7SWITCHインタビュー 達人達(たち) アンコール「満島ひかり×海部陽介」[字] 2017.12.16

1612月 - による admin - 0 - 未分類

(砲撃音)あなたたち畑と命とどっちが大事なの!?その演技は見る者を圧倒する。
若手屈指の実力派俳優…毎日毎日叫んでいた。
叫んでいた。
叫んでいた。
満島の名が世に広く知られるようになった2009年の映画「愛のむきだし」。
全身から感情があふれ出る演技が絶賛されその年の新人賞を総ナメにした。
敵!敵!男!敵!皆様こんにちは。
本日から始まりました「徹子の部屋」でございます。
作品ごとに全く違う顔を見せる満島の演技。
それは「まるで役が乗り移ったよう」と評される。
そんな満島が会いたいと願った人物とは…。
日本人はどこからやって来たのか?壮大な謎に挑む…国立科学博物館の研究部門に所属する海部。
専門分野は「アジアにおける人類の進化」だ。
これまでジャワ原人などの化石発掘に携わりその分析で成果を上げてきた。
更に今研究者としては異例の取り組みに挑んでいる。
それが…人類が日本列島にやって来た航海を再現するというロマンあふれる冒険だ。
私たちの祖先が来たルートを南の海でたどる海部。
そんな海部を満島が指名したのは訳がある。
満島の最新作「海辺の生と死」。
舞台は太平洋戦争末期奄美群島にある小さな島。
満島演じる教師と青年軍人の愛を描いた作品だ。
実は満島の祖母は奄美出身。
この作品で改めてルーツを意識したという。
私はやっぱり仕事上…どんどん探偵のように調べていく仕事な気がして。
…っていう興味があって。
満島が海部のもとを訪ねた。
人類の進化の場所にいるんだ。
フフフフフ。
人類の進化!あっ!こんにちは。
こんにちは。
初めまして。
満島ひかりと申します。
海部です。
よろしくお願いします。
今日はありがとうございます。
博物館へようこそ。
俳優と人類進化学者。
全く異なるアプローチでルーツを探る2人が考える人間の本質とは?…という気持ちがあって実はやっているんです。
そうしないと……って思うと話してくれる事とか。
私は触ると思います。
手をつなぐ事。
おばあさんだったらおばあさんと…何となく…海部のプロジェクトはまず3万年前の人類になりきる事から始まる。
舟の材料となるのはヒメガマという植物。
それを刈る道具は貝殻だ。
当時使われていた道具で沖縄の遺跡から数多く出土している。
…という事を今感じながら思ってます。
草は天日に干して植物のツルで縛る。
このツルもまた古来島に生えていたと確認済みだ。
3万年前の舟を忠実に再現する事にこだわる。
海部の目標は日本人がやって来たとされるルートの一つ台湾から与那国島までを航海する事。
去年まずテストとして与那国島から西表島までの90キロに挑んだ。
(一同)よっこいしょ!3年間かけて準備してきた航海がいよいよ始まった。
舟を漕ぐのは主に地元の若者たち。
この日のために訓練を重ねてきた。
海部は別の船に乗り全体を指揮する。
出航から3時間クジラの群れが近づいてきた。
(歓声)思わず歓声が上がる。
だがそのころ舟には異変が起きていた。
針路から大幅にそれ始めたのだ。
原因は世界最大規模の海流黒潮。
このままではたどりつけないばかりか漕ぎ手たちに危険が及ぶ。
(無線)「どうですか?」。
出航から8時間。
全行程の3分の1で航海は中止となった。
テスト航海は残念ながら失敗に終わった。
2019年の本番へ向けて偉大な祖先たちに近づくチャレンジが続く。
自分自身が挑戦しようって思ったのはどういうきっかけだったんですか?僕はねこれはでも本当にどれだけ難しかったんだろうっていう事にちょっとこだわりがあって。
というのが発想でしたけどね。
でもそうしたらよかったですよ。
今まで見えてないいろんなものが見えてきました。
まず舟を作るっていう事から始まるんですけど…矛盾してるようだけど舟とか海っていうとみんな海ばっかり見ちゃうんですね。
でもそうじゃないんですよ。
やっぱり…貝殻で草を切るのとかも。
子どもの時こういうの遊びでやってたなとか。
見てて。
植物も例えば草にしろ。
今竹でやってます。
竹にせよ竹なんていくらでもあるから竹の舟簡単に作れるって思ってました。
正直私も。
だけどね竹をちゃんと知ってる人は何歳ぐらいの竹選ぶんですよちゃんと。
2歳ぐらい3歳ぐらいじゃなきゃダメだと。
若木の方が。
割れちゃうんだそうですね。
そうですね。
