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【社会】

退去処分一転、在留許可 甲府のタイ人高校生

在留特別許可を得て、ほっとした表情を見せるウォン・ウティナンさん=15日、甲府市内で

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 不法滞在のタイ人女性の子として日本で生まれ育ち、東京入国管理局から強制退去処分を受けた甲府市の男子高校生ウォン・ウティナンさん(17)が、十四日付で一年間の在留特別許可を得たことが、関係者への取材で分かった。

 東京入管は退去処分撤回の理由を明らかにしていないが、支援者は「処分取り消し訴訟の署名活動などで、地域への定着を認めてくれたのではないか」と話している。

 ウティナンさんは二〇〇〇年、不法滞在の母親とタイ人男性との間に生まれた。不法滞在発覚を恐れて母親と共に国内を転々としたため、小学校には通えなかった。甲府市の支援団体の協力で中学二年の頃から登校を始め、現在は山梨県立中央高の三年生。

 滞在許可を求めて母親と共に東京入管に出頭したが一四年八月、強制退去処分となった。母親が帰国する一方で、処分取り消しを求め提訴したが、一、二審は敗訴。上告を取り下げ、東京入管に再審査を求めていた。

 ウティナンさんは「これまでは県外に出るのも許可が必要だった。自由に行動できるようになり、将来の夢を考える時間をもらえてうれしい」と笑みを浮かべた。

 

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