ナガの映画の果てまで

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〇はじめに


 みなさんこんにちは。ナガと申します。 

 今回はですね、いよいよ公開になりました映画『スターウォーズ8:最後のジェダイ」についてお話していこうと思います。

 良かったら最後までお付き合いください。

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〇あらすじ・概要


 「スター・ウォーズ」の10年ぶりの新作として大ヒットを記録した「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に続くシリーズ作品で、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを探し当てた主人公レイがたどる、新たな物語が描かれる。前作で「スター・ウォーズ」の新たな主人公レイに大抜てきされ一躍注目を集めたデイジー・リドリーのほか、ストームトルーパーの脱走兵フィンを演じるジョン・ボヤーガ、ダースベイダーを受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバー、そしてルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーらおなじみのキャストが出演。監督・脚本は「BRICK ブリック」「LOOPER ルーパー」などで頭角を現したライアン・ジョンソンが担当した。(映画com.より引用)


〇予告編






〇描かれたのは、ルークの物語の終わり

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 スターウォーズは現在ナンバリングのある映画が8作品公開されている。そしてそれをどう区切るかというのは、ファンの間で悩みの種であることは間違いない。

 一般的には、エピソード1~3までを新三部作やプリクエルトリロジー、エピソード4~6までを旧三部作やオリジナルトリロジーと呼称することが多い。他にも前者をアナキン三部作、後者をルーク三部作と呼ぶ人もいるだろう。



 ただこのように区切ってしまうことは非常に難しいのだ。そもそもルーカスが制作したエピソード1~6は全てまとめてアナキンの物語と考えることもできるからである。

 ルーカスが描いたのは、「シスを倒し、銀河のフォースのバランスを取る者」として期待されジェダイになったものの、その途上でシスに堕ちてしまい、ダースベイダーとして暗躍するも、最後はダース・シディアスを自らの手で葬り去り、銀河のフォースにバランスをもたらしたアナキン・スカイウォーカーの物語であった。

 一方で、エピソード4以降の主人公は、言うまでもなくルーク・スカイウォーカーである。もっと言うなれば、ルークとレイアのダブル主人公という見方もできるだろうか。タトゥイーンのヨーマンの家で育てられたルークが英雄として見込まれ、故郷を脱出して、数々の英雄になるためのイニシエーションを経て、帰還するという典型的な英雄物語としてエピソード4~6は描かれている。

 ただエピソード7「スターウォーズ:フォースの覚醒」以降の三部作は、ルーカス版の「スターウォーズ」六部作が伝説になった世界の物語である。そしてこれはもちろんレイの物語である。後にレイ三部作と呼称されることになるかもしれない。

 一方で、前作「スターウォーズ:フォースの覚醒」と今作「スターウォーズ:最後のジェダイ」は依然としてルーク・スカイウォーカーの物語でもある。

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」はそんなエピソード4以来続いてきたルーク・スカイウォーカーの物語の終焉として捉える事ができる。

 まさに本作が描いたのは「最後のジェダイ」だった。


〇スターウォーズを見る上で注目したいファーストシーン



 「スターウォーズ」シリーズはどの作品もお馴染みのオープニングロールから始まって、そして必ず最初は宇宙のカットから始まる。

 「スターウォーズ:新たなる希望」では、レイアたちが乗っている小さな宇宙船を巨大なスターデストイヤーが追撃しているシーンからスタートする。

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「スターウォーズ:新たなる希望」より引用

 このシーンはもう天才的としか言いようがない。まず「スターウォーズ」シリーズのオープニングロールの文字は基本的に上へ上へとスクロールしていく。そして文字が全て画面上方に吸収されたと思いきや、画面上方から下ってくるかのように巨大なスターデストロイヤーが現れる。

 さらにはこのワンシーンだけで、逃げている小さい宇宙船が「善」で、追いかけている大きなスターデストロイヤーが「悪」であるという構図が単純明快なのが素晴らしい。

 「スターウォーズ:帝国の逆襲」では、スターデストロイヤーが正面から迫って来るシーンを採用している。銀河の覇権を帝国側がほとんど手中に収めてしまっていることが視覚的に理解できる。

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「スターウォーズ:帝国の逆襲」より引用

 「スターウォーズ:ジェダイの帰還」では、「スターウォーズ:新たなる希望」と同様で画面上方から侵入してくるスターデストロイヤーと再建されつつある未完成なデス・スターが映し出されている。

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「スターウォーズ:ジェダイの帰還」より引用

 同じ構図を採用していることと「善」の勢力に該当する宇宙船が映らないことから、帝国側の力が依然として強大であること、そして未完成のデス・スターが暗示するのは、帝国の終焉だ。

 「スターウォーズ:ファントムメナス」では、クワイガンジンとオビワンの宇宙船が映し出される。まだジェダイが銀河に安定をもたらしており、シスの影がまだ薄かったころの物語である。

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「スターウォーズ:ファントムメナス」より引用

 「スターウォーズ:クローンの攻撃」では、パドメの宇宙船がコルサントにある共和国の首都に向かっているシーンから始まる。

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「スターウォーズ:クローンの攻撃」より引用

 そして、「スターウォーズ:シスの復讐」では、コルサント付近の宇宙でヴェネタ―級スターデストロイヤーを上から映したカットから始まる。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