そういった奥深い知識が実はあってそうじゃないと物が出来ないって事はだんだん僕もたくさん学んでるんです。
人がいたという事の後ろにはそういう人たちの本当の生活だったり苦労だったり汗があったりっていうのが何かやって…その先生たちの研究は…あの〜そうなんですね。
僕もあんまりそういうふうに考えた事なかったんだけど気が付いたら確かに3万年前を演じようとしてるんでしょうね。
はい。
僕らは地図を持ってます。
台湾の向こうに何があるかみんな知ってます。
あ〜はい。
海流の知識もあります。
はい。
この海流はこう流れてあっち行きますって知ってるからみんなその頭で考えちゃいます最初は。
うん。
だってよくいわれるんですけど…漂流してくればいいじゃないって。
それはあなたが知ってるからそういう事を言ってる。
でも…そんな危険な何が起こるか分からないとこに自分の家族を連れていくのか?僕はそんな事はないと思います。
ですから地図のない自分。
そこから考えるんです。
海部は…父は有名な天文学者。
図鑑や全集など科学の本をたくさんそろえてくれた。
だが海部は家でじっと本を読むより外で遊ぶのが好きな活発な少年だった。
子どもの頃からですか?この仕事をしたいって思ってたのは。
そうですね。
僕父が天文学の研究者で。
お父さんそうだったんですね。
そうなんですよ。
で影響は受けてましたね。
父の道は歩まなかったけど…そうなんだ。
へえ〜。
珍しいですけどね。
珍しいですよね。
みんなやっぱこういう博物館なんか来て興味持っても大人になるまでずっとそんな事調べてないじゃないですかあんまり。
へえ〜。
それは父親の影響ですね。
人類学選んだのは…何だか分からないんだけれど成り立ちとか歴史も考古学も好きだったから成り立ちに興味があって進化にも興味があってそしたら人間の進化の研究しようかなって。
実際の物っていうものを目にしてやっぱ心がうわって動く?ありますね。
ジャワ原人の研究やった時だってやっぱりその化石に触れて80万年前とかのね人類の化石ですよ。
それが自分の手にこう載ってる訳ですよね。
感動する訳ですね当然ね。
そこからいろんな事をほかの人が見えなかった前の研究者たちが見てなかったいろんなものをこう…自分が発見したものは「これは俺が発見したぜ」とかやっぱ。
研究者ってのはそうです。
そうなんですね。
人類の進化を探るべく世界各地で発掘調査を行ってきた海部。
アフリカで生まれたとされる我々の祖先。
さまざまな人類が生まれては消えていった。
博物館にはそれを分かりやすく説明する展示コーナーがある。
海部自身が監修したものだ。
満島さんの前にいるのが320万年前のアフリカにいた猿人。
要は立ち上がった猿ですよね。
小さな人間とか。
でも足元なんかは人間の形ですね。
そうなんです。
まず2本脚で立ち上がるっていうところから人への道がスタートするんですけどそれがだんだんこうここにいくともう人間らしくなりますね。
そうですね。
これ原人と呼ばれてる人類ですけど体つきが一気に人間的になっていくんですね。
まあ脳はまだ2/3ぐらいのサイズでこのタイミングで人類が初めてアフリカの外に出るんです。
はい。
でそこで聞いた事があるジャワ原人とか北京原人とかああいうのが登場する訳ですね。
はい。
でやがてネアンデルタール人旧人って呼んでるグループで大体30から4万年前ぐらいの間のヨーロッパ辺りにいたグループですね。
時代は下り我々に近い人類ホモ・サピエンスが誕生する。
このホモ・サピエンスのうちヨーロッパに住んでいたのがクロマニョン人である。
ホモ・サピエンスっていうのは今生きてる僕らの事なんですけどさっきの原人それからネアンデルタール人とかとはまた違う僕らですね。
彼らが進化して私たちになった訳ではないんですよね?ジャワ原人も北京原人も僕らの祖先じゃないんです。
アジアとかヨーロッパの人類じゃない。
そのアフリカで進化した僕らホモ・サピエンス。
クロマニョン人聞いた事ありますね。
はいクロマニョン人。
クロマニョン知ってますよね。
研究者が考えるクロマニョン人こんなだったんじゃないか。
ちょっと見て頂きたいんですが。
はい。
えっ!やっぱそこに目がいきますね。
これはちょっとこの間までやってたラスコー展。
今これから九州の国立博物館でやるんですがそちらで出しているクロマニョン人の復元の像なんですね。
問題は着ているもの。
例えばね皮を…動物の皮をなめす道具がたくさん出てます。
それから色も使ってる。
壁画を描いたりして色を使ってる。
すごいですね。
面白いのはこれ角ですけど何か描かれてますよね。
