伊方原発３号機の運転停止を命じる　広島高裁
（愛媛県）

広島市の住民らが伊方原発３号機の運転差し止めを求めた仮処分申請の抗告審で１３日、広島高裁は来年９月３０日まで運転を差し止める決定を出した。　伊方原発３号機の運転差し止めを求める仮処分を申請していたのは、広島市と松山市の住民４人。住民らは、今年３月、広島地裁が「新規制基準に適合するとした国の原子力規制委員会の判断に不合理な点はない」などとして申し立てを却下したため、広島高裁に即時抗告していた。広島高裁は、「四国電力が想定した阿蘇山の噴火で生じる火砕流や火山灰が伊方原発に及ぼす影響評価は過小である」とした。そして、「火山の危険性について、伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理である」などとして、住民の申し立てを認めた。一方で、運転停止の期間については、広島地裁で伊方原発の運転差し止めを求める裁判が審理中で、火山の危険性についてさらに詳しく審理する予定であることなどから来年９月３０日までとした。伊方原発３号機は去年８月に再稼働し、今年１０月から定期検査に入っていて、来年２月２０日には定期検査が終了する予定。しかし、今回の決定で来年２月以降も稼働できない状態が続く可能性が高くなった。福島第一原発の事故後、高裁段階で再稼働や運転を禁じる司法判断は初めて。