 これは、前作「クローンの攻撃」とはコルサントと宇宙船の配置が反転しているのである。また、ヴェネタ―級スターデストロイヤーは共和国の宇宙船だったが、後に帝国側の宇宙船となる。つまり、「スターウォーズ:シスの復讐」の最初のシーンはまさしく、この作品の行く末を暗示している。

 「スターウォーズ:フォースの覚醒」では、スターデストロイヤーの影が、惑星を覆い尽くすようなカットから物語がスタートした。ファーストオーダーという強大な「悪」が銀河を覆い尽くそうとしていることが視覚的に一目瞭然であった。

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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

 そして本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」では、基地のあった惑星からレジスタンスの一行が退散しようとしていて、そこに突如ニューオーダーの巨大な宇宙船レッドノートが現れる。本作のファーストカットは実に「スターウォーズ:新たなる希望」に似ている。小さな「善」が大きな「悪」に追い詰められているのだ。

 このように「スターウォーズ」シリーズでは、常にファーストカットに重要な含みを持たせてある。作品の勢力関係を視覚的に分かりやすくするだけでなく、物語の行く末をも仄めかしているのだ。



〇「2」で読み解く「スターウォーズ」シリーズ


 基本的に「スターウォーズ」シリーズにおいて「2」という数字は大切である。これは、神が支配する一元論的な世界設定ではなく、「善」と「悪」が二元論的に存在する世界観であることが根底にあるのだと思う。

 R2D2とC3POという2体のドロイドが作中で重要な役割を果たしているのも注目したいところである。この2人は黒澤明の「隠し砦の三悪人」の太平と又七をモデルにしているとも言われている。

三船敏郎
東宝
2009-12-18


 だがそれだけではない。ジェダイの師弟関係は基本的に2人組だ。またタトゥイーンの太陽は2つだ。そしてエピソード4~6では、ルークとレイアという2人のスカイウォーカーが主人公となっている。

 つまり「善」と「悪」、「ジェダイ」と「シス」という二元論的な世界観設定をそのまま作中のモチーフにも反映させているのである。

 「スターウォーズ:シスの復讐」のラストも「2」が印象的であった。ルークとレイアという2つの新しい生命の誕生と共に、「アナキンの死」とパドメの死が描かれた。

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」でも、予告編の時点から「光か闇か・・・」という「スターウォーズ」の二元論的世界観が前面に押し出されていた。またそれが作中のモチーフにも表れていたことは言うまでもない。

 BB8とBB9E、レイとカイロレン、2つの夕日、2つに割れるアナキン・スカイウォーカーのライトセーバー、フィンとローズ、そしてルークとレイアなど基本的に「2」という数字を印象付けている。


〇「2」つの夕日に思うこと

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 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」のラストシーンで採用されたのが、言うまでもなく2つの夕日のシーンである。

 2つの夕日と聞くと、「スターウォーズ」シリーズをご覧になってきた方であれば、間違いなくタトゥイーンの2つの太陽を思い浮かべるだろう。

 この2つの太陽が何を示していたのか?という点にはいろいろな憶測がある。ベイダーとルークだっったのかもしれないし、ルークとレイアだったのかもしれない。はたまたジェダイとシスだったのかもしれない。

 個人的には、やはりルークとレイアだったのだと思う。彼ら2人のスカイウォーカーこそが世界を照らす最後の希望であったし、だからこそどちらかが消えるようなことがあっても、残された1人が世界を照らすことができるのだ。

 タトゥイーンに登る2つの太陽がルークとレイアだったのだとしよう。そう考えると本作のラストシーンはまさに「ルークの物語」の終わりが色濃くなる。もっと言えば、本作はルーカスが作り上げた「スターウォーズ」シリーズとのある種の決別をも示している。

 ルークがオクトーで最後に見た2つの夕日。そして彼の生命が弱くなるにつれて1つは沈んでいく。そして2つのうち1つが見えなくなり、1つが煌々と空に輝いている。その時既にルークは消えている。

 この時、ルークとレイアという旧三部作以来の「希望」のうち1つが消えてしまったのである。

 ここでまさにエピソード4来続いてきたルーク・スカイウォーカーの物語が終わりを迎えたわけだ。2つの太陽、ルークとレイアの内1つはついに沈んでしまったのである。 ルークがタトゥイーンで見た、2つの夕日。まだ何も成し遂げていなかった頃の自分が見たものと同じ光景を全てを成し終え、死ぬ間際に見るのがまた感慨深い。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 だからこそ私はラストシーンの夕日をルークとレイと捉えて「終わりと始まり」を描いていると考えるよりは、あくまでルーカスのスターウォーズから続いてきた「ルーク・スカイウォーカー」とレイアの物語の1つの帰結であると考えたい。


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〇マスクを捨てたカイロ・レン

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 「スターウォーズ」世界において、仮面は「三銃士」に登場する囚人の仮面をモチーフにしていると言われてきました。

マイケル・ヨーク
KADOKAWA / 角川書店
2017-12-08


 そのために、「スターウォーズ:ジェダイの帰還」でダースベイダーがマスクを脱ぐシーンというのは、シディアスの、ダークサイドの牢獄に囚われ続けてきたアナキン・スカイウォーカーの帰還として印象的なシーンになっていました。