はい。
こういう事も人間以前の何て言うかな人類が最初からやってた訳ではないしそもそも人間しかやらない行為ですね絵を描く飾り物をつける。
猿人の頃にはこういう事はできない?ないですね。
証拠はないからやってないですね。
人間って何なんだろう。
いつ人間になったんだろうっていうのが見えてくるんですね。
だから…数々の芸術的な彫刻を残したクロマニョン人。
実は海部がプロジェクトを始めたのは彼らの存在が関係している。
実はちょっと言うと…そうなんですね。
ああそうそうなんだ。
これはねクロマニョン人の彫刻はたくさんあるんですけどその中でももう本当に一番有名なものの一つです。
ちょっと…。
ありがとうございます。
うわっ!かわいい!体をなめるバイソンって呼ばれてるんですけどちょっとねベロがペロッて出てるんですよ。
口のとこを見ると。
ペロッと。
ペロッて出てる。
へえ〜。
まずこの技術もすばらしいしこういうデザインねこう振り返っているっていうそういうデザインもすごいですよね。
今でもなかなか。
こういう事思いつくっていうのがね。
おしゃれですね。
おしゃれでしょ。
はい。
これすごいんですよ本当に。
おしゃれですね。
僕が嫉妬を抱くのも分かりますでしょ。
いや相当これは…。
すごい。
うん。
やっぱアジアの人は今でも西洋文化への憧れすごいですもんね。
そうですね。
それと同じなのかどうかも分からないけれどまあ何しろこういう事をやってる人たちがヨーロッパにいたんですね。
これは2万年前ぐらいのもので大体1万8,000年前ぐらいですかね。
もう一つちょっとお見せしたいものがあって。
ちょっと見て下さい。
あ〜!これはすごいすごい!うわっ。
これ触ってもいいんですか?触っても大丈夫ですよ。
レプリカ。
レプリカですからはい。
針。
これも旧石器時代のものですけど。
これはウクライナから見つかったものなんですが今のものと全然変わらないですよね。
繊細な。
変わんないです変わんないです。
その穴に通す糸がどんな糸だったのか分からないですけれどもう繊細な裁縫をやってた訳ですね彼らは。
いや〜この時代の人に思いをはせられますもんね。
そうですね。
これもすごい発明だと思うんですよね。
大発明ですね。
もう縫い針に包まれて生きてますもんね私たち今。
今やね。
本当に。
ですからさっきのクロマニョン人のかっこいいねクロマニョン人なぜああなるかっていうのはこういうものが出てるからですね。
海部によればホモ・サピエンスは3万8,000年前ごろから3つのルートで日本列島に渡ってきたという。
日本に来たホモ・サピエンスは何をしていたのか。
クロマニョン人のような芸術的活動をしていたのか?海部は研究を続けた。
ヨーロッパではわりかし絵を描かれたりとか。
音楽はでもアジアもありますよね?あったはずだと思うんですけどただ今のところ証拠としてはないですね。
そうなんだ。
出てくるといいんですけど。
それも…。
そうですね。
ええ。
負けたくないですよね。
分かります。
ちょっと不純なとこから始まってるんですけど。
それが…ずっともんもんとしてたんですね。
でいろいろ考えてたらでもね芸術文化ではない違う形でホモ・サピエンスのすごさがここにも残ってるって事に気が付くんですよね。
みんな陸続きの場所?地中海の島に人が渡るのはもっと後の方なんですね。
ここはなぜか分からないけれどオーストラリアから恐らくフィリピンもそうに違いないと思うんですけど…分かってきたんですよね。
ああいう舟を作る事もある種の芸術の一つだって私は何か見てて思うんですけれど…でも本当ね僕そこなんですよ。
もう名前は知られてないし誰かも分からない。
永遠に分からないけど本当に最初にやった人が何考えて何やったんだろうっていうのが…。
そこですねこれをやり続けたいと思うのは。
全てに関してそうなってきますもんね。
そうですね。
最初にこれを誰が食べたんだとか。
赤ちゃんができて自分の子どもがかわいいって思ってこの子に何か音楽を聴かせてあげたいなって思ったのかなとか。
なかなか僕らはそこを語れないんだけど。
証拠がないから証拠がないからになっちゃうんだけどでもやっぱり同じ人間なんであったはずだと思いますね。
そうですよね。
あったはずですよね。
海を渡る技を取得した日本のホモ・サピエンス。
更に去年沖縄にある旧石器時代の遺跡であるものが見つかった。
世界最古とされる…大きさは1センチ余り。
貝殻を加工して作られたものだ。
