Company
秋田県警察
Interview インタビュー
鈴木 一成さん【平成26年拝命】、土佐 友香理さん【平成26年拝命】
学生時代とは違った目線で地元の魅力を再発見しています
警察官になって2年目ということですが、仕事内容を教えてください。
鈴木/地域課に所属し、地域警察官として城東交番に勤務しています。主な仕事は、地域住民からの相談や届け出などへの対応、パトカーに乗り管内のパトロール、110番通報への対応などです。
土佐/私も鈴木さんと同じく、城東交番で地域警察官として働いています。仕事内容も同じですが、女性警察官という立場で、女性が被害者・加害者になった場合の聴取や鑑識活動などにも対応しています。
警察官になった経緯や、秋田での就職を選んだ理由を教えてください。
鈴木/大仙市出身で高校まで秋田で過ごし、神奈川県の大学に進学しました。大学時代は勉強よりもバイト一筋の生活でしたね。高校時代に陸上部に入っていましたが、大学では特に運動を続けていたわけではありません。就職は、第一志望が首都圏の企業。「もし受からなければ、秋田に帰って秋田県警察官を受けよう」と決めていました。その結果、今に至ります。
土佐/私は北秋田市出身で、高校卒業と同時に秋田を離れ、東京の大学に進学しました。教育学を専攻し保育士や幼稚園の先生を目指していたのですが、保育所、幼稚園、児童養護施設での実習の中で、虐待されている子や、障害を持っている子がたくさんいることを知りました。それがきっかけで、子どもに関わる事件や法律について勉強するようになり、警察に興味を持つようになりました。
東京で就職するつもりはありませんでした。都会は生活をするにも、仕事をするにも大変だと感じ、「家族のいる故郷に帰ろう」と秋田に戻ってきました。
地元・秋田で働く魅力は何だと思いますか?
鈴木/家族に会えることですね。今はアパートで一人暮らしなので、高校時代のように実家で毎日一緒に暮らしていた頃とは違いますが、会いたいときに会える距離というのは安心感があります。また、秋田に帰ってくると「こんなお店があったんだ」と再発見することが多いです。社会人になって視野が広がり、車を運転するようにもなりましたので、高校生のときとは違った目線で秋田を見ることができるようになりました。
土佐/秋田で働くとなると、一緒に働く人も秋田出身者が多いので、共通の話題が増えます。地理にも詳しいため、仕事で有利なケースが多いですね。鈴木さんと同じように、家族に会えることも魅力です。今は秋田市内で姉と共に暮らしていますが、休日に両親が訪ねてくることがあり、ご飯を食べに行ったり一緒に過ごす機会が増えました。
採用後は全員警察学校に入校されるそうですが、どのように過ごしていましたか?
鈴木/大学でのだらけきった精神を叩き直されました(笑)。と言うとかなり厳しいように思われるかもしれませんが、無理をさせるということは決してありません。運動は柔道または剣道、逮捕術といった術科という分野があり、心と体を鍛えます。そのほかに基礎体力をつけるためのランニングや筋トレといった、自主トレーニングを行います。自分で目標を立てて実行するため、自主性が大事だということを学びました。入校した当初は不安もありましたが、皆で集団生活を送るうちに楽しさが出てきました。そうなると苦しさは感じなくなります。
土佐/私が一番苦労したのは体力面です。男女関係なく同じメニューをこなすため、男性には楽にこなせるものでも女性にとっては大変だった部分がありました。しかし、警察官になったら女性も男性と同じように働くのが当たり前。警察学校で学んだことは警察官として働く上での大事な基礎になるため、どのメニューも真剣に取り組みました。6か月の間に学んだことと、ここで同期の仲間に出会えたことはとても大きく、警察学校での時間は重要だと感じました。
仕事をしていて、どんなときにやりがいを感じますか?