 「スターウォーズ:フォースの覚醒」以降のヴィランとして描かれているカイロ・レンもまたスノークに、ダークサイドに囚われた男として、囚われの身でありました。

 しかし、彼は自らの意志でマスクを破壊してしまうんですね。この点は重要です。つまり、彼は自分の意志でその牢獄から脱獄してしまうわけです。

 このシーンがカイロ・レンが「ジェダイ」サイドに来るのではないかというある種のミスリードとして機能しているわけですが、これはスノークという自分の監守を殺害して、自分がファースト・オーダーの最高指揮官になるという展開を暗示していたわけです。


〇ポーはアナキンのアナザールートである


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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」を見ていて、ポーがエピソード2・3の頃のアナキン・スカイウォーカーに似ていると感じた人は少なくないと思います。

 自分の力で何とかしようとし、上官の命令を聞くことなく行動し、「ヒーロー」になろうとします。そして降格を命じられ、さらにレイアが意識不明に陥った際も最高指揮官に任命されたのはホルドであって彼ではありませんでした。レジスタンスのエースパイロットであるにもかかわらず、自分の力を認めてもらえずに葛藤するポーの姿が本作で特に印象的です。

 この姿はまさにかつてのアナキン・スカイウォーカーなんですよね。師であるオビワンの命令を無視して敵に向かっていったり、自分の力を評議会で認めてもらえず、なかなかマスターにしてもらえない。そんな力への渇望をダークサイドに取り込まれてしまいました。

 ですので、私は本作を見ていて、ポーがファーストオーダー側に寝返るという展開もあり得るのではないかと想像していたのですが、レイアとホルドという2人の存在が彼を「ヒーロー」ではなく「リーダー」として成長させました。

 ポーには見習うべき存在、手本になってくれる存在がいたことが大きかったのだと思います。アナキンにはあまりにも強大すぎる力ゆえに自分の手本になってくれる存在、自分の進むべき道を示してくれる存在がいませんでした。

 だからこそ、ポーというキャラクターが辿ったのはアナキンと同じ道でしたが、2人は異なる帰結を迎えました。


〇「スターウォーズ」を語る上で欠かせないライトセーバーの動線



 「スターウォーズ」シリーズを語っていく上で、ライトセーバーの動線について避けて通ることはできません。この章ではあえて時系列順に解説していきましょう。

 「スターウォーズ:ファントムメナス」で重要なのが、クワイガンジンのライトセーバーの動線です。ダースモールとの戦いで、クワイガンジンは命を落としますが、その師のライトセーバーでもってオビワンが戦いに決着をつけます。

 ここでのライトセーバーの動線は間違いなく、オビワンのマスターになるためのイニシエーションを表現しています。自分の師のライトセーバーを手に取り、それでもってダースモールを倒すわけですから、まさしくオビワンというジェダイがようやく1人立ちしたことが見て取れます。

 「スターウォーズ:クローンの攻撃」では、アナキンが師であるオビワンに変わってドゥーク伯爵に立ち向かいますが、腕を切り落とされてしまいます。師であるオビワンのライトセーバーが彼の身体から離れていくという動線は、まさに彼のダークサイドへの道の端緒です。

 「スターウォーズ:シスの復讐」で印象的なのは、アナキンがドゥーク伯爵を倒すシーンですね。このシーンで彼は自分の青いライトセーバーとドゥーク伯爵の赤いライトセーバーをクロスさせています。まさにアナキンの運命の交錯をライトセーバーの動線にのせて表現しているシーンだと思います。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

 またこのエピソード3でアナキンのライトセーバーをオビワンが回収しており、それがルークに渡ることになります。

 そして最も重要なのが、エピソード5「スターウォーズ:帝国の逆襲」におけるライトセーバーの動線です。もちろん該当のシーンはルークがベイダ―に腕を切り落とされるシーンです。

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「スターウォーズ:帝国の逆襲」より引用

 ルークはオビワンから渡されたアナキンのライトセーバーを使っていました。つまりこのシーンはオビワンという師的存在からの決別、ルークの自立を仄めかしているシーンです。一方で、ルークは自分の本当の父親であるアナキンをベイダ―に殺されたと思っていたわけです。ここでベイダ―こそが自分の父親であり、そして倒すべき存在であるということを知らされました。そのためそれまでの「アナキン」という父親像をも父親が愛用したライトセーバーと共に喪失しているわけです。

 ここで失われたライトセーバーが巡り巡ってレイの手に渡ることになります。

 「スターウォーズ:ジェダイの帰還」では、ルークは自作の緑色のライトセーバーを使用するようになります。この点は非常に重要で、まさにルークがジェダイとして自立したことが明確になっています。そしてその自作のライトセーバーでもって自身の父を超えるわけです。

 「スターウォーズ:フォースの覚醒」では、雪の中に刺さったスカイウォーカー家の象徴たるライトセーバーをレイとレンがフォースの力で引き寄せようとし、それがレイの下へと渡ります。このワンシーンはまさに長きにわたるジェダイの、スカイウォーカー家の物語がレイへと継承された瞬間を示しています。

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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

 そして本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」でも印象的なシーンがありましたね。レイとカイロレンがアナキンの、ルークのライトセーバーをフォースで取り合うシーンです。

 このシーンで思い返して欲しいのは、先ほどの「2」という数字とこのライトセーバーがジェダイ時代のアナキンの持ち物だったということです。

 カイロレンがスノークを倒し、そしてレイと共闘してエリート・プレトリアンを掃討します。ここでレジスタンスの戦士とファースト・オーダーの戦士の共闘が描かれたことで、「善」と「悪」の融合が想起されます。