釣り針発明するってすごい事だと思いません?そうですね。
今当たり前になってますけどね釣り針も。
だって目に見えないんですよ。
水の中にいる…そうですね。
見えるやつを槍突いてというのは直感的にできますけど釣り針の発明ってすごいと思うんですよ。
それが事もあろうか沖縄から古いのが出てきたって僕らもすごいうれしかったですねそれはね。
本当の世界最古は違うとこにあってまだ未発見かもしれないけれどいずれにせよそういう独自の独特の文化がやっぱりここにもあったんだ。
あの時期に琉球列島中のいろんな島に突然人が現れるんですよね。
3万から3万5,000年前の間に。
急に?急にです。
種子島から徳之島奄美大島沖縄島宮古島石垣島とですね突然のように人が現れるんですよ。
これはねやっぱり本当に…偶然のなんとかにしてはあまりにおかしいですよこれは。
何が起きたんですかね?それが海を越える事ができるようになった人たちっていう事だと思ってますけど。
へえ〜。
じゃあ…まあある意味そうですね。
そうなんですよ。
私は奄美大島ですけれど血は。
魚の骨も出てます。
沖縄島ですごく面白いのはですねサキタリ洞っていう遺跡が最近発見されて。
釣り針が発見された場所なんですけど。
そこから出てくる…あそこ面白いとこで…。
かに食べてたんですかね?かに食べてた。
面白い事に…あっそうですか。
そういう事調べられるんです。
秋にじゃあかにが多くいたって事ですか?ちゃんと…。
へえ〜。
累々とかにが出るんです。
かにがずっと人気なんですね。
そう言われればそうですね。
いろんな所に先生がいろんな人が臆測で言ってた物事に「待てよもう一回振り返ってみたい」って言って点をいっぱい立ててフラッグを立てて…確かに言われてみるとそうで僕ら…だけどその証拠から…それで空振りする事もあるけどでもやっぱり面白い発見ってきっとそういうふうに出てくると思うんですよね。
あんまり堅実すぎててもやっぱり大きな発見はできなくて。
現在海部はプロジェクト本番の準備に追われている。
台湾南部から与那国島まで200キロ近い航海。
テスト航海より困難な挑戦になる。
だが航海を成功させる事だけが目的ではない。
当時の航海術はどんなものだったのか。
海に関する知識はどうだったのか。
今後の研究の手がかりを得ていつか祖先たちの実像を明らかにするのだ。
今舟で渡っていくっていう大きなプロジェクトを持ってると思うんですけれど何か最終的にこういう事がどうしても知りたいんだという大きな目標みたいなのってあるんですか?あんまり意識はしてないですけどやっぱり…どこまで自分なりに追求できるかっていうのはあります。
特に成り立ちなんですけど成り立ちを理解できないとそれからほかの動物…古い人類を理解すれば僕らが分かるだろうって気持ちがあって実はやってるんです。
そうしないと現代の人ばっかり見てても現代人多分分かんない。
それからまあアジアの歴史ですね。
ヨーロッパとかアフリカはたくさん研究されてるけど…そもそも日本の旧石器時代…。
旧石器時代ってことばもみんな知らないし縄文人の前に誰がいたか知らないし。
ネアンデルタール人は知ってるのにこっちは知らないってちょっとおかしくないですか?そうですね。
それはある意味僕ら研究者の責任でもあると思ってます。
これをきちっと言ってないから伝えてないから…。
島々に暮らしてる私たちのような…もう子どもの頃から。
そういう話を同級生ともよくしていました。
それは海を越えてきたんですよ。
海を越えてきたんですね。
かっこいいじゃないですか。
海を越えてきたんですよ。
これはもう日本人みんなそうです。
本州九州も離れてますからこれは海越えないと来れないんですよねここは。
やっぱあのプロジェクトの映像を見てると自分の記憶の中に何かある気がしました。
そうなんですか?じゃあ是非協力をお願い致しますね。
本当3万年前に…。
私が…やるとしたらどうするかなっていうのをちょっとしばらく考えて生きてみようかなと思います。
何か面白い方向にいきそうですね。
私たちは…役者さんの仕事は…そういうのを探ってく方でやってるんです。
だからちょっと全然違う方向からだけど何か…。
もしかしたら何か発見できるかもしれません。
その時は報告します。
同じような事をしてるんじゃないかなって何となく勝手に思っているんです。
いやもう大歓迎です。
ありがとうございます。
後半は舞台をスイッチ。
ここは都内にある公立中学校。
音楽室で満島が待っていると聞いて海部がやって来た。
一体なぜ中学校?そしてなぜ音楽室なのか。
