政府は、将棋で史上初の永世7冠を達成した羽生善治氏(47)と、囲碁で初めて2度の7冠独占を果たした井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を授与する検討に入った。前人未到の快挙で、同賞にふさわしいと判断した。菅義偉官房長官が13日午前の記者会見で明らかにした。

 菅長官は会見で授与を検討する理由について「いずれも歴史に刻む偉業で、社会に明るい希望と勇気を与えた」と説明した上で、「授与の検討を進めるよう安倍晋三首相から指示があった」と述べた。今後、有識者の意見を踏まえた上で、正式決定する。

 羽生氏は今月5日、通算7期目となる竜王位を獲得。現在七つある永世称号全てを獲得し、史上初の永世7冠を達成した。

 井山氏は今年10月、名人のタイトルを奪い、2度目となる7冠独占を成し遂げた。2度目の全タイトル制覇は囲碁、将棋を通じて史上初。

 羽生氏は1996年に、井山氏は2016年にそれぞれ内閣総理大臣顕彰を受けている。

 国民栄誉賞は77年に創設され、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者」が対象となっている。これまでにスポーツ、芸能関係者を中心に23人と1チームに授与された。

 羽生、井山両氏が受賞すれば、女子レスリングの伊調馨選手以来となる。 

〔写真説明〕羽生善治氏

〔写真説明〕井山裕太氏

羽生善治氏