 しかし、カイロレンの思惑はレイとはかけ離れていて、結果的に2人は「善」と「悪」、「光」と「闇」に分かれて戦わざるを得ないことを悟ります。そして2人はスカイウォーカー家の象徴たるライトセーバーを取り合います。

 そしてそのライトセーバーは真っ二つになってしまうのでした。このライトセーバーは元をたどるとアナキンスカイウォーカーの所有であったということです。つまりこのライトセーバーには「善」と「悪」、「光」と「闇」が混在しているわけです。彼はジェダイとして戦いながら、ダークサイドに堕ちてしまい、このライトセーバーで多くの「善」なる人を殺めました。

 つまり、このシーンで2つに分裂したライトセーバーはまさに「光」と「闇」の分裂を描き出したのです。2つが混在していたアナキン・スカイウォーカーのライトセーバーを分裂させることで視覚的にそれを明確にしています。

 融合しかけていた、一元論的世界へと一時は向かいかけていたスターウォーズの物語がこのシーンで再び二元論的世界、「光」と「闇」が相いれない世界へと突入していきます。


 「スターウォーズ」シリーズを見ていく上で、やはりライトセーバーの動線は重要なモチーフですね。


〇やはり「スターウォーズ」は西部劇なのである

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用 

 ジョージ・ルーカスが「スターウォーズ」シリーズを製作するに当たって西部劇に大きな影響を受けている点は、既に多くの人の知るところでしょうし、今回は割愛いたします。

 前作の「スターウォーズ:フォースの覚醒」の監督を務めたJ.J.エイブラムスは、その点に敬意を払って作品をジャク―の砂漠(荒野)の風景からスタートさせたと言います。

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」もまさしく西部劇的要素が多く散りばめられているんですよね。それが顕著なのが終盤のシーンです。

 クレイトという塩の砂漠に覆われた鉱山惑星で、レジスタンスの麦城の戦い(三国志)を思わせるような籠城戦が始まります。そこに現れたルーク。そしてそれに立ち向かうカイロレン。

 あれだけ大規模な人員と兵器がありながら、夕日をバックに2人の一騎打ちが始まります。この画作りは極めて西部劇的です。

 さらにルークはオクトーの島でひっそりと息を引き取ります。それをレイアは静かに悟るのでした。これも「男は黙って女の下から去る」という西部劇の鉄則から成るプロットと言えます。


 今回の「スターウォーズ:最後のジェダイ」は今まで以上に西部劇色が増しているのではないかという印象を受けました。このような形で旧三部作へのリスペクトが感じられる点は素晴らしかったと思います。


〇キリスト教・聖書の影響を受けている「スターウォーズ」


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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

 「スターウォーズ」シリーズは神話や英雄物語、そして聖書の影響を大きく受けている作品です。その中でも聖書は特に作品のモチーフなどに反映されています。

 例えば、プリクエルトリロジーでは、12人の評議員が描かれ、そのうちの1人になったアナキンスカイウォーカーが共和国を裏切るというまさにイエスを裏切るユダのエピソードをモチーフにしていると考えられます。

 また、オリジナルトリロジーで「新たなる希望」として描かれるルークとレイアを産んだパドメはある種「聖母」のように描かれています。

 他にも数え切れないほどに聖書に影響を受けた要素が散見されますが、ここでそれを列挙していくときりがないので、今回は新作「スターウォーズ:最後のジェダイ」に焦点を当てていきたいと思います。

 私が今作を見ていて、気がついたのは徹底的にレイが救世主、レンが裏切り者的な描かれ方をしているということです。

 レイが本作で岩を砕いたり、岩を持ち上げたりといった描写が見られました。特にラストシーンのレジスタンスメンバーの鉱山からの脱出シーンは、「旧約聖書」に登場する海を割ったモーセを想起させます。

 ただモーセはあくまでも預言者であって、救世主はイエスのことを指します。前者は旧約聖書に、後者は新約聖書に登場します。(前者でも預言としてはイエスが登場します。)

 私は、ジェダイたちの傲慢と欺瞞というのが、まさに彼らがイエスになろうとした点にあるのではないかと考えています。

 自分たちこそが銀河に安寧と調和をもたらすことのできる唯一の存在であるという過信がジェダイたちを滅ぼしたのです。

 そしてその最たる例として描かれたのがルークスカイウォーカーだったのかもしれません。彼はエピソード4~6における一連の戦いで伝説となり、神話の中の存在として語られるようになり、ジェダイマスターでありながらある種の神のような存在になりました。

 しかし、そんな彼が自分の12人の弟子の中にいた「ユダ」に気がついた時に、ベンソロの心の中に膨らむダークサイドに気がついた時に、彼は殺そうとするんです。

 このシーンは、ジェダイが神にはなれない、イエスにはなれないということを一層強調しています。イエスは「ユダ」の裏切りを悟りながら、それを赦し、自らを十字架に架けました。

 しかしジェダイマスターと言えど人間でしかないルークスカイウォーカーにそれはできなかったのです。このシーンでジェダイは神にもイエスにもなれないことを明確にし、彼らのこれまでの傲慢や欺瞞を明るみに出したのです。

 だからこそレイはあくまでもモーセという預言者をモチーフに描かれたのではないでしょうか?フォースを神の言葉と置き換え、その力を預かった存在として描かれたのです。そしてそれを人々に還元していく役割を果たします。さらにこの点からもジェダイが特別な存在、神的存在ではなく、あくまでも銀河に流れるフォースの力に仕える者であるという新しい秩序を想起させるようにできています。

