保有株式からの配当金の受取方法に関する話題です。
私は米国株(アメリカ株)への配当再投資を通じた長期投資を行っており、保有株式から支払われる配当金は原則全て保有株の買い増しに使っているため、配当金の受け取り方法は証券口座に直接入金される「株式数比例配分方式」を選択しています。
実際に私自身もそうでしたが、恐らく株式投資初心者が最初に迷ったり、うっかり設定変更をしてしまったり、もしくは変更し忘れて失敗したりすることの主な一つがこの配当金の受け取り方法です。また、積立NISAも追加されるなど、NISA関連口座利用者が増える中、NISAでの非課税メリットを享受する上での重要な設定がこの配当金の受け取り方法でもあります。
そこで今日は、基本中の基本でもあるため既に株式投資を始めている方はご存知の方も多いかと思いますが、この配当金の受け取り方法について改めてご紹介してみようと思いますので、現在迷われていたり、これまで設定を触ったことがない方はこの機会に是非ご参考ください。
「株式数比例配分方式」とは
どの受取方式を選ぶべきか分からない場合には、とりあえずこの「株式数比例配分方式」を選んでおけばまず間違いはありません。特に私のように支払われる配当金を原則全て株式の購入に充てる場合は尚更この方式がおすすめです。
「株式数比例配分方式」とは、保有株式の配当金等を配当の権利確定時における保有株数に応じて各証券口座(特定口座等)にて受領する方法となります。例えば同じ銘柄を複数の証券会社で分割して保有している場合には、保有残高に応じて各証券会社の口座に配当金が入金されることになります。
この受け取り方法の設定は変更手続きを行った証券会社だけでなく、基本的に自身が保有する証券口座全てに統一的に適用されるため、いずれかの証券会社でこの設定変更をした場合は他の証券会社の設定も全て変更される形になり、しかも最後に変更した内容が全てに適用される形になります。
※松井証券ウェブサイトより
注意しなければならないのがNISA口座の受取方法の選択です。NISAの最大のメリットは株式による利益に対する税金が非課税になる点にあり、もちろん配当収入に関してもそのメリットが適用されることになりますが、それは配当金の受取方法として「株式数比例配分方式」を選んだ場合に限定されるため、他の方法を選んでしまった場合は非課税メリットが適用されません。
口座を作成して以降受領方法を変更していない場合は、後でご紹介する従来型の方式にデフォルト設定されてしまっていることが多いため、念のためご自身の設定内容を再度ご確認ください。
「登録配当金受領口座方式」とは
「登録配当金受領口座方式」とは、複数の証券会社に口座があった場合でも、指定した1つの金融機関口座へすべての株式の配当金が振り込まれる方法です。例えばリタイアされた方など、配当金を生活費の一部として充てているような場合は、この方式がおすすめではないかと思います。
「株式数比例配分方式」と同様に、この方法についてもいずれか一つの証券会社で設定することで、他の証券会社もすべてこの方法に変更されるほか、NISA口座でこの方法を選んでしまった場合は、配当金に課税されることになってしまう点にはくれぐれもご注意ください。
※松井証券ウェブサイトより
スポンサーリンク
「個別銘柄指定方式(従来方式)」とは
「個別銘柄指定方式」は、保有している証券会社毎ではなく銘柄ベースで配当金を受け取る金融機関口座を指定することができる方法です。具体的に言えば、コカ・コーラはA銀行の口座、アルトリア・グループはB銀行の口座といったイメージです。基本的に銘柄ベースとなるため、同じ銘柄を複数の証券会社において保有している場合でも、証券会社毎に異なる金融機関口座を指定することはできません。
新たに銘柄を購入する度に指定する必要があり面倒でもあるため、個人的にはこの方法を選択する状況やメリットが今一つ具体的にイメージできませんが、一般的には何らかのニーズが存在するのでしょう。もしご興味ある方は、ご自身でも詳しくお調べいただければと思います。
※松井証券ウェブサイトより
「配当金受領証方式(従来方式)」とは
「配当金受領証方式」は、従来から行われている方法で、銘柄毎に直接配当金領収証を受取り、金融機関に出向いて配当金を受取るというものです。具体的には、配当額決定後、配当を受け取るための配当金領収証が株の発行会社から直接自宅へ送付されるため、必要事項に記入・捺印した上で、銀行または郵便局に持参することで配当金を受け取ることが可能になる形です。
配当金を現金で受け取る喜びが実感できる以外にメリットはなく、そもそも配当金を受け取るのにわざわざ金融機関へ出向かなければならない点が非常に面倒であり、個人的には全くといって良いほどメリットを感じませんが、ネットを使わない世代向けには必要なのかもしれません。
※松井証券ウェブサイトより
まとめ
以上4つの方法をご紹介してみましたが、結局のところ配当金の受取方法は受け取った配当金の使い道を基準として選択すべきだと言えます。大別するとすれば、再投資用資金とするか生活資金とするかの2つに分けることができ、再投資であれば「株式数比例配分方式」、生活費であれば「登録配当金受領口座方式」を選ぶのが、手間の観点からも妥当だと言えましょう。
私の場合は配当再投資を基本としているため、迷うことなく「株式数比例配分方式」を選択していますが、仮に配当再投資をしないとしてもおそらく「株式数比例配分方式」を選択するでしょう。というのも、最近ではリアルタイムで出金できる環境も整っていることが多いため、必要であればすぐに銀行口座に送金可能であるほか、NISAのケースをはじめ何かと一番面倒なことが少ないためです。
是非この機会に、配当金の使い道が決まっている方は、それに最もマッチする受取方式に設定されているか否かを再度ご確認いただき、もし仮に現時点で配当金の使い道が決まっていない場合には、とりあえずNISAも含めて全てを「株式数比例配分方式」に設定されることを是非おすすめします。
www.usstocks.club