福井市内の交番前で覚醒剤に見せかけた白い粉の入った袋を落として逃走し、警察官に追跡させる動画が動画サイト「ユーチューブ」に投稿された事件で、偽計業務妨害の罪に問われた越前市村国3丁目、自称広告業鹿谷大治被告(31)の初公判が15日、福井簡裁(小川正照裁判官)であった。被告は事実関係を認めた上で起訴内容を否認し、「覚醒剤の撲滅、啓発のため(動画の)素材を作るつもりだったので無罪にしてほしい」と主張した。
被告は簡裁から受けた罰金40万円の略式命令を不服とし納付せず、正式裁判への移行を10月に申し立てていた。
検察側は冒頭陳述で、警察官ら28人が逃走現場への臨場や取り調べなどに当たり「本来の業務が妨害された」と主張。警察官が追跡する様子を撮影した映像をいたずら動画としてユーチューブに投稿したと指摘した。
鹿谷被告は「結果として大勢の警察官が対応したことは認めるが、2、3人で終わりだと思っていた」と述べた。弁護人は、警察業務は強制力のある「権力的公務」で、偽計業務妨害罪が対象とする「業務」には当たらないと反論した。
起訴内容は、元妻と共謀し8月26日、JR福井駅近くの交番前で、覚醒剤に見せかけたグラニュー糖入りのポリ袋を故意に落とし逃走することで、交番勤務などの業務を妨害したとされる。
被告は動画投稿する「ユーチューバー」を名乗っていた。白い粉の動画は「覚醒剤いたずらドッキリ」と題して投稿され、130万回以上再生された。
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