 また、カイロレンが「ユダ」として描かれた点も興味深いと思います。彼は、ルークの12人の弟子の中の1人で、そしてルークを裏切りました。

 そして彼のライトセーバーはなんと十字架型なのです。つまり、カイロレンは裏切り者「ユダ」であり、「十字架に架ける者」として描かれているわけです。まさに彼はイエスを売って、十字架に架けた「ユダ」そのものなんです。

 だからこそ、彼はルーク、そしてスノークをも裏切ります。スノークが倒されるシーンのライトセーバーの動線を見てみると、ライトセーバーが横から水平に動いていますから、彼の玉座ないし、彼の身体と垂直に交錯しまさに「十字架」を形成しています。

 また終盤には、その十字架のライトセーバーでもってルークスカイウォーカーを打倒します。(正確にはカイロレンが倒したわけではないが)

 このようにカイロレンは欺瞞の神々を十字架に架ける存在として、「ユダ」的存在として描かれました。

 カイロレンがスノークを倒した点は、かつてダースシディアスが師匠であるダース・プレイガスを殺害して後に銀河を統べる最強のシスとなることにも通じているのかもしれません。
 


〇ルーカスの「スターウォーズ」シリーズとの決別:「ジェダイ」の新秩序とは

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 「ジェダイ」とは中世の騎士的な側面が強いが、基本的にはフォースを操ることができる戦士という言葉が適当で、誰にでもなれるわけではないという存在でした。ルーカスの「スターウォーズ」において「ジェダイ」というのは、特別な存在だったわけです。

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」は、そんな「ジェダイ」の何たるかの概念をある種根底的に覆してやろうという意図すら見えました。まさに本作は、ルーカス版「スターウォーズ」との1つの決別なのです。

 特にそれが視覚的に表れていたのが、霊体のヨーダがフォースの聖地とそこに置かれていた重要な書物を燃やしてしまうシーンですよね。これってまさに旧スターウォーズへの決別を示しています。

 そして物語は終盤へ向かい、ルークとレンが対峙するシーンに至ります。このシーンで、ルークは「最後のジェダイは私ではない。」というセリフを残しています。

 このセリフを聞いて、これが「レイ」のことであると解釈してしまうと本作は実に腑に落ちない作品へと変貌します。というのも前半部分でルークはひたすらに「ジェダイは終わる」と発言をしていましたし、ルークとレイは半ば喧嘩別れのような別れ方をしています。レイも旧時代の「ジェダイ」になるための訓練を積んでいるとはとても言えません。

 つまりあくまでも「ジェダイの終わり」を描こうとした本作において、「最後のジェダイ」がレイなのであれば、それは作品の主題がブレていることになります。

 では、どう読み解くのかというと、本作が描いたのは旧時代的な、ルーカス的な「ジェダイ」の終わりだったのです。

 ルークのセリフに、「ジェダイは滅びたことにより神格化された」というものがありました。つまり旧時代的な「ジェダイ」という存在は特別な存在、選ばれた存在でしかなかったわけです。フォースを扱え、ダークサイドに堕ちることなくそれを使いこなせる戦士のみが「ジェダイ」と呼ばれていたわけです。

 本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」はまさにそんな旧時代的な「ジェダイ」の終わりを描きました。その最後の1人がルーク・スカイウォーカーだったというわけです。だからこそ紛れもなくルークは「最後のジェダイ」なのです。

 それを視覚的に示していたのは、「火」と「水」という2つの元素だったのではないでしょうか。「ジェダイ」という存在には、どうしても「火」のイメージがつきまといます。

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「スターウォーズ:ジェダイの帰還」より引用

 火葬することで、ジェダイの亡骸はフォースと一体になると言われているように、「ジェダイ」にとって「火」という元素は間違いなく重要なものです。

 「火」で燃えつくされなかったエピソード3のアナキンがダークサイドに堕ち、ダースベイダーというマスクをつけたシス卿として生きながらえた点も「火」と「ジェダイ」の結びつきを強めています。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

 一方で本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」で強調されたのは「水」という元素でした。特にレイやカイロレンに関するシーンでは「水」のモチーフが印象的に登場していました。 フィンが目覚めた時に、着ていた医療用のパックから「水」が漏れだしていたシーンもありましたね。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 一方で、ルークやチューイ、ヨーダといった旧時代のキャラクターには「火」のイメージがつきまといます。燃える寺院を見るルーク、フォースの聖地を燃やすヨーダ、そしてポーグの肉を焼いて食べようとするチューイ。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 このように「火」と「水」を対比的に配置することで、本作は旧時代の「ジェダイ・オーダー」の終わりと新しいそれの始まりを印象的にしているわけです。

 では、ルークの「最後のジェダイは私ではない。」という言葉がどう繋がってくるのかと言いますと、本作は「ジェダイ」という言葉の意味を拡張した物語と見ることができるのです。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 ルークが示したのは、レイのことだけではなくて、心に善を持つ全ての人々の総称こそが「ジェダイ」なのではないかというまさに新しい秩序だと思います。

