ネット界隈有名人の本は買わなくなった。なぜなら、著者自身があまりに自分の能力に対して無自覚だからである。あるいは気づいていながら見て見ないふりをしているからである。
ほりえもん。ちきりん。そしてpha。
ネットで成功している有名人は皆、高学歴で能力が高い。どうしたらphaさんみたいになれますか?という質問に対して、もっとも明確な答えは、phaと同じくらいの能力を持つ、というものだろう。だが、人間のもともと持っている能力はある程度決まっているのだから、それは現実的にはほとんど不可能である。全ての人間が、努力次第で東京大学に、京都大学に、マッキンゼーに入学・入社できるわけではないのだ。だが、彼らが、著書の中で、そのことを語ることは決してない。彼らは彼らの成功や現在の地位が、能力や学歴によるバックボーンに裏打ちされていることを決して語ることをせず、それがあたかも誰にでも可能な普遍的なメソッドのように語るのである。
人は、平等ではない。どうやったらphaさんみたいになれますか?という質問をする人、彼らの本を購入し、真剣に読んでいる人たちは皆、そのことを認めたくないのだろう。だが、人は平等ではない。生まれた時から与えられたものは違うのだから。人は身の丈をこえたものを求めると不幸になる。貧乏人が金持ちのふりをするべきではない。無能が有能のふりをするべきではない。貧乏人は倹しさのなかに幸福を求め、馬鹿は馬鹿なりに一生懸命できることを頑張ればよいのだ。それがもっとも賢明な生き方である。賢い人間は運命に逆らわない。
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2017/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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