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岐阜カワウ対策、4県連携へ 来年度に会議
アユなどの川魚の食害が深刻な野鳥「カワウ」の生息数を抑えようと、県は来年度から、隣接する愛知、三重、滋賀の三県との連携会議を発足させる。レーダーによる飛行ルート調査などを通して、飛来状況の把握を目指す。十二日に県庁で開いた県鳥獣被害対策本部員会議で、県側が明らかにした。 県によると、アユの漁獲量は減少傾向で、二〇一五年は四百九十九トン。ピークだった一九九二年の千七百二十六トンから、四分の一近くまで落ち込んだ。アユの年間放流量は変わらないため、カワウなどに食べられたことが一因とみられる。 カワウは鵜飼いのウミウとは別種で、一日に五百グラムの魚を食べるという。 県は一四年度から、飛来地だけでなく、輪之内町のカワウ営巣地などで捕獲を実施。被害対策指針をまとめた一六年度からは、流域の漁協が連携して、追い払いや捕獲に取り組んできた。この年度の生息数は約二千三百羽で、捕獲数は約千羽。二一年度までに年間千四百羽前後を捕獲し、生息数を一千羽で維持させることを目指している。 来年度からは、稚アユの放流期の四月と、カワウの営巣開始期の十一月を対策月間とし、流域だけでなく県内全体で一斉捕獲などを行う。秋には隣県との飛行ルート調査も始める。担当者は「放流後の稚アユの食害防止につなげたい」と話す。 会議では、本年度のシカやイノシシなどの獣害による農作物被害額の推定値が、対策本部を設置した一〇年度以降最少の二億五千八百万円となる見通しについても報告された。 (兼村優希) 今、あなたにオススメ
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