クローズアップ現代+「夫婦げんかで子どもの脳が危ない!?」[字] 2017.12.13

1312月 - による admin - 0 - 未分類

いるんですよ。
前回はこうやって、スウェーデンに勝ったことで、そのあとも調子よく、銀メダルまでつなげましたから。
今回、果たしてどうなるのか、2か月後のオリンピックに向けても、いい戦いを見せてほしいなと思います。
≫家事や育児を手伝わない夫を責め続ける妻。
こうした夫婦げんかの積み重ねが子どもを傷つけているかもしれません。
最新の研究で夫婦間の暴言がもたらす新たなリスクが科学的に明らかになりました。
日常的に両親のけんかに接した子どもは、脳の一部が萎縮。
ゆがんだ言動や学習の遅れなどさまざまな影響が生じるというのです。
幼いころから両親の激しいけんかを目撃してきた、この男性。
≫中学校に入ってから感情がコントロールできなくなりキレやすくなったといいます。
≫どのような夫婦げんかが子どもに悪い影響を与えるのか。
傷ついてしまった脳はどうすれば回復するのか。
取り組みも紹介します。
≫研究を行った医師の友田さん。
私も夫婦げんかは心当たりがあるんですけどもそれを見るだけで子どもの脳が傷ついてしまうということなんですね。
≫そのとおりです。
どのご家庭にも夫婦げんかはあるんですがそれが行きすぎてしまったり何回も繰り返されてしまうと子どもさんに被害はなくても子どもさんが、暴力のやりとりことばの激しいやりとりを目撃するだけでも心や脳にダメージがあることがわかってきました。
≫その研究結果がこちら。
友田さんら福井大学とハーバード大学がアメリカで行った調査です。
年齢層と学歴が同じ若者から夫婦間の身体的暴力を目の当たりにしてきた人とことばの暴力に接してきた人を抽出。
脳をMRIで調べました。
その結果、双方とも脳の一部が萎縮していましたが身体的な暴力を見てきた人は萎縮率が3.2%だったのに対しことばの暴力は19.8%と6倍も高いことがわかったのです。
どの程度、ことばによる夫婦げんかに接すると脳に影響が出ていたのか。
友田さんたちは「叱る」「脅す」「ばかにする」などの行為をどのくらいの頻度で目にしたのか15の質問項目を設定。
例えば、毎月だったら4点毎日だったら7点というように頻度が多くなると点数が高くなります。
このスコアが40点以上の人の脳を調べたところ萎縮が確認されたのです。
番組ホームページではこの暴言チェックリストを掲載しています。
≫番組では、日常的に激しい夫婦げんかに接してきた日本人の男性を取材することができました。
ご本人の協力を得て友田さんの調査を実施したところ40点を大きく超えていました。
≫物心ついたころから10年以上両親のけんかに接してきた大学生のりょうさんです。
暴言は毎日のように飛び交い別の部屋にいても大声が響いてきたといいます。
≫父親は家事や育児などの気に入らない点をあげつらい母親を厳しく責めました。
父≫おい!なんだあの靴は!ちょっと見に来い!母≫えっ?≫例えば、子どもの靴が脱いだままになっていると…。
父≫こういうしつけをしていると子どもがだめになるぞ。
母≫外ではちゃんとやってるから。
父≫うちでやっていることは外に行っても出るんだよ。
口答え、まずするな!お前が!≫食事のときも…。
父≫あーあ。
お前はいつまでたっても料理うまくなんねえな。
≫母親をさげすむことばが。
父≫誰のおかげで飯が食えてると思ってんだよ。
お前なんか働いたって金になんねえんだよ。
家のことやれ、まず。
≫母親も応戦し激しいけんかが日常茶飯事だったという、りょうさん。
友田さんのアンケート調査に答えてもらったところ70点を超えていました。
父≫ふざけんな!ばか野郎!≫当時、母親は子どもの前でけんかすることに後ろめたい気持ちはなかったといいます。