 都市奴隷だった幼少のアナキンやヨーマンの子として育てられたルークを思わせるラストシーンで映し出される子供は、ライトセーバーではなく箒を握りしめています。

 しかし、その指には「レジスタンス」の指輪が輝いています。そして彼の心には純粋で淀みない「善」の心があります。宇宙には、大きさの差異こそあれど、純粋な「善」の心を持ち、「レジスタンス」という小さな火花に希望を持ち続けている人がたくさんいるのです。そしてそういう人たち全員を総称して「ジェダイ」であると光の戦士たちであるという新しい秩序を本作は提示したわけです。

 もはやフォースはジェダイだけのものではない、フォースは銀河に生きる「善」を志向する全ての人に宿るものであると高らかに宣言したのです。
 
 だからこそルークは間違いなく最後の旧時代的ジェダイであったし、彼が死んでも「ジェダイ」は終わらないのです。特別な存在としてのジェダイでなく、「善」の心を持ち「悪」に対抗しようとする人を総称する普遍的存在として新しい「ジェダイ・オーダー」を打ち立てたのです。

 ここに本作がルーカス版「スターウォーズ」とのある種の決別であり、新時代の「スターウォーズ」の幕開けである所以が見え隠れしています。


〇余談:紫色死亡フラグ説・・・。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

 「スターウォーズ」シリーズって紫色のイメージが強いキャラクターへの風当たりが強くないですか?(笑)

 「スターウォーズ:シスの復讐」では、パドメとメイス・ウィンドウという2人の紫色のイメージが強いキャラクターが命を落としています。

 前者は紫や青色の衣装を身に着けていることが多かったように思います。また、後者は「スターウォーズ」シリーズでは珍しい紫色のライトセーバーを操っていました。

 そして、「スターウォーズ:最後のジェダイ」でもまた新たな紫色の犠牲者が出ましたね。レジスタンスのホルド将軍は髪が紫色でした。

 どうやら「スターウォーズ」シリーズでは、紫色は死のカラーのようですね・・・(笑)。

〇余談:いくつか不満点をば・・・



 ここまでほとんど作品に対して肯定的な内容しか書いてませんが、不満点が無かったかと言われるとそんなことはありません。いくつかはありますよ。その中でも大きいものを紹介しておこうと思います。

 まずはローズに関してですね。このキャラクターって必要だったんですかね?その辺りにそもそも疑問があるんですが、それ以上にあのクレイトでのファースト・オーダーとの戦闘で、絶対にやってはならないことをしていますよね。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用 

 「スターウォーズ」では、基本的に名誉の死に価値ありという武士道精神的な価値観が根付いていました。これは、ルーカスが影響を受けた作品を考えても明らかでしょう。ただ、本作の終盤でローズはその価値観を否定せんとばかりに、敵のキャノン砲に突撃するフィンのスピーダーに自分のスピーダーで突撃しました。

 そして両者のマシンは大破。ローズは重体。キャノン砲は無事発射されてしまうという何とも言えない展開になります。

 このローズの行動が極めて不可解ですよね。スピーダーを衝突させると、自分とフィンの両者ともがその衝撃で命を落とす可能性もあったわけです。しかもそうした場合に、敵の砲撃を止めることもできません。さらに、意識が朦朧とする中でフィンに愛を告げてキスをする始末。

 このローズというキャラクターは自分自身のエゴでレジスタンスを壊滅させる気だったのでしょうか?


 今年公開の映画「ダンケルク」では、「名誉の死よりも不名誉の生」というメッセージ性を強調していましたが、「スターウォーズ:最後のジェダイ」は、過去作からの変革性を優先しすぎるがあまりに、プロットを犠牲にしてしまったのかもしれません。ローズのこのシーンに関しては大きな疑問符が付きます。

 加えて、ポーグも必要でしたかね・・・?

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用 

 ほとんど何の活躍もしてないですよね。わざわざ新キャラクターとして登場させて、予告編でも印象付けておいて、まさかただのマスコットキャラクターだとは思いもしませんでした。

 グッズ収益目当てのキャラクターだったんですかね?次回作で、ポーグが何らかの活躍を見せてくれることを祈っております。

 あとは、フィンとローズ、ポーの作戦についてですね。フィンとローズがファースト・オーダーの追跡装置を止めて、母船をジャンプさせて逃亡するという作戦だったのは良いんですが、この作戦ってフィンとローズは放置していくつもりだったんですかね。

 追跡装置が止まっている時間は短いわけですから、フィンとローズがファースト・オーダーの宇宙船から短時間で戻って来て、一緒にジャンプというのがそもそもハードルとして高いような気がしました。

 加えてブリッジを統治していたのは、ポーではなくてホルド提督でしたからね・・・。本当にこの作戦に実現の見込みがあったんでしょうか?さすがに計画としてお粗末すぎる気がしました。

 他にも細かい不満点はいろいろとありますが、やはり今回は「スターウォーズ」シリーズのエピソード7以降を作る意義というものがすごく伝わってきましたので、個人的にはその点で大満足しております。


〇おわりに

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

 ちょっとまとまりのない文章になりましたが、2回、3回と見て加筆修正していこうと思います。

 いろいろと不満点もある作品でしたが、前作の「スターウォーズ:フォースの覚醒」とは違って、「新しいスターウォーズ」を作るんだという気概を強く感じられたので、個人的には大満足です。

 いろいろな意味で「衝撃のスターウォーズ」でしたので、賛否がかなり分かれている印象ですね。

 良かったら皆さんの感想もお聞かせください。

 今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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コメント

