13日午前、沖縄のアメリカ軍普天間基地に隣接する宜野湾市の小学校のグラウンドに窓ガラスのようなものが落下し、学校によりますと、児童1人が軽いけがをしました。沖縄県によりますと、アメリカ軍のCH53ヘリコプターの窓が落下した可能性があると沖縄防衛局から連絡があったということです。
13日午前10時過ぎ、沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校のグラウンドに1メートル四方の窓ガラスのようなものが落下しました。
小学校によりますと、グラウンドでは4年生の児童およそ30人が体育の授業を受けている最中で、男子児童1人が左手に軽いけがをしているということです。
普天間第二小学校は、アメリカ軍普天間基地の北側にあり、基地とはフェンスを挟んで隣り合っていて、当時、上空にはアメリカ軍のヘリコプターが飛んでいたということです。
沖縄県によりますと、アメリカ軍のCH53ヘリコプターの窓が落下した可能性があると沖縄防衛局から連絡があったということで、警察などが状況を調べています。
NHKの取材に対して沖縄に駐留するアメリカ海兵隊は「事実を確認している。詳細がわかりしだい回答する」とコメントしています。
防衛省 米軍から「物が落下した可能性」と連絡
防衛省によりますと、アメリカ軍から沖縄県宜野湾市付近で飛行中のCH53ヘリコプターから物が落下した可能性があるという連絡が、13日午前10時40分ごろ入ったということです。
アメリカ軍は落下物について、「窓のようなもの」と説明しているということで、防衛省は詳しい状況の確認を進めています。
官房長官「あってはならない」
菅官房長官は午前の記者会見で、「防衛省からは米側から本日午前10時ごろ、普天間第二小学校の運動場に米軍ヘリのドアと思われるものが落下したとの連絡があったと報告を受けている」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「このような事案の発生は、学校の関係者のみならず、沖縄県民の方々に不安を与えるものであり、あってはならない。政府としては引き続き情報収集にあたるとともに、米側から詳細な情報が得られしだい、沖縄県をはじめ関係自治体に通知するなど適切に対応していく」と述べました。
CH53ヘリコプターとは
CH53ヘリコプターは全長およそ30メートル、重量およそ15トンで、最大55人を輸送できるアメリカ軍の大型輸送ヘリコプターです。
沖縄県では宜野湾市のアメリカ海兵隊普天間基地に配備されています。
CH53ヘリコプターをめぐっては、ことし10月に沖縄本島北部の東村の牧草地に1機が緊急着陸して炎上したほか、13年前の平成16年には普天間基地に隣接する沖縄国際大学の敷地内に墜落して炎上し、大学の校舎をはじめ付近の住宅の屋根や窓ガラスが壊れる被害が出ました。
また、普天間基地の周辺では今月7日に、保育園の屋根に「US」などと書かれた重さ200グラム余りのプラスチック製と見られる筒状のものが落下しているのが見つかり、アメリカ軍はCH53ヘリコプターのものであると認めたものの、飛行中に落下した可能性は低いという認識を示しています。
宜野湾市立普天間第二小学校とは
宜野湾市立普天間第二小学校は、アメリカ軍普天間基地の北側にあり、基地とはフェンスを挟んで隣り合っています。
学校のホームページによりますと、昭和44年に開校し、現在およそ700人の児童が通っているということです。
保護者「また起きたのか」
普天間第二小学校に3人の子どもを通わせているという母親は「学校に何か落ちたと聞いて連絡しましたが、つながらないので来ました。先週も保育園で同じようなことがあったので、また起きたのかという感じです」と話していました。