≫両親が離婚し、ようやく暴言から解放されたかと思いきや中学校に入るとりょうさんに異変が起きました。
≫感情をコントロールできなくなり家族や友人に対してキレやすくなったのです。
≫激しい夫婦げんかが子どもにもたらす感情のゆがみ。
福井大学などが行った脳科学的な研究で発生のメカニズムが明らかになりました。
日常的に夫婦の暴言に接すると脳の海馬や扁桃体に異常を来し怒りや不安を感じやすくなるうえ視覚野の一部も萎縮。
記憶力や学習能力が低下してしまうといいます。
≫東京都内にあるNPOです。
集まっているのは児童相談所などから紹介されてきた子どもたち。
両親の激しいけんかにさらされてきました。
≫よっしゃー!終わった!≫ここで特に力を入れているのが学習支援です。
学校の勉強についていけない子どもたちが目立つからです。
≫さらに精神保健福祉士などが感情のコントロールができない子どもに根気強く接します。
しかし、攻撃的な言動は簡単には直らないといいます。
≫精神科医の杉山登志郎さんです。
長年の経験から、暴力よりも暴言のトラウマのほうが取り除きにくいと感じてきました。
暴言の影響の大きさを明らかにした今回の福井大学などの研究は臨床の現場での実感と一致するといいます。
友田さん、今回の取材では、感情コントロールできなかったり、学力の低下が見られるような子どもたちとも出会ったんですけれども、こういった子どもたちも、脳に影響があるおそれがありますか?
こういう子どもさんたちの脳画像を撮ったわけでもないですし、会ったこともないわけですから、確定的なことは申し上げられないんですけれども、可能性はあります。
アメリカの被験者の方も同様に、大変苦しんでおられる方がいらっしゃいました。
自分にはなんの責任もない子どもが苦しむということになるわけですね。
こうした後遺症というのは、ご自分の努力でなんとかなるものではないので、決してご自身を責めていただきたくないです。
夫婦げんかといっても、さまざまですよね。
どの程度のけんかなら、子どもに悪影響が出てしまうんでしょうか。
私たちがやりました、アメリカで調査した結果は、40点以上の方を、ひけん者さんにしたんですね。
ですから、40点以下で確実にあるっていうのは申し上げられないんですが、ゼロではない。
ですから、やはり、親御さんたちは気をつけて、子どもさんの目の前で、激しい夫婦げんかをするのは、ぜひ、避けていただきたい。
リスクはありうるということです。
夫婦の間にけんかは付き物というふうに思ってる方もいるかと思うんですけども、リスクはあると?
ございますね。
ということなんですね。
今回、インターネットを通じて、アンケートを行ったところ、両親のけんかにたびたび接してきたという多くの視聴者から、体験談が寄せられました。
役立たずなど、存在を否定する、どうでもいいことをちくちく言うなどの声があったんですが、その中の一人の女性に、話を聞くことができました。
夫婦げんかは大声を上げるだけではないようなんですね。
≫30代のさとみさんです。
両親はどなるようなタイプではないものの常に嫌みを言い合っていました。
けんかの末に、1週間以上無視し合うこともたびたびあったといいます。
母≫今度の土曜日朝9時に出発だから。
≫伝書ばとのように母親と父親の会話を仲立ちするのが日課だったというさとみさん。
父≫はいよ。
≫生きづらさを感じ始めたのは社会人になってからでした。
職場で必要以上に人の顔色をうかがうようになり人づきあいが怖くなったといいます。
夫婦や子どものカウンセリングをしている臨床心理士の信田さん、ことばや暴力の夫婦げんかじゃなくて、無視とか、こういったいわゆる冷戦ですよね、それでもやっぱり子どもに影響が出る?
