一時期は仮想通貨取引の大半を占めていた中国でしたが、現在は政府の規制によってその存在が薄れています。
今日はビットコインが中国で規制された理由と、中国人の仮想通貨取引が再開されつつある現状を調べてみました。
ビットコイン取引の大半は中国だった
実はほんの1年ちょっと前まで、仮想通貨の市場は中国を中心に動いていました。
中国では昔から、国境を越えた資金の移動が厳しく規制されています。
たとえば、人民元を海外に送金する場合・・・
その目的を厳しく問われたり、金額が大きく制限されたりするのです。
それを嫌がった資本家の一部が、代わりにビットコインを使うようになりました。
その当時、中国では仮想通貨の取引が手数料タダだったこともあり・・・
最盛期には、ビットコイン取引の9割以上が人民元建てで行われるようになったのです!!
しかし、その状況が一変する出来事が2017年に起こりました。
中国政府が、ビットコインを含めた仮想通貨取引を規制し始めたのです!!
中国で仮想通貨が規制された理由
中国における仮想通貨の規制は、以下の順番でドンドンと厳しくなりました。
1.手数料なしでの取引を禁止
2.仮想通貨の取引所に対する規制を導入
3.仮想通貨を使った資金調達(ICO)を凍結
4.仮想通貨の取引所を全面的に閉鎖
上記3と4が発表された2017年9月、ビットコイン相場は大波乱となりました。
ビットコイン価格は1BTC=50万円から30万円近くまで、実に3割以上も落ちたのです!!
またビットコイン市場における中国の存在も、かなり小さくなりました。
それまで9割以上を占めていた人民元建てのビットコイン取引(赤色)が、一気に1割ちかくまで下落したのです。
参考:なぜ中国当局はヒステリックに「ビットコインを禁止」するのか?
中国政府がこれほどまで取り締まりを強化したのには、以下3つの理由があります。
1.制御できない通貨が広がるのを防ぐため
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、国がコントロールできません。
参考:ビットコインとは何か?仮想通貨の仕組みをわかりやすく解説
構造的に資金逃避が起きやすい中国で、制御できない通貨が広がるのは大問題でした。
2.暴落や詐欺の被害を防ぐため
中国では仮想通貨が人気になるにつれ、投機的な動きがドンドンと加速していました。
またICOではサギ的なものも急増し、良く分かっていない人がダマされるようになったのです。
政府としてはそういったところから社会不安になることを恐れ、規制を発表しました。
3.中国政府自身が仮想通貨を作りたいため
中国はすでに、国家主導の新しい仮想通貨を発行すると発表しています。
参考:中国の中央銀行が「国家主導の仮想通貨を発行する」と発表
既存の仮想通貨はこのジャマとなるため、早期に排除したいという考えがありました。
中国で取引再開の動き
しかし政府からの規制を受けて、ただ黙っている中国人ではありません。笑
営業停止を食らった中国の仮想通貨取引所は今、アジアの近隣諸国へ活路を見出そうとしています!!
たとえば香港で、取引所を介さない店頭業務の拠点を開設したり・・・
シンガポールや韓国などで、事業運営の土台づくりを進めたりしているのです。
また彼らの中には、日本で事業ライセンスを申請しているところもありますよ。
日本は仮想通貨関連の法律がちゃんと整っているので、彼らにとっては仕事がしやすいのでしょう。
もともと中国の大手取引所だったBinance(バイナンス)なんかは、もう日本に拠点を置いています。
参考:ビットコイン分裂(ハードフォーク)祭り!利益を逃さない方法
海外に出ることで、中国政府の圧力から逃れつつ・・・
その土地で新たな顧客も得るという作戦ですね!!
中国人、なかなかしたたかです。笑
また中国国内でも、2017年11月から一部で仮想通貨取引が再開されているようです。
どうやら中国政府がバックに付いている取引所で、人民元建ての取引もできるそう。
中国人とチャイナマネーもまた、ちゃくちゃくと仮想通貨の世界へ戻ってきていますね~
まとめ
もともとビットコインなどの仮想通貨は、中国で盛んに取引が行われていましたが・・・
政府からの厳しい規制によって取引は激減し、それによってビットコイン価格は暴落しました。
しかし最近になって中国の仮想通貨取引所は再開され、チャイナマネーが再び流れ込んでいます。