「黒板をノートに写すのは意味あるの?大学なんて講義の最後に、黒板を写メで撮って終わりだよ。」
という学校の教員としては、結構ドキドキする意見を耳にすることがあります。
これは個人的には共感する人の多い意見だと思っています。
そして肝心の私自身も同じことを思っていた経験があります(笑)
ただ、教員になってみると、ちゃんと意味があることを知りましたので、参考になるかはわかりませんが、現役教師の意見を書いてみようと思います。
子供と大人の違いは、たくさんありますが、その中に
「脳の処理速度」
があります。
個人差もありますが、一般的に大人より子供の方が処理速度は低いです。
例えば、大人は会議において、
・周りの意見を聞く
・会議の内容をメモする
・意見も考える
・自分の意見を発言する、メモする
このような別々の行動を同時にできます。
しかし、子供は発達の途中なので、
・ノートに書く
・話を聞く
・自分の意見を考える
などの行動を同時に行うことは大変です。
(個人差はありますが)
もし、先生が黒板に書きながら、同時に説明をすると、多くの子供が「書く」と「説明を聞く」どちらに集中していいかわからなくなります。
だから、授業では、
・ノートに書く時は「書く」
・話を聞く時は「静かに聞く」
など、丁寧に区切って活動することを心がけます。
しかし、いつまでもそのままではありません。
子供は活動を繰り返す中で、徐々に活動を「自動的」にできるようになります。
自動的、というのは「脳で多く処理をしなくても、自然とできる」という状態です。
この状態になれば、「書く」ことに使っていた脳の処理速度を別のことに使えるようになります。
つまり、「書く」と同時に「聞く」「考える」「話す」などの別の活動ができるようになります。
同じように、「話を聞く」ということが自動化すれば、「話を聞きながら、書く、質問を考える」こともできるようになります。
このように、「書く」「話す」「聞く」などの基礎的な能力は鍛えていくと、どんどん自動化できます。
学校の授業でも、
・相手の意見を聞きながらメモをする
・感想を考えながら、話を聞く
などの複数の活動を同時に行うことの練習が、授業に組み込まれています。
この授業でも日々「書く」「話す」「聞く」という活動を十分にしていると、スムーズに身につけることができます。
その結果、大人の会議の例のような、同時に複数のことを行い、活動を効率よく進める力を身につけていきます。
その他にも、勉強の得意な受験生には、「先生の話を聞き」ながら
・教科書の大事な箇所にカラーペンを引く
・理解できなかった箇所をメモする
・語呂合わせを考える
などの複数の活動を同時にできる子が多いです。
これも、子供の時からの基礎的な活動の積み重ねの結果と思っています。
最初の話に戻りますが、
「黒板をノートに写すのは意味あるの?大学なんて講義の最後に、黒板を写メで撮って終わりだよ。」
という考えを持つ方は、
「十分に脳の処理速度が鍛えられた人」
だと思います。
少し個人的な意見を追加をすれば、
「講義中に、黒板の内容をノートに書きながら、ついでに教授の話をメモしながら、さらに自分の意見を考えメモしながら、意見を言う」などの脳の処理速度を鍛えていくと、まだまだ鍛えられるかも!
と思います(^ ^)
というわけで、
「世の中には、意味のないものなんてないんだよ。」
という綺麗な結論で終わります(笑)
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