〒 みなさま
こんにちは円野まどです( ˙ᵕ˙ )!
ちょっとたてこんでしまって少し空いてしまいました。
最近また寒さが増してきて、私は思い切り体調を崩してしまったのですが皆様はどうですか?あたたかくしてすごしてくださいね。
もう12月の半分も過ぎて、あとはクリスマスが来て、わーっとして新年があけるようなあわただしい流れが想像できるのですが、私はこのタイミングで何か始めてみようかなって思っています。
小さなことでもいいんですけど、何か新しい事。
新しいペンを買うとかでもいいんですけど、とにかく、今までしなかったことを何かしたいなって思ってます。そのきっかけについて書きますね( *´꒳`* )
12月も終わりかけだけど何か始めようかなと思ったこと
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*おばあさん
近所には大きな公園があって、時々そこで本を読んだり、ぼんやりしている。
その日は冷たくてひらたい石のベンチに座った。
季節ごとに見ごろを迎える植物があって、いつもきれいだ。
よく伸びた木が見える。葉が一つもなくて、冬なんだなと思った。
あっという間に12月になって、もう来年になるんだな。
足をぶらぶらさせていたら、目の前に猫が来た。
冬の猫は非常に友好的で、時々勝手に膝にのってくる。
この子もそうで、ベンチに飛び乗ったあと、すぐに私の太ももに前足をかけた。
かわいい。
私が背中をなでていると膝の上で回転する、次はお腹、それに飽きたらまた転がって時々変な声を出す。
「かわいいねえー」
わたしの心の声を発声するみたいに、おばあさんが声をかけてくる。
白いニット帽とウルトラライトダウンだけであとは普通の洋服を着ている。
だから一瞬驚いた。今日は結構寒い。私はマフラーでぐるぐる巻きだ。
「あっ、へへへ・・・。」
私は諸事情により推定70歳以上の方とは円滑にコミュニケーションがとれるのでだらしなく笑顔を返した。
おばあさんは膝をまげて、そっと猫を覗き込んで目を細める。
「触ってもいいかしら?」
「アハハハ!」
サイコな受け答えをしてしまったのだけど、この時ある事が過ぎっていた。
前に同じように野良猫を抱っこしてるとき、同じように通りすがりのおばあさんが撫でようとしたことがあった。そうしたら急に猫が野生の目になっておばあさんを引っかいたのだ。血がそれはもうブシャア出て、私はその方を家まで送った。
私は猫を飼ったことがないので、正直なんでそうなったのか分からないけど、とにかく猫にも様々な事情があり時には(ちょっと今いやなんだけど!)ってなることは分かるので、すこし躊躇する。
おばあさんは私の笑いと沈黙を肯定と受け取ったようでそっと撫でた。
ありがたいことに、今日の猫ちゃんは寛容だった。
なでると白いふかふかした毛が波打つみたいで、よりかわいい。
かわいい以外の形容詞がなかなか今日は出てこない。
空腹は知性を蝕む。
「わたしって何歳に見える?」
ここで、多くの男性を悩ませるであろう質問がまさか私に飛ぶ。
少し迷って「全然分からないです!想像もつかない。」と問題提出者がガッカリする回答をした。おばあさんはもう、最初から答えを言う気に違いなかったので、ステラおばさんみたいなニカッとした笑顔を見せた。
「九十、四!九十四歳。」
指で九、と四を示してから更に大きく口を開けて笑った。
「エーッ!」
今度は期待通りのリアクションが素でとれたと思う。
90歳には見えない。正直、70歳そこそこくらいに見える。
背中もまっすぐ、今にも走り出しそうで、なぜコートを着ないでウルトラライトダウン一丁なのかはともかくとして、本当に94歳だとは予想もつかない。私がビックリした顔のまま上から下まで不躾な視線を走らせていると、楽しげに更に続いた。
「これから80歳で始めた麻雀をしに、雀荘にいくのよ。あなたもいく?」
(ネットでしか麻雀したことないから、卓では多分できない)と思いここは首を振った。私の戸惑いを見てまた、何かが面白かったようでコロコロ笑いながらおばあさんは猫をあやす手を引っ込める。
「行くわ。またねえ。猫ちゃんも。あのねえ、こんな私でも麻雀できたんだから、何でも始めたいときに始めなさい。これは、通りすがりのおばあちゃまからのアドバイス。」
そういって、最後にわたしの髪の先を撫でる。
それから、あっという間に公園のゲートを潜って消えてしまった。
*少年
その後私は猫の背中を机にして、本を読み始めた。
猫はなかなか飽きないようで、今度は私のおなかのほうに顔を向けて、しがみつくように眠ってしまった。
