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前回予告した通り
今回は国家資格である、射出成形1級技能士の技能検定試験の実技試験の体験談を公開します。
もう7〜8年前の事なので、今とは多少変わっているかも知れませんので、その辺はご了承ください。
- 実技試験の前には講習会がある
- 試験に使用する原料を事前に準備する
- 実技試験時の服装と持ち物
- 試験には試験官と補佐官の2人がつく
- 試験内容
- 金型の取り付け
- 冷却水用のホースの取り付け
- 冷却機の温度調整をする
- 金型の型締力を調整する
- 加熱筒の樹脂換え
- ポリスチレンで成形品を40個成形する
- ポリカーボネートで成形品を40個成形する
- ポリカーボネートからポリエチレンに樹脂を戻す
- 冷却用ホースを外し、金型を外す
- レポート記入と後片付け
- 僕の実技試験の時は…
- 最後に…
実技試験の前には講習会がある
検定試験を申し込むと、後日試験の日程や講習会のお知らせなどが届きます。
有料の講習会ですが、講習会の場所は実技試験会場なので、当時使う成形機の操作説明や当時使う金型も見せてくれますので、初めて試験を受ける人は必ず申し込んだ方がいいです。
試験に使用する原料を事前に準備する
実技試験に使う原料2種類(ポリカーボネート・ポリスチレン)は、自分で用意して、試験前日に試験会場に持ち込み、乾燥させてもらわなければいけません。
しかし協会の方に事前に申し込めば、有料で原料を用意してもらうことができます。
かなり割高ですが、乾燥もしておいてくれるので、とても楽です。
実技試験時の服装と持ち物
長袖の作業着、安全靴、帽子又はヘルメット、軍手、筆記用具が必要です。
ニッパーや六角レンチ、ノギスなどの工具は会場に用意されています。
試験には試験官と補佐官の2人がつく
実技試験には、試験を採点する試験官と、受験者の補佐(安全管理として)をしてくれる補佐官がついてくれます。
試験内容
指定された金型を取り付け、2種類の樹脂を使い、それぞれ40個の良品を成形し、終わったら、金型を外し、もとの状態に戻します。
そして作った成形品の中から1つ選び、寸法や金型との収縮率、不良率などを計算し、レポートを書きます。
これを3時間以内に行い、1分すぎるごとに減点され、30分をすぎると失格になります。
金型の取り付け
まずは成形機に金型を取り付けます。
チェーンブロックで金型を吊るし上げ、成形機に取り付けます。
クランクと呼ばれる金具でしっかりと金型と成形機を固定します。
固定したら、試験官に確認してもらいます。
冷却水用のホースの取り付け
金型を冷却する為のホースを取り付けます。
水路に注意しながら取り付けます。
終わったら試験官に確認してもらいます。
冷却機の温度調整をする
冷却用ホースを取り付けたら、今度は冷却機のスイッチを入れ、金型に水を通します。
そして水温を調整します。
まずはポリスチレン用の水温に調整しておきます。
金型の型締力を調整する
成形品の大きさから、適切な型締力を計算して設定します。
ここで適切な型締力を設定しないと、ショートショットやバリなどの不良になってしまいます。
加熱筒の樹脂換え
加熱筒(プラスチックを溶かす場所)の樹脂換えをします。
最初はポリエチレンが入っているので、これを試験用の樹脂ポリスチレンに交換します。
ポリスチレンで成形品を40個成形する
樹脂交換が終わったら、温度調整や成形条件の調整を行い、成形品を作ります。
箱状の成形品を40個作りますが、完璧な成形品ができない形になっているので、独自の判断で良品と決めて成形します。
ポリカーボネートで成形品を40個成形する
ポリスチレンで40個成形し終えると、今度はポリカーボネートに切り替えます。
ポリカーボネートはポリスチレンよりも成形温度が100度ぐらい高くなるので、加熱筒の温度も冷却水の温度も成形条件も変わるので、再び再調整しなければなりません。
こうして40個成形します。
ポリカーボネートからポリエチレンに樹脂を戻す
ポリカーボネートで40個成形品を作ったら、今度は初期状態に戻さなくてはいけません。
ポリカーボネートからポリエチレンに樹脂を戻します。
※ポリエチレンは試験会場に用意されていて、使い放題になっています。
樹脂をポリエチレンに戻したら、不良状態で構わないので、1個成形します。
試験官に樹脂の状態を確認してもらいます。
冷却用ホースを外し、金型を外す
金型を締めた状態で、冷却機のスイッチを切り、冷却水用のホースを外します。
チェーンブロックで金型を軽く吊り上げた状態で、クランクを外します。
そして金型をもとの場所に戻して終了です。
レポート記入と後片付け
2種類の樹脂で作った成形品の中から1つずつ取り、寸法を測ったり収縮率を計算したりして、レポートを記入します。
レポートが終わったら、使った工具などを片付け、軽く掃除をします。
終わったら、試験官に作業の終了を告げ、了承されれば、無事に試験終了になります。
僕の実技試験の時は…
僕が初めて実技試験を受けた時は、緊張と慣れない成形機の為、23分オーバーになり、見事不合格になりました。
2度目の実技試験の時は、時間はオーバーしなかったのですが、成形品の質が良くなかったのか、やはり不合格でした…
最後に…
これが射出成形1級技能士の実技試験になります。
7〜8年前の体験談ですし、実施の県によっても多少違うので、もし今後試験を受けたい人は参考にして下さい。
長い記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
明日は新作の絵日記漫画をアップできると思います^ ^
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