リドリー・スコット英断!キャスト降板劇からゴールデングローブ賞3部門ノミネート
2017年12月14日 07:00
ケビン・スペイシーの代役
クリストファー・プラマーも大健闘
写真:Everett Collection/アフロ
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[映画.com ニュース] リドリー・スコット監督がケビン・スペイシーのセクハラ騒動を受け、急遽撮り直した新作「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)」が、第75回ゴールデングローブ賞で3部門ノミネートの獲得を果たしたことに、ハリウッドで驚きの声が挙がっている。
同作は、1973年に発生した石油王ジョン・ポール・ゲティの孫の誘拐事件を描いた作品で、当初は石油王役をスペイシーが演じていた。しかし、俳優のアンソニー・ラップ(「スター・トレック:ディスカバリー」)が子役時代にスペイシーから性的関係を持ちかけられたと告白したことをきっかけに、複数の人物がスペイシーからのセクハラを暴露。スペイシーは、主演・制作総指揮を務めるドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」から解雇されるなど影響が各所におよんでいた。
「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)」は当時撮影が終了し、12月22日の全米公開に向けて仕上げが行われていたものの、スコット監督はベテラン俳優のクリストファー・プラマーを代役に起用し、撮り直しを行うという前代未聞の決断を下した。
物語の主役はミシェル・ウィリアムズ演じる義理の娘と、マーク・ウォルバーグ演じる誘拐対応を任された腹心の部下であるものの、ジョン・ポール・ゲティの出番も他の役者との共演シーンも少なくなかった。しかし、スコット監督は最撮影を敢行し、11月30日にクランクアップ。ゴールデングローブ賞を審査するハリウッド外国人記者協会の会員向けの特別試写を12月3日に実施してみせた。
同作を製作・配給する米ソニー・ピクチャーズのトム・ロスマン会長は、「映画業界で役員を務めて30年近くになりますが、自分よりも先に記者に映画を披露するのは今回がはじめてです」と告白するほどの猛スピードで特別試写が実現したという。その苦労が実り、同作は主演女優賞(ウィリアムズ)、助演男優賞(プラマー)、監督賞の3部門ノミネートを果たした。
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