鈴木/住民の皆さんが寝静まった時間に外へ出て、犯罪や事故を起こす人がいないかパトロールをしているときです。誰も見ていないですし、こうしてパトロールをしていることすら知られていないかもしれません。犯罪は夜に起こりやすいため、そんな時間帯にこそ、犯罪や事故を未然に防ぐための見回りが必要だと感じています。
土佐/10年もの間、近隣住民とのトラブルに悩まされている人がいました。その人は「こんな小さなことを警察に相談できない」と、ずっと一人で悩みを抱えていたそうです。その方が、勇気を出して相談してくれました。先輩と一緒に策を練り、トラブルに対応し、解決したときに、相談者から「相談して本当に良かった」と感謝していただきました。警察を頼りにしてくれる人の気持ちに応えたとき、大変嬉しく感じます。これこそが「県民の安心と安全を守る」ことに結びついていると思います。
今後の目標を教えてください。
鈴木/今は自分に必要な知識や技術を身につけることに重点を置いているため、将来こうなりたいという明確なビジョンはまだイメージできていません。ただ、もっと勉強や経験を積み、先輩や後輩から「彼がいれば大丈夫」と言ってもらえるくらい人徳のある警察官になりたいと思っています。
土佐/私が将来希望する課は、刑事課の強行・窃盗犯係です。強行・窃盗犯係は殺人、強盗、窃盗、放火などの凶悪事件を捜査する係で、女性への性犯罪も対象となります。以前そのような現場に行った際、被害者の女性に対する女性警察官の的確で細やかなケアや言葉遣いを見て、自分もこんな風に戦える警察官になりたいと思いました。
秋田県警察を受けようと思っている人へ、メッセージをお願いします。
鈴木/体力に自信がない方も、勉強に不安がある方も、「やりたい」と思う気持ちがあれば大丈夫。体力や学力は、警察学校や現場でいくらでも身につけられます。警察官はさまざまな分野を学び、地域の人の役に立ち、人間としても成長できる仕事。「警察官になりたい」という強い思いを、しっかりと温めておいてください。
土佐/警察官の仕事は、実際に何をしているのか分からない部分があるかと思います。不安も大きいでしょうが、周りがサポートしてくれます。女性だから不利ということもありませんので、あきらめずにチャレンジしてみてください。また、私はこうして秋田に帰ってきて良かったと思っています。一度県外に出た方も、秋田へ戻って故郷の役に立つ仕事をしませんか。
Message 企業の方からのメッセージ
警務部長
警視正 松尾 友彦さん
正しいことは正しい、不正は不正。
自分の力ではっきりさせてみませんか?
警察には警務、生活安全、刑事、交通、警備など様々な部門があります。採用後は、全員警察学校へ入校し、大卒は6か月、大卒以外は10か月の集団生活を送りながら、警察官に必要な知識や技能、体力、精神力を身に付けていただきます。卒業後は、警察署の地域課に配属され、交番などで勤務します。現場の仕事を学びながら、一人ひとりの適性や実力、希望などを考慮し、様々な専門分野へと進む機会が与えられます。
警察官の仕事は、県民の安全安心を守ること。正しいことは正しい、不正は不正、とはっきりと考え行動できる人材を求めています。知識や技術は採用後に身に付けられますので、学部学科は問いません。
一つ強調しておきたいのは、秋田県警察といっても活動は外に広がっていることです。例えば、オレオレ詐欺の捜査を首都圏で行うこともありますし、サイバー犯罪はそもそも場所の概念がありません。県外で生活した経験が必ず活かせると思います。
どんな職に就くべきか迷っている方は、まずは思い込みを捨てて、自分にとってやりがいのある仕事を考えてはいかがでしょうか。学生時代に勉強した内容が、必ずしも職業に結びつかなくても良いと思います。警察官は人の役に立つ仕事です。特に秋田は人と人とのつながりが強い地域。大変な部分もありますが、それだけやりがいは大きいと思います。一度県外に出た方も、首都圏では経験できないことや、首都圏にはない面白いことが秋田には沢山あります。秋田の人々や暮らしを守りたい、地域のために役に立ちたい、そんな方はぜひご応募ください。