまった形なんでしょうね。
〇ローズはなぜ嫌われるのか?
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さて、ここからは新作「スターウォーズ:最後のジェダイ」で一際ヘイトを集めているローズについてお話していこうと思います。
ここからは新作のネタバレを含みますのでご注意ください。
Twitterを見ていますと、ローズがアジア人だから、容姿的に魅力が無いからという理由で批判されていると勘違いしている方が多いようですが、彼女が批判されているのはそういった理由ではなくて、単純にキャラクターとして不愉快で、作中での登場意義があまりないという理由だと思います。
アジア人だから、容姿に魅力が無いから、そんなことは関係なくて、このローズというキャラクターは例え白人系の美人女優がやっていても同じようにヘイトを集めたと思います。
アジア人だから「スターウォーズ」の世界観に合っていないという心無いことを言っている方もいるようですが、それなら「東京タラレバ娘」のモテないアラサー3人組がドラマ化されたら全員美人すぎるとかの方がキャスト的な違和感は大きいと思います。
http://furatto-mode.com/entertainment/tarareba-dorama-comic-cast-hikaku-2945より引用
まあ人種がどうとか容姿がどうとかそんなことは関係ないということです。
今回は「ローズのここがやばい!」と個人的に考えている点を3つほどお話ししようと思います。
①私のところから逃げる奴絶対許さないマン
これに関してはフィンも悪い部分はあります。自分の計画を上司の誰にも報告せずに勝手に実行に移してしまっていますし、ローズに対してあまりにも自分の計画を説明できていません。
ただそれにしてもフィンの話をちゃんと聞こうともせずに、スタンガンのようなもので失神させて、牢獄にぶち込もうとするのはヤバすぎません?(笑)
ファースト・オーダーの大群に追われていて、ただでさえ人手が必要という大切な時に、フィンという重要戦力をその行動の目的を知りもせずにスタンガンのようなものでバチンは流石に不可解です。
②作中であまりにも活躍していない
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彼女はレジスタンスの整備士ということで登場したんですが、そもそも全然活躍していないんですよね。中盤のフィンと一緒に行動するパートでもピーピー喚いているだけでほとんどお荷物でした。
さらには整備士であるという設定を活かす場面が特にないんですよね。これは本当に酷い。これが無いから、彼女が本作に登場した意義がいまいち掴めないんです。
良くも悪くもジャージャーの方が活躍していましたよ・・・(笑)
③危うく本作最大の戦犯に
(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用
この3つ目の部分が個人的に一番怒っているポイントです。
彼女はクレイトでのレジスタンスの存亡をかけた戦いにおいて、ジャージャービンクスを超えるのではないかというシリーズ最大の戦犯になりかけました。
整備士ってスピーダーに乗って戦えるんだ・・・というツッコミはさておいて、敵のキャノン砲に自らの命を犠牲にして特攻しようとするフィンのスピーダーに横から体当たりして妨害してしまうんですよね。
しかも、それがために敵のキャノン砲は停止せず、そのままレジスタンスの生命線であった強固な扉を破壊してしまいます。
さらに、フィンが駆け寄ってきた際には彼にキスをして意識を失います。
もうこれはさすがに酷すぎるでしょうよ・・・。
日本の少女漫画に登場するキャラクター並みの恋愛脳ですよ・・・。
https://renote.jp/articles/1461より引用
自分のエゴでもって危うくレジスタンスを滅ぼしかけたわけですから酷い話です。
しかも、助けたのが「スターウォーズ」新シリーズのメインキャラクターの1人であるフィンだっただけに、本作のご都合主義感が一層増してしまい、作品にも悪影響を与えています。
このシーンで彼女はジャージャービンクスと並び立つ、「スターウォーズ」ファンのヘイトを集める存在になってしまいました。
〇ローズというキャラクターの意義
私はここまでローズというキャラクターへの不満点を述べましたが、キャラクターコンセプトとして意義はあると思います。
それは彼女がレジスタンスの整備士という日の当たらない仕事をしていること、そして「スターウォーズ」シリーズに通底していた特攻精神への妄信的賛美へのアンチテーゼとしての役割です。
