そのため、経済学者は実質GDPと呼ばれる尺度を使う·実質GDPは、今年生産された財·サービスの価値を、もし過去のある特定の年に支配的であった価格で評価するとどうなるだろうか、 という仮想的な質問に答えるものである。過去の水準で固定した価格を用いて今期の生産を評価することによって、実質GDPは経済の全体的な財·サービスの生産が時間を通じてどのように変化したかを示すことになるのである。
実質GDPがどのように算出されるかをもっと詳しく調べるため、例を用いて考えよう

名目GDPは、経済の財·サービスの生産を評価するのにその期の価格を用いる。実質GDPは、経済の財·サービスの生産を評価するのに特定の基準年の価格を用いる実質GDPは価格の変化の影響を受けないので、実質GDPの変化は生産量の変化のみを反映する。 したがって、実
質GDPは経済の財·サービスの生産の尺度である。
GDPを計算することの目的は、全体としての経済がどれだけよい成果を上げているかを測定することにある実質GDPは経済の財·サービスの生産を測定したものなので、人々の必要性と欲望を満たす経済の能力を反映していると考えられる。 したがって、実質GDPは名目GDPよりもすぐれた経済厚生の尺度である。経済学者がある経済のGDPについて語るときには、通常は名目GDPではなく実質GDPを意味している。 また、経済の成長について語るときには、ある期間から次の期間にかけての実質GDPの変化率で成長を測定する。


● GDP
デフレーターこれまでみてきたように、名目GDPは経済が生産する財·サービスの数量とそれらの価格の両方を反映する、対照的に、実質GDPは、価格を基準年の水準で一定にしておくため、生産量のみを反映する。 この二つの統計から、 GDPデフレーターと呼ばれる第3の統計を算出することができる。
GDPデフレーターは財·サービスの価格のみを反映する。
GDPデフレーターは次のように計算される。

経済の全般的な物価水準が上昇している状態を表すのに、経済学者はインフレーションという用語を用いる。 インフレ率は、ある期間から次の期間にかけての物価水準の尺度の変化である。 GDPデフレーターを用いると、連続する2年の間のインフレ率は、次のように計算されます

第2年のインフレ率=(第2年のGDPデフレーター)-(第1年のGDPデフレーター)÷第1年のGDPデフレーター×100
となります。

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