中国で完全電動の貨物船が就航。CO2排出ゼロ、運ぶのは石炭
運べば運ぶほど...
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近年、自動車の電動化が浸透しつつあり、電動飛行機なども実用化に向けた開発が活発化しています。一方であまり電動化の話が聞こえないのが船舶方面。別に水と電気の相性の悪さが原因ではないはずですが、港ごとに充電設備が用意されなければ、電動化したところで港化大海原で立ち往生ということにもなりかねません。
しかし、中国では電力で推進する貨物船が就航した模様です。その全長約70mの貨物船はリチウムバッテリーとスーパーキャパシターを組み合わせた、2.4MWhのエネルギー貯蔵システムを搭載、160kWモーターx2基がスクリューを駆動し、フル充電で約80kmを航行可能です。
この電動貨物船は中国広東省の2つの造船所を行き来し、2000トンの積荷を運搬するとのこと。各造船所にはもちろん2時間で充電を完了できる充電設備が整えられます。
海運業界にとっても、ディーゼルや重油焚きの蒸気タービンからバッテリーを使った電動方式に移行することで、CO2排出量を抑えられ、環境への配慮もアピールできます。
ただ今回の貨物船の場合、2つの港の間で運搬する積荷が石炭、というのがなんとも皮肉。まったく排気ガスを出さないこの船が仕事をすればするほど、船の航行に関してはCO2削減効果があがるものの、その仕事の結果として石炭使用量が増えるなら、どちらが環境のために良いのか評価に悩むところです。
ちなみに電動の貨物船としては、6月にノルウェーで電動かつ自動航行の貨物船が建造中と伝えれられていました。この船は2018年後半に就航予定で、就航当初は人員が乗り込むものの、2019年からは完全無人で運行する計画です。また、南極観測船「しらせ」のような砕氷船は頻繁に前進後退を繰り返して氷を割るため、ディーゼルエンジンを発電機とする電気推進方式が採用されています。