どうもいらっしゃいませ。
こんにちは。
中学校です通っていた中学校です。
そうだったんですね。
ちょっとなぜここに来たのか今謎だったんですけど。
沖縄から転校してきてこちらに通っていたんです。
もう違う国に来たようなセンセーショナルな時間をここで1年半過ごしていたので…。
途中で?何年生か2年生とかで?中学校2年生の時に転校してきてしゃべり方もたたずまいも感覚も感性もまるで違う世界に一人で投げ込まれた感じで。
ここで…都会を学んだ場所です。
フフフフ。
ここは音楽室ですね。
ここは音楽室です。
僕音楽…まあ普通に好きだったですね。
ちょっと下手だけどバンドとかやってたりしましたね。
そうなんですか?中学生の頃。
何…ギターですか?ギターをちょっと。
本当に言うのも恥ずかしいような話ですけど。
そうなんですね。
楽しいですよね。
音楽はやっぱ楽しかったですね。
学校の中の授業の中でも憩いの場でした。

(島唄)満島の最新作「海辺の生と死」。
舞台である奄美群島の島唄が印象的に使われている。
はい!はい!はい!主人公のトエは国民学校の教師。
彼女は特攻隊の隊長朔と出会い恋に落ちる。
ニジヌラの中尉さんです。
(砲撃音とガラスが割れる音)だがやがて島にも砲撃が襲いかかる。
トエ怖い…。

(砲撃音)行ったら嫌です。
ああ…ああ〜!ついに出撃命令が下った朔。
トエは喪服に身を包んで見送る。
極限状況の中狂おしいほどの愛を貫いた男女の物語だ。
自分の思う生まれ故郷と同じものだったですか?もう少し田舎ですよね?そうですね。
沖縄は沖縄で育った場所でいとおしさがありますけど…かつて女の人はみんな手の甲に入れ墨を入れていたりとか…魔よけの。
その入れ墨も誰々さんはどの入れ墨を入れてましたっていう本が残っていてお茶わんの絵の入れ墨の人とかもいるんですよ。
でもこの人たちが見てた世界は私たちには知らない…それを一生懸命島を回って探しておばあさんたちに質問したりとか…。
そうすると奄美のことばには日本語は50音しかないけど二千いくつもの音があって一番古いことばが残ってるっていわれてるとか鹿児島や沖縄やほかの国々に奪われた文化の方が激しくて物も全て奪われていって残せるものが歌と踊りとことばしかなかった。
その中に全部…こんな目に見えない歴史がこの人たちに受け継がれて残ってるんだって思って。
もしかしたらもう今分かりやすいものとかはっきりしたものをみんなが見たいって思う時代に流れているかもしれなくってその中で「全然分からなくてもいいから感じろ!」みたいな映画を作るんだって。
自分の好きな…あの自然そのものが…美しさも荒々しさも含めて映像として出ていてその中にいる人たちの物語っていうのがすごく鮮烈な印象を持ちました。
うれしいです。
その「海辺の生と死」は奄美大島は本当に強い場所で…監督が面白くってみんなが支度できてるのに…監督もちゃんとそれが見えてるんですね。
チョウが飛んでるかを見えてない見えてるっていうのはあると思うんですけど。
時が戻ったなと思ったら「はい」って。
そっか。
じゃああの映像にはそういう考え方が隠されてるんですね。
ちゃんと待ってやってたんですね。
なかなかそういう監督は少ないのでああいう自然環境を本当にスクリーンに映そうと思うと自然自体におびえさせない時間が必要というか…そこは結構こだわってやってましたね。
およそ6万人が暮らす奄美大島。
亜熱帯気候の島には固有の植物や生き物が数多く生息する。
海は神が住む場所であり森には精霊が宿る。
古来人々はそう信じてきた。
満島もこの島に来る度不思議な体験をするという。
奄美大島には小さい頃にいた事があるんですか?何度か…お墓参りは奄美大島なので。
鹿児島と奄美大島に墓所があって。
あとは…自分のおばあさんが奄美大島から船に乗って家出して沖縄に渡って…。
家出なんですね。
はい。
沖縄に渡って米兵さんと恋をしてお父さんが生まれてるので私はものすごい混血なんですけれど。
沖縄県はちょっと男の島というか男の文化が強い感じがして。
奄美大島は女の文化が強い感じの場所なので。
面白いのが踊りでも沖縄カチャーシーってこう外側に踊るんですね。
奄美はこう内側に踊る文化があったりとか。
満島さんがやるときれいですね。
これすごい得意なんです。
本当きれいですね。
だからもうちょっと先生たちがやってる研究とは本当に真逆な…まず帰ってきた時に「お帰り」って言われて泊まってた民宿のおかあさんに…そしたらまだ島の人も外出てないから…一回落としておいでって言って。