コメント一覧

    • 1. マイルス
    • 2017年12月15日 10:56
    • 5 素晴らしいレビューですね!
      短時間でここまで深い考察をまとめてしまうとは…脱帽です。
      歴史ある作品ですから、いろいろな意見があっていいとは思いますが、
      私は本作、かなり楽しみました。
      本レビューで更に造詣が深まり、2回目は新たな視点で鑑賞ができるように思います。
    • 2. ナガ
    • 2017年12月15日 11:10
    • マイルスさんコメントありがとうございます!!
      私自身もまだ1回目で書けることはこれで限界です…笑
      今作はまさにスターウォーズの変革が描かれていて、非常に満足できました。ようやく続編を作った意義が見れたな…と思います。2回目楽しんできてください(^ ^)
    • 3. クニさん
    • 2017年12月15日 17:17
    • 5 素晴らしい考察だと思います。
      私の気になる点を、、、
      ラストの子供が箒を手に取るシーン
      男の子は、箒を触らずに取っていた様な気がします。
      つまり、フォースを使っている!
      ルークはフォースは誰にでも備わると、それがラストシーンに繋がっていたのでは?
      どうでしょうか?
    • 4. ナガ
    • 2017年12月15日 17:23
    • クニさんコメントありがとうございます!
      その辺りのディテールを若干見逃してしまってまして…。参考になります!
      まさにクニさんが仰る通りで、これまでのジェダイだけが、フォースを操り傲慢に世界を統治していく時代を終わらせて、銀河に生ける全ての「善」なる者にフォースが宿り、そしてその全員がジェダイであるというラストになったかと思います(^ ^)
    • 5. アホキン
    • 2017年12月15日 17:23
    • 5 「スターウォーズを作る」って簡単じゃないですよね。
      守らなきゃいけない事と壊さなきゃいけない事。この線引きは作り手、見る人、それぞれだと思うわけです。
      私が感じたのは、前作「7」は「守り(ファン大事にサービスサービス)」今作は「攻め」なんだと思う。
      基本的に三部作の真ん中は、「攻めな姿勢」が必要で、今作もその点では十分だと感じた。

      ただ最後に記載されていた二点「作戦の意義」と「新キャラポーグ」については全く同感でして、後者はまだ許せても、作戦があまりにも無謀で、うまく遂行されればまだしも、あの有様では「?」がついてしまう。
      また、レンとの対決後のレイをファルコン(チューイ)が回収するところって描かれてないですよね? ちょっと不満かな(^^)
    • 6. ナガ
    • 2017年12月15日 17:32
    • アホキンさんコメントありがとうございます!!
      そうなんですよ。前作みたいな作品だと、保守的すぎるという声が上がり、今作みたいな作品だといろいろ壊しすぎだという声が上がりますから、結局どっちに転んでも難しいんですよね…。
      ただ細かい粗はちらほら見られますが、続編をなぜ作ったのか?という点をこの最後のジェダイでようやく示せたのだと思いました!!
      本当にスターウォーズの続編を作るって難しい作業だと思います!
    • 7. フラン
    • 2017年12月15日 18:41
    • 5 共感できるレビュー拝見させて頂きました。自分の頭の中で言葉にならなかったことが整然とまとめられていてあっという間に読んでいました...。
      二元論的世界観がとくに強く表現されて前作のオマージュのようなシーンもあり個人的にかなりお気に入りのエピソードになりました!!
      ジェダイオーダーという言葉が印象的で次回作でもキーワードになりそうだと思いました。
    • 8. ナガ
    • 2017年12月15日 18:48
    • フランさんコメントありがとうございます!
      これまでの作品へのオマージュやリスペクトもありつつ、まさにスターウォーズの変革を見せつけられる本作は素晴らしいかったと思います!
      本作はジェダイオーダーの書き換えという主題が印象的でした!次回作にも絡んできそうですよねε-(´∀`; )
    • 9. アソーカ
    • 2017年12月15日 22:02
    • 5 丁寧な考察、解説に思わず読みいってしまいました。

      最後に出てきた少年は、確かにフォースを用いて箒を取ったように見えました。
      レイの両親が名もなき者達だったことからも、フォースを扱う力の有無や強さは、スカイウォーカー一族だけが秀でているわけではないという、フォースを用いる者の可能性を広げたかったのかな(もしくは、Ep1〜3時代への回帰)と感じました。
      しかしながら、スノークの正体やアナキンのライトセイバーがクラウドシティからどう流れたかなど、不明瞭な点は残ってしまったと思いますし、前作のレイのフォースや、今作のルークの技(?)が、ルーカスの描いたフォースのイメージだったのかどうかも私は疑問に思いました。

      ちなみに私的には、アジア系のローズを出したのは、中国系の視聴者狙い、いわばチャイニーズマネー狙いではないかと考えています。
      個人的には、地球の様々な人種を出せば出すほど、遠い銀河系感が薄れてしまい、残念な気持ちになります。
    • 10. ナガ
    • 2017年12月15日 22:15
    • アソーカさんコメントありがとうございます!!
      ジェダイの定義を大きく拡張したところに本作の革新性がありましたね!

