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「" #ブラック校則 "をなくそう!プロジェクト」始まる 署名すでに2万人、全国調査も実施

全国の学校に存在するおかしな校則を調べ、変えていく試みだ。

全国の学校にある理不尽な校則(ルール)に対し、「"ブラック校則”をなくそう!プロジェクト」が12月14日、発足した。行き過ぎた校則を調査し、社会全体で見直そうという狙いだ。

発起人は、渡辺由美子さん(NPO法人キッズドア・理事長)、須永祐慈さん(NPO法人ストップ!いじめナビ・副代表)、増原裕子さん(LGBTアクティビスト)の3人。

スーパーバイザーには、Twitterで「#ブラック校則」を使い、体験談を募集してきた評論家の荻上チキさんがいる。

「教育委員会と対立するものではありません」

プロジェクトは、ブラック校則を「一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自のルールなどの総称」と定義している。

具体例として、「黒染め強要」だけでなく、下着の色の指定とそのチェック、地毛証明を提出、水飲み禁止などを挙げる。

つまり、傷害行為の疑いがあるものやハラスメント行為のほか、個人の尊厳を奪い、健康を損ねかねないものだ。

渡辺さんは、文部科学省であった発足の記者会見でこう語った。

「個別の事件をどうこうしようというものではない。『校則がダメだ』とか『学校けしからん』とか、教育委員会と対立するものでもありません」

「むしろ、学校と一緒に、これからの時代にふさわしい校則を社会全体で考えていければ、という思いで発足しました」

きっかけは「黒染め強要」問題だった

髪の毛が生まれつき茶色いにも関わらず、教員から黒染めをするよう強要され、身体的・精神的苦痛を受けて不登校になったとして、大阪府立高校の女子生徒が10月に裁判を起こした。

女子高生側によると、学校の方針に従って黒染めしていたが、髪が茶色く戻るたびに染め直すよう指示された。

2年生だった2016年9月には、黒染めが不十分だとして、授業への出席を禁止。さらに、文化祭や修学旅行にも参加させなかった。教諭は「黒く染めないなら学校に来る必要はない」と告げたという。

そして、女子高生は不登校になった。

この問題に限らず、校則を理由に生徒が心身の苦痛を受ける事例はこれまでも度々、報道されてきた。

しかし、全国的な改善に至っておらず、心身ともに苦しむ生徒は今も多い。

「このまま放置してはいけない」と決心した有志が、プロジェクトを立ち上げた。

賛同人には、野球解説者の古田敦也さん、経済評論家の勝間和代さん、札幌新陽高校の荒井優校長など、多くの著名人や教育関係者らが名を連ねる。また、村上財団が資金を援助している。

プロジェクトの取り組みは調査、提案、署名

活動は大きく分けて、3つから成る。実態調査、子どもたちにふさわしい校則やルールの提案、署名活動だ。

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実態調査では、調査会社を活用して、ネットを通じて20〜50代1000人以上のデータを集めて分析する。ブラック校則がどの世代に、どの地域に広がっているのか把握して可視化する。

調査を担当する荻上さんは、貧困やLGBTなどセクシュアルマイノリティの問題などを含めて調査で明らかにしようと考えているという。

「どんな人たちが校則による不満感を抱きやすいのか、具体的にどんな支障が出てきているのかも炙り出していきたいです」

「さらに、校則が厳しい学校とそうでない学校と比較した場合に、どういった環境の違いがあるのか。例えば、いじめが増えるのか、地域差があるのか、などを調べていきたい」

また、校則が厳しかった学校で育った生徒が、その後どんな人格形成をしていくのか、「校則を守ることで立派な大人になる」との学校側の主張が正しいのか、なども検証したいとしている。

一方で、質的リサーチとして、現役の生徒や教員らにインタビューする。校則によって教員が被る労働問題なども可視化したいという。

荻上さんは「あくまでプレリサーチだ」として、「最終的に文科省など公的機関にしっかりとリサーチしてもらいたいです」と語った。

既に2万人の署名が集まった

プロジェクトへの賛同を求める署名活動は、Change.orgで12月11日から始まっており、既に2万人(14日午後8時現在)から署名が寄せられている。

最終的に2018年3月に林芳正・文部科学大臣に提出し、実態調査の結果と合わせて報告する。

渡辺さんは、社会全体で行政や学校を動かす大きな流れを作りたい、と訴える。

「社会全体で校則やルールを考える良い機会になれば。長年放置されてきた問題がなくなって、子どもたちが安心して、生き生きと学校に通えるようにしたいです」

BuzzFeed Japanもこのプロジェクトに協力している

BuzzFeedでは、黒染め強要問題をきっかけに、理不尽な校則に関する記事を公開してきた。「#こんな校則いらない」というハッシュタグで、情報提供も呼びかけている。

これがきっかけとなり、プロジェクトに報道の立場から協力することになった。BuzzFeedの取材結果やプロジェクトの調査結果を可能な範囲で共有し、客観的な立場から、この動きを報じていく。

会見では、BuzzFeedの取材動画が流された。

学校の「校則(ルール)」。現役の女子高生2人が、勇気を出して悩みを打ち明けました。

現役の女子高生2人が、校則についての悩みを打ち明け、次のように述べている。

「自分が学びたいことがあって高校に通っているのに、入学前に自分たちは校則を知っていたわけではなくて、入学後に知ったことなのに、理不尽に作られた校則を守らなければいけないのは、とても苦痛に感じます」

彼女たちも、校則を全否定するわけではない。必要なものは残し、そうでないものを見直してほしいと訴える。

それは、このプロジェクトにも共通する思いだ。

署名活動はこちらからできる。また、ホームページはこちら

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kensuke Seyaに連絡する メールアドレス:kensuke.seya@buzzfeed.com.

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