…で泳いで戻ってきてその日にごはん食べてて「あなたはここのお部屋で寝なさい」って言われて寝る訳ですよ。
寝ると夢の中に「もののけ姫」とかに出てくるような…朝起きてその島のおばちゃんに「何か犬神様みたいなものが夢に出てきたんだけど」って言ったら…フフフフフ!「それそれ」っていう感じでね。
そういう経験してみたいな。
満島は1985年に生まれた。
育ったのは沖縄市。
4人きょうだいの長女として育てられた日々は俳優満島ひかりのルーツになっている。
意識してるものとかありますか?何だろうな〜…何にも…男の人と女の人の間にも作らないとかあと人種もないって。
全部ないないないで育っているところはあるかもしれないですね。
探偵物の小説とか江戸川乱歩とか「シャーロック・ホームズ」とかそういうのが本当に好きで。
この人たち…ちょっと変わった…ずっと思っていて。
お父さんとお母さんには…あの人たちは私がお風呂に入ってる間に仮面を剥ぎ取った地底人なのかもしれないとか何かもう全てを…みんなを信じてるけどみんなを疑って生きてる子どもだったんです。
で何か何となく…それを見にお母さんと一緒に行った時にスクリーンで見た自分の顔見て「あっこれならお母さんは分かってくれる」って何か思ったんですね。
私はふだん彼女には何も説明できないし誤解されてる気がするけど何か私が全部映ってると思って。
それがきっかけです。
「この仕事だ」って「これだ」って思って。
そこにいたスタッフの大人たちも奇人変人というのはなんですけれどすごく楽しそうで遊んでるように見えたんですねお仕事じゃなくて。
自分が好きな事を…遊んでるように見えて…。
何か声をかけてもユーモラスな事が返ってくるしほかの大人たちとはまたちょっと違う押さえつけられない同等に見てくれてる感じがして。
じゃあ自分が合う世界を見つけたっていう感じなんでしょうね。
Folderの皆さんです!満島が本格的に芸能界入りしたのは11歳の時。
Folderというアイドルグループでデビューした。
満島ひかりです!よろしく!・「運命的な瞬間さパラシューター手と手を」子ども離れした歌唱力とキレのあるダンスでグループは人気を博す。
そして満島は14歳の時沖縄を離れメンバーと共に上京した。
いや〜一回出てきたのできょうだいもいっぱいいて…何かみんなに「よかったね。
その仕事すてきだね」って言ってもらえるまで帰らないぞみたいな。
すごいね。
覚悟を背負ってやって来たんですね。
満島さんの演技っていうとやっぱりこう全力で体当たりっていうそういうイメージがありますけど中学の時からそういう子だったんですか?どうなんでしょうね。
私は…いい意味でいい意味で。
いい意味で。
少し変わっていて。
本とかも好きになった本は何冊も本を読むんじゃなくて1つの本を何回も何回も読んだりとか音楽も1つのCDを100回ぐらい。
音楽なんかも空気中に散らばしながら聴くんですよ。
音楽を聴くっていうんじゃなくてほかの事しながら何百回もかけてるうちにそのリズムと生活のリズムが一緒になって気持ちがよくなってくるとか。
今も…あ〜何かリズムがあるんですね覚えていく。
覚えていく。
一回こう見て…へえ〜面白いですね。
それから後でまた本を読んで「あっちょっと違った」とか思うともう一回…。
だから決まった事を覚える作業からじゃなくて自分が何か何となく感じた事を散らばして後から固定するっていう作業が。
男なら何でもぶっ飛ばす。
私の名はヨーコ。
満島の演技は見る者を引き込む。
映画「愛のむきだし」で演じたのは心の傷がもとで暴力的に振る舞う女子高校生。
男敵。
激しいアクションシーンが大きな話題となった。
ジーザス・キリストをバカにするやつは主よお許しを!更に「役が乗り移ったよう」と絶賛された満島の演技。
離せ!たとえ全財産を貧しい人に分け与えたとえ称賛を受けるために自分の身を引き渡しても愛がなければ私には何の益にもならない!郷田君郷田君逃げなくってもいいよ。
コミカルな芝居にも定評がある。
このドラマで演じたのはなんと名探偵明智小五郎。
あれからここの管轄の警察署長を訪ねてここへ臨検した一人の刑事から…。
中性的で神出鬼没。
人を食ったような新しい明智像が鮮烈な印象を与えた。
中身が巻きたばこにこぼれかかっていたというのだ。
満島が初めて主役を演じたテレビドラマ「開拓者たち」。
広い〜。
旧満州現在の中国東北部に開拓団として渡った人々の物語だ。
こんな黒い土初めて見た。
このドラマでは満島は元開拓団の人々に話を聞いた。