      仰る通りで、まだまだ謎は残る印象ですね。スノークが本当にあれで終わりなのか?というのも疑問ではありますが。

      確かにチャイニーズマネーっぽいですね。ローズはキャスト云々もありますが、まずキャラクターとして欠陥が多いなあという印象ですね…。
    • 11. おーぷん2ちゃんねるまとめ(コメント)
    • 2017年12月15日 22:27
    • 5 非常にわかりやすく、深い感想でなるほどなぁとためになったり、そんな捉え方もあったのか!となりました。
      僕もさっき観たばかりですが、今回は無駄が多かったイメージですね…てっきりフィンとレイがくっつくもんだと思ってましたが…
      作戦もそれやる意味あるか?と思う事も多々あり、登場人物の行動も自分は理解できないところがしばしばありました。
      個人的にはジョークの多さが気になりました。シリアスの中の本の僅かなジョークこそ意味があるかと。
      気になった点といえばマズは誰と戦っていたのか、レイの親はただの一般人?であるのにがライトセーバーを持ったときの反応等があったのは何故なのかの二点でした。
      また見返してさらに理解を深め考察しないと…
    • 12. R4
    • 2017年12月15日 23:32
    • 5 ナガさん、いつも丁寧な考察ありがとうございます!
      昨日前夜祭に行き、ナガさんの考察を読んで「そういうことか、、ナガさんすげぇ、、、」と共感してから2回目行きました。

      2回目でいくつか気になった点がありました。

      1.カントバイトでフィンとローズが追われてるシーンで、月が2個あったように見えた(一瞬だったので見間違いかもしれないです汗)

      2.ルークはヨーダに「地平線を見るな」と諭されたが、ルークは地平線に浮かぶ太陽を見ながら死んでいった

      1については、もし本当に2個あったとしたら、それはフィン+ローズのことではないかと。極秘作戦のため、太陽=レイアに隠れて遂行しなければいけない→無事成功すれば、太陽によってその存在が照らされる=レジスタンスを救ったヒーローとなりえる?

      2については、ヨーダに諭された後、ルークなりに、レジスタンス、ないしはレイをはじめ次世代のジェダイに自分が教えられることを教えた(背中で示した)→レイを失わずに済み、ヨーダが言ったようにマスターとしての役目を果たした

      というような意味があったのかなと考えました。(まとまってなくて申し訳ないです汗)

      ぜひナガさんの考察も頂きたいです!!
    • 13. ラストオーダー
    • 2017年12月16日 00:32
    • 3 感想拝見いたしました。
      評価ポイントが分かりやすかったですリピート鑑賞の参考にいたします。

      個人的には今回の作品はイマイチでした、特に反乱軍のパートは不満が多く一番ダメだったのはオープニングのアクションシーンです。スターウォーズはシリーズを通して冒頭のアクションシーンの「掴み」が素晴らしくそのまま観客を映画の世界に引っ張って行ってくれますが今回はそれが非常に弱いと感じました。理由は反乱軍の目標の設定が(戦艦を撃沈or戦艦から逃げる) 示されていない為に現状が有利なのか不利なのか良く分からないまま戦闘シーンは進み気付けば敵も味方も大損害で気付けばレイア姫に怒らるポーダメロン…観ていてもどちらが客観的に正しいのか分から無い上に感情移入も出来ず物語にも乗れませんでした。これは致命的失敗だったと思います。

      他にも悪に染まったとは言え実の甥であるベンにルークが殺意を持ったり(しかもそのまま隠居)、スノークが簡単に殺されたり、旧帝国の残党に過ぎないファーストオーダーの組織が大きすぎたりと不満な点は有りますがこれは前作フォースの覚醒でJJエイブラムスが先送りにした問題でもあるので…
      ただしフォースが特別な血族だけのものでは無いという次回作に向けてのメッセージは受け取る事は出来と過去の遺産である旧三部作からの脱却を目指して作られた点は良かったのでエピソード9完成後に改めて観ると違った感想になると思います。それまで死ねません。
    • 14. ナガ
    • 2017年12月16日 05:49
    • おーぷん2ちゃんねるまとめさんコメントありがとうございます!
      確かにちょっと不必要な感じがするシーンがちらほらと見られて、間延びしてるパートもありましたね。
      疑問点の2つは同感です!なぜレイにはビジョンが見えて、フィンには見えなかったのか?など、まだ分からない謎が残されてますね!
    • 15. ナガ
    • 2017年12月16日 06:05
    • ラストオーダーさんコメントありがとうございます!
      ルークがベンに殺意を持ってしまうのは、確かに疑問ではあるのですが、弟子の人数なんかから考えても、ルークと弟子の関係はイエスと12使徒に似ています。いわばカイロレンはユダのような存在です。イエスはユダの裏切りを知りながら、それを黙認し、自分が殺される道を選びました。しかしルークはジェダイマスターといえど、人間ですから、ユダ(カイロレン)の存在に本能的な恐怖を感じても無理はないのかな?と思った次第です。ここでルークの人間としての弱さが描かれただけに終盤の神的な描かれ方が映えたようにも思いました。

      確かに冒頭のシーンは必要だったのか?と疑問符がつきますね。ちょっと間延びした印象です。

      まさにその通りで、続編が来るまで絶対に死ねません!笑
    • 16. ナガ
    • 2017年12月16日 06:08
    • R4さんコメントありがとうございます!
      1の方はちょっと見れてないので、2回目で確認してみますね!
      2の解釈は非常に興味深く拝見しました。地平線を見る=自分の死を想起することかな?と思ったので、まだやり残したことがあるだろ?と問いかけているようにも思えますかね?2回目を見て、考えてみます。

      非常に参考になりました。ありがとうございます!
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