公園自体二時間くらいしたら帰るつもりだったので、少しだけのつもりでページをめくっていたのだけど、いつの間にか集中してしまっていて、その子が私の傍にいることに気が付かなかった。私は何かに集中すると、コーラを飲むことくらいしか出来なくなる。音とかもあまり感じなくなるので、本の角度を変えた時に本来そこにない色が視界に入って、小さく叫びそうになった。
「!」
目をひん剝くという表現があまりにも正しい顔をして、なんとか叫ぶのを堪えた。
白いパーカーを来た男の子が目の前にいたからだ。こんどは恐らく、小学生。
先ほどのおばあさんと同じように猫を見つめている。
私は子供よりも弱虫なので、声も出ず黙って見つめていると男の子は私と目を合わせないまま猫だけに視線を送り、質問してくる。
「それ、生きてるの?」
息を呑むような緊張感が伝わってきて、私がこの子に数分くらいの間かなり猟奇的な可能性をもって観察されていたことに気付いた。生まれてきてすいません。
「生きてますよ。」
私は落ち着き払って答えた。これ以上やばく見られたくないので、大人の余裕をもってゆっくり話した。本当は脳内で
(えっこの子、信じられない、真冬に短パン履いてる!!!!!短パン履いてるんだけど!!!)と思っていたけど、極めて冷静に対処した。そんな私の、大人っぽい感じに安心したのか(自分でいう)男の子はわずかに表情を緩めて、肩の力を抜いたように見える。
「触ってもいいですか?」
私の猫ではないのだけど、膝の上にいるので許可を求める気持ちもわかる。
いきなり出現したように見えた動揺も落ち着いたので、ゆっくりと諭すように声をかけた。
「眠ってるので、そーっとできるかな?」
と言うと、なぜだかびくりとして、伸ばしかけた手を止めた。
テストを受ける前のような顔をして私を見る。頼りない表情だ。
「こわい?」
もう一度聞くと、今度は眉毛をキッとして今度は慎重に、でも思い切り撫でた。
猫は全然起きなくて、けっこうわしわしっとされても、気持ち良さそうに私の腰にギュッとしがみついた。猫の手がマッサージをするみたいにギュッギュッと私のおなかを押す。
「触った。」
そう言って男の子はポケットからメモを取り出して、「ここに名前を書いて下さい」と言ってきた。そこには日付と名前と色々書いてあった。
「えっ、なまえ?!なんで?!」
私のお姉さん面は簡単にここで崩れる。かっこうってなかなかつかない。
ちょっと普段のブログ脳というか、個人情報保護な気持ちが出すぎて大きな声を出してしまったけど、男の子は得意げに続けた。
「11歳になるまでに猫を千匹なでるの。これ、証人の書名欄。」
「へーーー!」
面白いこと考えるなあと思い、ペンを受け取る。まるのまどって書こうかなと思ったけど公園のお姉さんと書いた。よく考えると住所不定感が出てしまった。
リストの猫は現在もう400匹を越えている。頑張っている、たいへん意志の強い子だ。
「なんで猫千匹なの?」
そういったら堰を切ったように、男の子はたくさん説明してくれた。
「なんかね、学校でさ千匹くらいいけそうっていったら、無理だっていわれたから、最初は無理じゃないって証明しようと思ったんだけど。」
うんうんと頷く、その後とてもとても強気な顔で一拍間をあけて続けた。
「今はもっと面白いことになると思ってる。」
ベンチから見上げたその子の顔があんまり誇らしそうで思わず笑った。
身近にいるいつも得意げな人を思い出して、かわいく感じた。この子も大きくなったらあの人のようになるのかなあと思うと、なんだか親しみを感じてニコニコする。「じゅうぶんすごいからがんばりすぎないでね。」と声をかけた。
ここでもよいお姉さん風を装った筈が、やはり頼りないようで
「お前家近くなの?寒そうにしてる。風邪ひくぞ。」
と小学生に心配されたので苦笑いしてしまった。
なぜ私のかっこうはこうもつかないのか。
当然のように子供にも虚弱そうに見られる私は猫ちゃんをそっとあたたかいところに移して、帰宅したのでした。
*公園
なんとなく、この二つの出会いが同じ日にあって、何かをはじめるのにちょうどいい日なんだなって思いました。
もう今年は残り少ないけれど、なんでもいいから数日内にはじめて、私もあとから誰かに「はじめたときより面白いことになってる」って言って見たいな、なんて思いました。!
なんでもないお話を読んでくださりありがとうございました・・・!
落ち着いた大人めざしてがんばります!
それではまたお便りします!
それと、時々変わっていくことに関して感想をいただくのですが、私はこどものころから本質はなんにも変わらなくて、いつも誰のことも蔑ろにしないで生きられたらいいなとよく思います。それとおいしくてだらだらした生活ですね( ∩ˇωˇ∩)!
★ばたばたしているときも、ツイッターで朝一番のご挨拶だけはしているのでよろしかったらツイッターでもお話してくださいね( *´꒳`* )
円野まど