よくいらっしゃいました遠いとこまで。
お邪魔します。
満州がどういう場所だったかというのが…どの程度豊かな土地だったかというのが…。
一番おいしかったのはスイカですよ。
スイカとねそれからねマクワウリなんて言ってたまあメロンの一種ですけどね。
今でもあの味は忘れられないね。
満州はどういうイメージでしたか?本当にいいとこじゃなかったよ。
これはだまされたぐれえにしか思わなかった。
関東軍のトラックだ!関東軍のトラックだ!助けてくれ!助けて!過酷な運命をたどった女性を演じその迫真の演技が評判を呼んだ。
やっぱり演じるっていうのは他人を演じる訳ですよね。
これはどんな準備をするんですか?私は文章で残っている事とか映像で残っているものとか本人にインタビューして分かりうる事は…するタイプです。
時間の許す限り。
あとはその場所があったら現地に行って…自分の…何かこの人を演じるからこの勉強をしようというんじゃなくてまるで自分がその事が生きる事に必要かのようにそこの場所で…。
感じ取るんですね。
机の上だけでは見えてこない事を触れながらやってみるっていうのは…だからちょっと一瞬仕事の事は忘れて準備をするっていう時間もありますね。
なるほど。
この人と同じようなレベルで物を見たりとか同じ視線に立ってみるという事を繰り返す事っていうか。
現地に行くと割と自然にそういうのが降ってくるんですか?そうですね。
どこにいても割と。
やっぱ「あっこいつ一緒だな」と思うと話してくれる事とか…。
それは人間だけじゃなくて自然環境もそうですけど。
私は俳優さんの仕事はペテン師だとは思ってますけど詐欺師だとかペテン師の仕事かもしれないけどうそだけはつきたくないって思ってずっと。
自分の感情の中からうそが生まれてくるのだけは嫌だって。
何か面白く遊べる事だったらいいけど何かそういう役者なので大変面倒くさがられたりもするんですけど。
「もうちょっと想像力働かせろよ」って言って言われたりする事もあるけど何かそんな中でやっぱり奇跡の瞬間みたいなのに立ち会うんですよたくさん。
もう説明のできないような考えもつかないような事柄が目の前で起きるっていうか。
みんな仕事中にあると思いますけどちょっとレム睡眠状態っていうかあまりにも集中し過ぎていて…。
集中し過ぎていてだからこそ自由で。
もうレム睡眠状態になってて…。
自分が誰かここに存在するものが何かとかもう関係ないみたいな…。
そりゃもう本当に入り込んで…。
空間の中に何か…フワ〜ッてこう何か…多々ありますね。
全力でやろうとすると時に力んだりする事ってあるじゃないですか。
意識し過ぎたりって。
そういうのはもうあんまりない感じなんですか?いやあると思います。
やっぱり若いのでまだまだいっぱい出てきたりとか。
みんなどういう仕事のしかたしてるのか分かりませんけど…一個一個を積み上げていくっていう感覚がなくて上に成長していくっていうのはなくて…今あっこれを学んだから次のステップっていう訳じゃなくてこれを学んだけど待てよ後ろ振り返ったらあっまた違うのがあったっていう感じでこう…。
でもそれは全然いいんじゃないですか?同じですよね。
だってこう行って何も見えないよりもやっぱりいろいろ見ながら成長した方が楽しいですよね。
何か違うものがあるんじゃないか違うものがあるんじゃないかって思うので。
ず〜っとどこかでいわゆる素人的な感覚は抜けなくてそろそろちゃんとプロフェッショナルにならなきゃなっていうのは思っていますけど。
「試合の途中ですがたった今テレビ局に電話が入りました」。
そして30歳を迎えた満島が演じた作品がこちら。
日本中の誰もが知るあの人になりきったドラマ「トットてれび」。
「危ないですからね下りて下さい」。
「あ下りました?」。
テレビジョン!テレビ創成期から活躍してきた黒柳徹子の半生を描いたこの作品。
撮影は型破りな方法で行われた。
この役のオファーがあった時はどうだったですか?迷ったりしました?すごく迷いました。
もう最初は…「え〜ちょっと本当にできないと思います」ってお断りして…「これはどういう作品を作られるんですか?」っていうので全然想像できない状態でやっていて。
ただ…すごい量になっちゃうんですね?もうほとんどフリースタイルみたいな。
「ドラマ撮りますよ」とかやってますけどもうカメラマンたちもいつ映っても構わないくらいの撮影現場で…今のこういう場面も人が亡くなったあとにただ何となくこう彼女が…向田邦子さんが脚本を書いていた場所を見て歩き去っていくっていうふうな場面だったんですけど「いやちょっと待てよ」って言って。
