まず不合理な校則など全国的なアンケート調査で実態把握へ
大阪府立高校の女子生徒が生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要された問題を受け、子どもの学習支援に取り組むNPO法人「キッズドア」理事長の渡辺由美子さんらが14日、東京都内で記者会見し、「ブラック校則をなくそう」と題したプロジェクトを始めたと発表した。不合理な校則やルールについて全国的なアンケート調査で実態を把握し、全国の学校に見直しを求める活動を展開する。
プロジェクトの前にツイッターで情報を募ったところ、学校への「『くせ毛届』の提出」など頭髪に関するもののほか、服装や登下校のルールが寄せられた。「女子の下着は白のみ。スカートをめくられチェックされた」という内容もあった。
プロジェクトのスーパーバイザーに就任した評論家の荻上(おぎうえ)チキさんは、こうした校則について「教育効果が確かめられていない理不尽なルールが多い。違反した生徒を公然と非難するなど、不適切な指導とセットで運用される」と指摘した。
インターネット上で行うアンケートは調査会社に依頼。今月中に20~50代の2000人程度を対象に実施する。年代による校則の変化や学校、地域ごとの特徴などを把握し、結果を来年1月に公表する方針。また、中高生や教員にヒアリングをして現在の校則についての意見も集約する。ホームページで活動への賛同を求める署名を受け付けており、3月に文部科学相に提出する予定という。
渡辺さんは「昔の常識でつくられた校則が子どもたちを苦しめている。新しい時代の校則はどういうものか、社会全体で議論したい」と呼びかけた。【伊澤拓也】
ツイッターで寄せられた「ブラック校則」の例
・パーマ禁止、「くせ毛届」の提出
・眉毛と髪の毛をいじってはいけない(30代男性、国公立高)
・女子の下着は白のみ。スカートをめくられてチェックされた
・カーディガン禁止(20代男性、私立高)
・日焼け止め禁止
・通学は徒歩以外、許されず、水分補給も禁止
・カップルは一緒に帰ってはいけない(20代女性、国公立中)