山崎貴監督最新作!
「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」「海賊とよばれた男」で知られる山崎貴監督の最新作が今作「DESTINY鎌倉ものがたり」です。
原作は「まんがタウン」に1984年から月1ペースで連載中の「鎌倉ものがたり」でコミックは現在34巻まで発売されており2009年には第38回日本漫画家協会賞大賞受賞作品に選ばれました。
主人公である正和を演じるのは堺雅人。そして妻である亜紀子を演じるのは高畑充希。年齢差のある夫婦役で初共演となる2人がどのような演技を見せてくれるのか気になっていました。さて今作の内容は。
幽霊や魔物、妖怪といった「人ならざるもの」が日常的に姿を現す古都・鎌倉。この地に居を構えるミステリー作家・一色正和のもとに嫁いできた亜紀子は、妖怪や幽霊が人と仲良く暮らす鎌倉の街に最初は驚くが、次第に溶け込んでいく。正和は本業の執筆に加え、魔物や幽霊が関わる難事件の捜査で警察に協力することもあり、日々はにぎやかに過ぎていった。しかし、そんなある日、亜紀子が不測の事態に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。正和は亜紀子を取り戻すため、黄泉の国へ行くことを決意するが……。(映画.com引用)
では、早速感想とレビューを書いていきたいと思います。
違和感無いVFX技術が作品を面白くさせている
鎌倉には昔から妖気が濃く、幽霊や魔物、妖怪が昔から住みついているという設定があります。今作を観る際に原作である「鎌倉ものがたり」を1度すべて読みましたが、漫画の絵は可愛い表現なのですが、やはり実写映画の世界となると可愛いでは違和感がある。
例えばカッパや本田(堤真一)が魔物になるシーンなどはVFXを使用したリアルな魔物と言っても良い。しかし、それが幽霊や魔物、妖怪が住む街という設定の鎌倉にしっかり合っているように思えます。
黄泉の国に登場する天頭鬼は他の魔物と違い一回りも大きく、怒った天頭鬼が正和や亜紀子を追いかける姿は本当によく出来ていると関心しました。
世界観が美しい
ALWAYS三丁目の夕日が好きなファンの中には映画の美術が好きだという人がいると思いますが、今作も満足出来る作りになっているのではないでしょうか。
一色夫婦が住む昭和の懐かしい家造りで温かみのあるセットとなっています。衣装から車、街並み。すべて昭和の懐かしい雰囲気が演出されていました。
また黄泉の国の美しさには感動すら感じました。私たちが思い描く黄泉の国という世界観から離れ、各々のイメージによって見えている世界が違うという設定があり、正和が見ている黄泉の国のイメージは「死=終ではなく死=休」という事がよく解ります。
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個性豊かなキャラクターたちが面白い
貧乏神(田中泯)、実年齢130以上の家政婦キン(中村玉緒)、死神(安藤サクラ)、稲荷刑事(要潤)、川原刑事(大倉孝二)、恐山刑事(神戸大)、小料理屋女将(薬師丸ひろ子)。様々な個性豊かなキャラクターが住む鎌倉が観ていて楽しい気持ちになれた。
各々のキャラクターが決して薄いものではなく、むしろ濃いように感じる。映画を観終わった後、決して忘れる事は無いであろうキャラクターたちが映画を更に引き立てているように思えます。
このキャラクターはここに繋がるのか!と最後まで映画を楽しめるというのも今作の面白い所ですね。
正和と亜紀子の愛に本当の”愛”を感じた
亜紀子が魔物によって黄泉の国へ連れて行かれた事を知ると正和は「亜紀子の魂を取り戻すために黄泉の国へ行く。命をかけても構わない」というセリフが本当にカッコイイ。
2人が付き合うきっかけとなったのは正和の原稿をバイトである亜紀子が受取に行った時に2人は「運命を感じた」と言っています。天頭鬼が「お前たちは生まれ変わっても何度でも付き合う」というセリフがあるように、2人はずっと夫婦の関係だったのです。
そういった愛情というのは”愛”もそうですがタイトルにもある通り「運命」という言葉が正しいように感じますね。2人の愛がどのようになるのか。劇場で是非観てみてください。
興行収入は初登場2位!非常に良い作品です。
やはり話題性もあり初登場2位とまずまずという結果ではないでしょうか。しかし内容は「また観たい」と思える作品だったと自信を持ってオススメ出来る作品となっています。笑い有り、涙有りの今作は今週公開された映画の中ではトップではないでしょうか。
パンフレットは邦画パンフレットの中でも上位に入るほど豪華な仕様となっています。各キャストのコメントは勿論、美術やVFXの話しなどボリューム満点の1冊です。映画を観た人は是非買って読んでみてくださいね。
これにて映画「DESTINY鎌倉ものがたり」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
(来週はスターウォーズの感想とレビューを書きたいと思います。宜しければ読んで頂けると幸いです)