寒い日が続きますね。
窓の隙間から入って来る冷気にこごえながら過ごしております。
おかげさまでカゼひきました。
さて。最近めちゃくちゃ面白い本を読んだので、
紹介したいなぁと思って書いています。
「儲かる物理 人生を変える究極の思考力」
おぉ...あやしい。笑
でも、
「物理」と「お金儲け」って、もうワクワクすぎる。
物理大好き人間として即購入してしまいました。
これは面白い!!
物理楽しい!!
はい、紹介していきます。
「物理」と「お金儲け」の意外な関係..!!
この本では、基本的な物理のお話をわかりやすく解説しつつ、
そこからお金儲けの話に応用して行くというのを基本的な構成としています。
「え、物理とお金儲け...??全くつながりが見えてこない...」
というアナタ!ぜひ読んでみましょう。
この記事ではその面白さが少しでも伝わればいいな...と思いつつ。
まず、著者の話
著者は鈴木 誠治さん。
高校教師を経て、河合塾で物理の予備校講師をしつつ、参考書執筆からコンサル業まで幅広く、色々とされている方です。
なんかさ、物理強い人って
こういう経営系の世界で活躍する人が多いイメージなんだけど。偏見?
知ってる人に物理出身が多い。
本にも書いてありますが、著者の授業がyoutubeで見られるようです。
【高校物理】 波動1 波の速さと振動数 (19分) - YouTube
時代は変わりましたねぇ。
僕がお世話になった物理の先生が、予備校時代にお世話になったそうで。
今回この本を知ったのも、
こういう繋がりがきっかけだったりします。
生きていく上で死ぬほど役立つ「物理的思考力」
この本の前提として、「物理的思考力」という考え方があります。
まぁ、そこそこ勉強している理系なら
こんなの意識せずともしている考え方なんですけれども。
物理的思考力とは?
- 目の前で起きている現象を観察する
- 状況を変化させたり、違う状況を観察し共通の法則を見出し、必要ならば式で表現する
- 実験が不可能な場合は思考実験を行う(脳内でシミュレーション)
- 一般的な法則を示し、再度現象と照らし合わせて法則を検証
これはまえがきに書かれている、「物理的思考力」の一部です。
本書では、様々な物理の例や、現実世界(特にお金儲けで)の例を通して、このような「物理的思考力」を楽しく身につけることができるようになっています。
究極の企業の姿を物理する
個人的に、
これは物理やっていない人が読んでも面白いのでは?
と感じたのが、
収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則というものを運動方程式で考える
というところ。(第二章)
せっかくなのでここを紹介したいと思います。
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運動方程式とは?
物理の世界でほとんどの方がまず最初に出会うであろう方程式に、
運動方程式というものがあります。
基本的に、ニュートンから始まる古典力学では、
この方程式から全ての議論が始まります。
全ての基本となる式ということで、基礎方程式なんて呼ばれたりします。
F:力
m:質量
a:加速度
この式の意味はこの本を実際に読んでいただくとして、
まぁこういうシンプルで奥の深い式があるんですね。
収穫逓減の法則
収穫逓減の法則というのは経済学の用語で、簡単に説明すると、
投資量を2倍にしても、リターンが2倍になるわけではない
みたいなイメージですかね。
線型性がないっていうことなんですけど。
練習時間を2倍にしても成長スピードが2倍になるわけではないですよね?
ビールを2杯飲んだからといって満足度が2倍になるわけではないですよね?
そういうことを小難しく言っているのが、この収穫逓減の法則です。
収穫逓減の法則を物理する
さて、ここまで説明したこの収穫逓減の法則は、
なんと運動方程式で説明できてしまうというのです!
物理的思考の重要なものの一つとして、アナロジー(類推)という考え方があります。
類推(るいすい)は類比(るいひ)、アナロジー(Analogy)ともいい、特定の事物に基づく情報を、他の特定の事物へ、それらの間の何らかの類似に基づいて適用する認知過程である。(wikipedia 「類推」より)
アナロジーはアイデア発想などでも非常に重要な考え方なので、
この機会にぜひ覚えて帰ってくださいね。
今回は、運動方程式と企業の成長とのアナロジーを考えてみます。
企業の成長に必要な力をFとしましょう。(物理の「力」とのアナロジー)
このFは当然、社員数が多いほど大きくなると考えられますよね。
社員数が1人より10人の方が成長が見込めそうですよね。
なので、
Fは社員数Nに比例すると考えることができます。
比例定数をαとでもしておけば、
F=αN
となりますね。
一方で、成長を邪魔する要因は、
「運動」を邪魔する要因である「質量」のアナロジー
と考えて、
mとできますよね。
mも社員数Nが多いほど増えそうですよね。
ということで、同様に比例的に増えてゆくと考えて、
m=m0+βN
としましょう。
m0は、社員数が0でもコストが0とは限らないためです。
いわゆる固定費に近いものと考えてください。
固定費というのは、売上に依存しない経費のこと。
さて、これらを運動方程式に当てはめて考えてみましょう。
運動方程式でいう加速度aは、企業の成長では何に当てはまるでしょうか?
ここでは、「純利益の伸び」と考えてみましょう。
実際に代入して計算してみると....
これは高校数学で習う、分数関数のグラフというものを理解していれば、
次のグラフになることがわかりますね。
社員数Nが増えると、加速度は増加しますが、頭打ちであることがわかりますね。
結論:究極の企業とは?
ここからわかる究極の企業の姿はなんでしょうか?
つまり、加速度aを増やせばいいわけですよね。
てことは、
mを小さくしながらFを大きくすればいい!
mを小さくするにはどうすればいいでしょうか?
その答えはズバリ、
- 固定費m0を減らすこと
- 社員数を減らすこと
の二つが考えられますね。
また、Fを大きくするには、社員数を増やすわけにはいきませんから、
- 必要に応じて仕事をアウトソーシングすること
が考えられますよね。
このように、物理の基本方程式である、運動方程式を使って、
アナロジー的に企業の成長を考えることができるわけです。
やっぱり物理は面白い!
この他にも、
カジノ必勝法を物理したり、
株を物理したり、
会話力を物理したり....
とにかく盛りだくさんの本です!
特にカジノのブラックジャックのところは、
「あぁこの人すげぇなぁ笑」と実感しました。
身近なところにあるさまざまなものを
物理的に考える楽しさを実感しながら、
知らない間に自分も
「物理的思考力」を身につけることができます。
ぜひ読んでみてね。
今日はこの辺で。
それではまた。
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