前者は本作のテーマ性にも深く関わっています。レビュー記事の方で詳しく解説していますが、本作のテーマとして旧ジェダイ秩序の破壊と新ジェダイ秩序の誕生が挙げられます。つまりジェダイは選ばれし存在ではなくて、銀河に生ける全ての「善」なる心を持つ者をジェダイとして「ジェダイオーダー」を書き換えたのです。そんな本作の中で、整備士という日の当たらない職業の彼女が活躍することに、本作のテーマが絡んでいます。
また、「スターウォーズ」シリーズでは、自分の命を賭して特攻することに意義を見出す風潮がありましたが、本作ではそれを一新しようとしました。それがクレイトの戦いにおけるローズの行動に反映されたのだと思います。
ただそれにしてもローズというキャラクターの意義を脚本に落とし込めてなさすぎるんですよね。やりたいことはすごく伝わってくるんですが、それが物語として全然活きていないんです。
特にクレイトでのローズの行動は物語として矛盾点がありすぎて、崇高なテーマ性以前の問題になっています。
せっかくローズというキャラクターには崇高な意義があったわけですから、それをしっかりと物語の中で機能する形で表現してもらいたかったですね。この点が残念でした。
〇おわりに
みなさんは、このローズというキャラクターについてどう思いましたでしょうか?決して悪い部分だけではないんですが、やはり作中で悪目立ちしている感はあったように思います。
そしてローズがジャージャービンクスよりも酷いと言われているのは、ジャージャーの場合はきちんと「スターウォーズ」の物語の中で機能しているからなんですよね。ローズは正直言ってモチーフ的な意義はありますが、物語においてあまりに必要性が見出しにくいんです。
当ブログ管理人はまだ作品を1度しか見れていないので、2回、3回と見て、またいろいろと考えてみたいと思います。
今回も読んでくださった方、ありがとうございました。
追記(12月18日)
Twitter等でたくさんの反響を頂きありがとうございます。今回の記事に対して本当に多様な意見を頂きました。自分自身の認識や理解が浅かった部分もあると思いますし、皆さんの意見を聞いて少し考えを改めた部分もあります。2回目を見た時に、もう少しローズというキャラクターを注視して、改めて考えてみようと思います。レスポンスをくださった方ありがとうございます!
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コメント
コメント一覧
そもそも、私もローズというキャラクターになんとなく嫌悪感を抱いていたので、その理由が明確になったようで気持ちよかったです(笑)
くわえて、ジャージャービンクスも嫌いでした!世間的にも、ジャージャービンクスって嫌われてるんですか?知らなかったです。
それに、ローズも嫌われてるってのもしらなかったけど、自分の感覚が間違っていなかったことがわかった気がしてよかったです。
多分、ヘイトは変わらない気がする。。
やっぱ脚本家いっぱいの継ぎ接ぎ過ぎて、テーマもへったくれも無くなってしまっているのが、ハリウッド映画としての限界に来てるような。
スターウォーズの皮を被った何か。。
もう、そういうもんだ。用意された物を楽しめる人が楽しめばいいんじゃないかな?
楽しめない人は、去ればいいて事じゃない?
ただの整備士のローズがムダに作戦についてきてたのはねちょっとね
ポーとフィンのコンビで動かしたほうが良かったかな
あのシーンはフィンの代わりに先に特攻かましてくれると思ったら・・・ですね
あと最後の子供がなにげにフォース使ってホウキとってたのは伏線かな?
やっぱ上手いっすね~勉強になりました。
ローズの戦犯シーンは、かなり突っ込んじゃいましたね。
9でも活躍しますかね。
ジェダイの活躍全部を無にする並の無能ツートップ
ライトセイバーで真っ二つにされるべき
スターウォーズ2後半以降の出来事は大体元を辿ればジャージャーに行き着く節がありますからね…笑 個人的にはそんなに嫌いではないですがε-(´∀`; )
ローズに限らずですが、今回脚本の不味い部分は目立ちましたよね…。
この記事に「ジャージャー」というニックネームでコメントしてくださったことにまず大爆笑しております。
キャラクターコンセプトは悪くないんですが、物語の中で説得力を出して欲しかったかなぁと思いました。
ラストはもしかしたら噂されているEP10以降の伏線かもしれませんね。
おそらく9にも登場しますよね。個人的には9で大活躍して、今回の自分の論を覆してほしいと思っている次第です!
やはりキャラクターの好き嫌いははっきり分かれますよね…。
ライトセーバーで真っ二つは過激な気もしますがε-(´∀`; )
悪いことが言いたいだけではないことは、キャラクターコンセプトに触れている点で分かっていただけませんかね?別に批判だけがしたいわけでは決してありません。キャラクターコンセプトもローズというキャラクターの存在意義も分かった上で、もう少し上手い形で物語に馴染ませられなかったのかなぁ〜?というお話です。