世界的に権威のある科学誌「ネイチャー」などを擁する独学術出版大手、シュプリンガー・ネイチャーが運営するサイトで、「天安門事件」など中国にとって政治的に微妙な言葉を含む論文へのアクセスを中国国内で遮断していたことが分かった。同様のケースは8月に英ケンブリッジ大出版局でもあったが、批判を受けて数日で撤回した。しかしシュプリンガー・ネイチャーは「中国の法律に従う」とし、発覚から約1カ月たっても方針転換の様子はない。中国研究者は、学問の自由への攻撃が新しい常態となってきたと指摘している。 (坂本英彰)
シュプリンガー・ネイチャーによる論文の遮断は11月1日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じて明らかになった。傘下にある「ジャーナル・オブ・チャイニーズ・ポリティカルサイエンス」など、2つの政治学系学術誌のウェブサイトで、中国国内からアクセスを遮断していた。
中国政府を批判する可能性がある「台湾」「チベット」「文化大革命」などの言葉を含む論文について、他の国々では読める1000以上の論文が中国国内で参照できなくなっていた。
ジャーナル・オブ・チャイニーズ・ポリティカルサイエンスのサイトで、「チベット」で検索をかけると通常は66件の論文がヒットするが、中国国内ではヒットしない。同様に110件ある「文化大革命」を含む論文も、中国国内ではゼロとなりサイト内に存在しないことになっている。
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