向田さん私ね面白いおばあさんになる!あそうなんですか。
それはアドリブで出てきたせりふなんですか。
でその撮影を黒柳さんがご覧になってて「私も踊る」って言って100歳の徹子さんも一緒にこう踊ってる…。
何かいい話ですね。
これ終わったあとにやっぱり何かご自分が変わったと思ったりしましたか?う〜ん…強くなった気がします。
やっぱ徹子さん自体もともと好きですけど彼女の著書をたくさん読んだりとか一緒に2人きりでごはん食べる機会もありましたし何だかこう手を握り合ってただ黙って見つめ合う時間とかもあったんですね。
会話のない会話をしてる時間とか。
すごくいろんな…女優さんもやられてアナウンサーもやって音楽もやっていろんな事に…そういう人の…いやすごい体験ですよね〜。
まあそうやって…そんな中に触れられて経験が…疑似体験でもできるっていうのはさっきのあの舟の話と近いと思いますけどああいう…私の中ではああいう挑戦をチャレンジをしてるような…。
演じる役をとことん見つめてその人生を演じる。
最新作「海辺の生と死」の撮影現場でも満島は地元の人々と踊り歌う時間を大切にした。
(一同)キャ〜ッ!こうして役という境界線を越えていく。
そんな満島の演技は時間や空間も乗り越えていく。
ところでさっき3万年前の…演じるっていう話がありましたけれどもし本当にやるとしたらどんな役割を…?3万年前と今とは残ってるものはガラッと違うでしょうしその…いわゆる沖縄とか奄美大島に受け継がれてるユタさんとかノロさんっていわれてる神が降りてくる文化っていうのはまたもうちょっと近年のものかもしれないですけれどとりあえずそういう人たち知ってる人そういう人に全員に…誰かがヒントくれるかもしれないし。
あと現地に生きてる子どもたちっていうのはその場所その土地から…そっかそういう…そういう準備のしかたされるんですね。
そうなんですそうなんです。
やっぱ聞いて現地の声をすくい上げてそこをまず理解するんですね。
その土地に根づいてきた人たちの声が一番なので。
おばあさんだったらおばあさんと手を「5分間つながせて下さい」って言ってよく…。
何となくこう…いい事が思いつくんじゃないかとか。
満島さんだったら3万年前の謎解明してくれそうですね。
一緒に連れてって下さい。
「こうだったんですよ」ってこっちが教えられちゃいそうですね。
すごく興味があります。
もう仕事をとりあえず一瞬やめてでも行きたいぐらい。
じゃ以上になります。
長々とありがとうございました。
(拍手)人を…人間を明らかにしていくっていう仕事っていう点では同じなような今日は気がしました。
そこを僕共通点があるっていうのは気が付かなかったですね今まで。
本当ですか?あんまり…やっぱ俳優ってすごく違う世界なのであんまりそういうふうに考えた事なかったけど確かにそうですよね。
私ずっと考古学とかそういう何か人類の事調べてる人は絶対役者さんとおんなじ感覚だと思うっていう何か…。
そっか。
仕事がなくなったらそういうのの助手とかになろうってず〜っと思って…。
でも今日いろいろ話聞いててね羨ましかったです。
僕には…やっぱ証拠がないとダメだっていうとこでそこで狭めてるから。
どうもありがとうございました。
2017/12/16(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち) アンコール「満島ひかり×海部陽介」[字]

役が乗り移ったような演技で評価の高い俳優・満島ひかりと、古代人が日本に来たルートを探るため3万年前の航海再現に挑む海部陽介が、ロマンあふれるトークを繰り広げる。

詳細情報
番組内容
役作りではできるだけ資料を読み取材をするなど準備を重ね、そのうえで想像力を働かせるという満島。一方、海部は古代人がどのように海を渡って日本列島にたどりついたか、さまざまな周辺調査の上、実際に草舟を作り海図も磁石もない状態で台湾から与那国島へ渡るプロジェクトに挑んでいる。想像力を駆使する仕事の方法に共通点を見出した2人が、海部の仕事場・国立科学博物館と満島のルーツの1つである都内の中学校で語り合う。
出演者
【出演】俳優…満島ひかり,人類進化学者…海部陽介,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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