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米、フーシ派がサウジに撃ったミサイル残骸を公開 イラン製と非難
【12月15日 AFP】ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は14日、先月イエメンのイスラム教シーア派(Shiite)反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」がサウジアラビアに発射した弾道ミサイルの残骸を公開した。ヘイリー氏はイラン製であることを示す「否定しがたい」証拠だとしているが、イラン側は即座に否定した。
回収された2つのミサイルの残骸を前に首都ワシントンの米軍基地で会見したヘイリー国連大使はミサイルの随所にイラン製であることを示す特徴があると述べた。残骸のうち1つは11月4日にサウジアラビアの首都リヤドの国際空港付近に飛来したものだという。
ヘイリー氏は「これはイランで製造され、イエメンの武装組織フーシ派に送られたものだ」と述べ、「そこ(イエメン)から民間空港に向けて発射された。多くのサウジアラビアの無実な市民が殺害される可能性があった」と指摘。2015年のイランとの核合意は、イランの「行動の抑制にはつながっていない」と指摘し、イランは地域の対立を「あおっている」と非難した。
これに対し、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッター(Twitter)に、ヘイリー氏とコリン・パウエル(Colin Powell)元米国務長官の写真を並べて投稿した。パウエル氏の写真は国連安全保障理事会(UN Security Council)で2003年のイラク戦争につながる調査報告を行った際に撮影されたよく知られている一枚で、その報告内容は事実でなかったことが後に判明した。ザリフ外相は「私は国連にいたころ、このショーとそれが引き起こした状況を目にした」とのコメントを付けた。
イラン側はヘイリー氏の指摘について、米国の主要な同盟国であるサウジアラビアが主導しているイエメンでの破壊的な内戦から目をそらす意図があると反論している。(c)AFP/Thomas WATKINS, with Carole LANDRY at the United Nations