自分がどうかしないと、この両親壊れちゃうんじゃないかというのがあって、それはやっぱり子どもにとって、例えばいいことがあったときは、ああ、自分が頑張ったからいいんだっていうのがありますけれども、何かとてもつらいことがあったときも、自分のせいじゃないかと。
これは例えば、幼児的万能感というふうにいったりするんですけれども、そうすると、両親の冷戦状態というのは自分のやり方しだいで仲よくなるんじゃないかと思って、すごく自分のせいだっていうか、自分が頑張らないからお父さんとお母さん、仲よくならないんだっていうような、そういう自責感というか、自己否定感というものが強くなったりします。
ではどうすれば、けんかを減らせるのか。
今回、けんかが多いことに悩んでいる1組の夫婦がふだんのけんかの様子を撮影してくれました。
信田さんにVTRを見ながら、解説していただきます。
都内に住む30代の共働き夫婦、佐藤さんです。
けんかの原因は、子育てと家事の分担。
夫は職場が遠く、残業もしばしば。
疲れて家事を手伝う約束をなかなか果たせません。
妻は仕事のほか、家事と育児を一手に抱え込み、ストレスをためていました。
2人とも疲れてるんでしょうけれども、子どもの前でこんなやり取りになってしまいました。
まず、妻が強いことばで自分の気持ちを訴えていましたね。
これ、どうご覧になりますか?
この方は、自分の気持ちを分かってほしいのか、それともただ感情を爆発させたいだけなのか、そのへんがよく分からないというか、どちらにしてもあまり効果がない方法ですよね。
ですからやっぱり、そういうときは大抵、あなたはねということが前面に出てきますけれども、一番いいのは、やっぱり自分がわたくしはこうなのよっていう、私を主語にするっていうことが、まず第一ですよね。
そして決めつけで言わないってどういうことですか。
いつもとか、どうせとか、でもとか、だってということを、ずっと言うと、言われたほうはすごく自分が責められてる、これ以上、何も話したくないっていう気分になるんですね。
いつもあなたはこうだとか、でもこうだとか。
いっつもそうでしょとか嫌ですよね。
なるほど。
でも、そういうことはなるべく使わないということですね。
では続きを見ていきましょうか。
けんかすること15分、夫が食事をし始めました。
奥さんの怒りをよそに、ごはんを食べ続ける夫、これどうご覧になりますか?
夫としては受け止めてあげてるつもりだと思うんですよね。
だけどやっぱり妻にしたらなんか、スルーされているというか、どうせ、いつもこうですよねっていう感じになっちゃうと思うんですね。
ですから、受け止めることはすごく大事なんですけれども、やっぱり今度、例えば、2人で話そうよとか、例えば日曜日、カフェに行って、居間じゃなくて、自分の家じゃないところで何か話そうよみたいな提案もするというか、この両方が必要なんじゃないでしょうかね。
自分の家じゃないほうがいいんですか。
日常生活の延長になっちゃうんですね。
ですからできれば、非日常的なカフェ、時には公園とか、そういうところで夫婦で話すということですね。
夫婦っていうのは、お互いに思っていることをぶつけ合うのがいい夫婦なんじゃないかっていう気もするんですけれども、そうじゃないんですか?
それは武田さんの青春感というか、そういうところがあるんじゃないかと思うんですけれども、やっぱりぶつけ合うのはいいことだと思うんですよ。
でもね、子どもの前ではやっぱりまずい。
ですから、やっぱり2人だけの時間を作って、そこではちゃんとぶつけ合うというか、それもマナーを守ってですね、そういうことが必要なんじゃないでしょうか。
子どもが傷ついてしまった場合、どうすればいいのかということなんですけれども、福井大学では、家庭でも取り組める、ある方法を研究していて、小中学校の授業にも取り入れられています。
≫福井市にある学校です。
≫子どもたちに自分の長所を考えさせ紙に書かせる、この取り組み。
友達や親からも長所を書いてもらいファイルにとじていきます。
100点のテストや運動会でもらった賞状も長所を見つけるための大事な宝物です。
この「宝物ファイル」を何度も見直すと自己肯定感が高まるといいます。
≫この取り組みは両親のけんかに悩む子どもたちを数多く救ってきました。
岸村香織さん。
小学生のころは夫婦げんかを目の前で頻繁に見ていたといいます。
友田さんのアンケート調査のスコアは50点を超えていました。
≫次第に香織さんは両親の前で感情のコントロールがうまくできず反抗的な態度を取るようになりました。
そうした状況を変えたのが小学5年生のときに作り始めた「宝物ファイル」です。
夫婦げんかが絶えず娘に注意が向かなかった母の真知子さん。
友達が書いてくれたメッセージを読み娘の長所に初めて気付かされました。
≫その後、娘の長所に目を向けるようになった真知子さん。
娘、香織さんの態度や行動は次第に落ち着いていきました。
友田さん、こうした取り組みで、傷ついた子どもの脳が回復するということもあるんですか?
