中国政府・外交部の洪磊報道官は5日の定例記者会見で、パラセル諸島(西沙諸島)周辺におけるベトナムとの対立について、中国が加速している資源探査活動について「完全に中国の主権である」、「(ベトナム側は)船を延べ1200回以上もぶつけてきた」、「一切の挑発を停止せよ」、「中国側は強い自制を維持している」などとベトナムを強く非難した。ベトナム政府は同日、自国の漁船が5月28日に中国の漁船に衝突されて転覆した様子の映像を初めて公開した。
中国が資源探査を行っている海域については「西沙諸島の領海基線から約17海里で、ベトナムからは160海里の距離にある」、「争いの余地のない、中国の西沙諸島の接続海域にある」、「中国側の作業は完全に中国の主権、主権にともなう権利、管轄権の範囲内にある」と述べた。
5月下旬に中国が新たな場所で探査に着手したことをきっかけに、ベトナム側が態度を硬化させた。洪報道官は「中国の関連企業は西沙諸島の近海で10年間にわたり、活動している」と述べ、「このたびのドリルは、関連する探査の進展上の通常な延長だ。合理的で合法的であり、完全に正当なものだ」と主張した。
ベトナムに対して、「船を延べ1200回以上もぶつけてきた。さらに大型の漂流物と障害物を海に入れ、中国の主権、主権にともなう権利、管轄権を侵害し、中国側人員と施設の安全を危険にさらしている」、「国際法と国際関係の基本準則への違反であり、該当海域の航行の自由と安全を破壊している」と非難。
ベトナムの動きに対する対処としては「中国側は強い自制を維持し、公船とその他の民間船を現場に派遣し、海上の正常な作業秩序を維持し、中国側作業員と施設の安全を確保している」と説明。ベトナム側を改めて「中国側の自制を、事態を拡大し緊張を高めるチャンスとして、事態を収拾させず、さらに激化させている」と非難した。
中国側の基本方針としては「国家の主権と海洋の権益を守る決意と意思に揺らぎはない」、「ベトナム側が中国側の油井掘削プラットフォームに危害を与える危険行為に対しては、今後も阻止を続ける」と説明。
ベトナムに対して再び「国際的に争いを作り出そうと企ててもうまく行かない。ベトナムが事態を拡大し、複雑化しようとして行ういかなることも、最終的にはベトナム自身の利益を損ねるだけのことになる」と非難し、「ベトナムが今すべきことは、幻想を捨てることだ。ただちに一切の挑発を停止せよ。現場からすべての船を引き揚げさせよ。すみやかに海上の平穏さを回復せよ」と主張した。
ベトナム政府が5日に公開した映像では、ベトナムの漁船がはるかに大きい船にななめ後ろからぶつけられた。中国船はさらに、速度をつけて側面からぶつけられた。衝突の際に船体の一部が破壊される音が発生した。ベトナム船は制御不能になり転覆した。乗組員10人はベトナムの船に救助された。映像には、中国船がベトナム船に激しく放水する様子や、上空を航空機が周回する様子も収録されている。ベトナム政府は中国側の行為を「非人道的」と強く非難した。(編集担当:如月隼人)
中国「1200回もぶつけてきた。わが方は強く自制している」・・・ベトナムは自国船がぶつけられ転覆する映像公開
2014-06-06 12:13
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