今ご紹介した研究は途中なので、まだはっきりしたことは言えないんですが、可能性はあります。
実際、海外の研究では、そういう適切なケア、特に心の傷をしっかり克服するような治療をしますと、大人の脳でも回復するということが分かってきてるんですよ。
ですから、子どもさんももちろん、元気になる。
それから、そういった脳の回復も十分可能性があります。
そうした傷ついた子どもの回復につながるような取り組みですけれども、家庭でできることとして、ほかにどんなことがあるんでしょうか?
たくさんございます。
その中で、親御さんが子どもさんのことばを繰り返してあげる。
例えば真っ赤なりんごを描いたよって言ってきたら、親御さんがちゃんと、ああ、真っ赤なりんごを描いてくれたんだねと、きちっと適切なせりふを繰り返して、受け止めてあげる。
受け止めてあげるということなんですね。
そういうことで、親御さんが自分に目を向いてるんだなということが分かります。
それから、行動をことばにするということですね。
しっかり片づけしてるんだねって、ことばがけを親御さんがすることによって、興味や関心が、自分のほうにしっかり向いている、自分の行動を理解してくれてるんだなということが、分かって、子どもさん、やっぱり、もっといい行いをしようと、心がけるようになるんですね。
信田さん、そうはいっても、夫婦げんかを完全になくすって、なかなか難しいと思うんですけれども、どういうふうに構えていればいいんでしょう?
けんかをしちゃったら、そのあとがすごく大事で、どうしてけんかをしたのか、それでお父さんとお母さん、そのあと話し合って、仲直りしたんだよということと、そのことに、あなたは、やっぱりあなたのせいじゃないんだよということを伝えてあげるというか、やっぱり説明して、あなたのせいじゃないよということと、仲直りした、仲のいい夫婦を見せるという、この3つがあれば、そんなに心配はないんじゃないかなというふうに思いますけどね。
子どもが安心できるように、ちゃんとことばを尽くす。
愛情というよりも、やっぱり子どもの安心感というのが一番大事なので、そこに注意していただきたいなというふうに思います。
家事や仕事を目いっぱい頑張っているからこそ、夫婦が衝突してしまうということもあると思います。
私もそうです。
でも、一番傷つくのは子どもたち。
・「君が笑えばこの世界中にもっともっと幸せが広がる」2017/12/13(水) 22:00〜22:25
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代+「夫婦げんかで子どもの脳が危ない!?」[字]

▽夫婦げんかを見ると子どもの脳が萎縮しIQや記憶力が低下▽嫌みや無視も危険▽手をあげるより暴言の方がダメージ大▽萎縮した脳はもとに戻る▽家庭でケアする方法とは?

詳細情報
番組内容
【ゲスト】福井大学教授、日本発達神経科学会理事…友田明美,日本臨床心理士会理事…信田さよ子,【キャスター】武田真一,田中泉
出演者
【ゲスト】福井大学教授、日本発達神経科学会理事…友田明美,日本臨床心理士会理事…信田さよ子,【キャスター】武田真一,田中泉

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 定時・総合

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