シリーズ累計4千万本を売り上げた超人気ゲーム「モンスターハンター」の世界で、規格外の強さを見せるプレーヤーがいる。ネコのキャラクター「アイルー」を使用することから、「悪魔ネコ」の異名で恐れられていたが、その実態はチート行為(不正なプログラム改変)。大阪府警は11月、悪魔ネコの生みの親の1人である会社員の男(44)を著作権法違反容疑で書類送検した。発覚のきっかけは「こんなこと、していいのか」との心あるゲーマーの忠告。ところが忠告された当人は、「脅された」と警察に駆け込み、逆にダメ出しされて摘発されるに至った。こうした改変はプログラミングの知識がなくても容易に実行でき、ゲーム上ではこの男とは別経由で作り出された悪魔ネコもいる。ルールを無視した冒涜(ぼうとく)行為の実態は。
府警によると、男のやったチート行為は、ニンテンドー3DSのソフト「モンスターハンター4G」のセーブデータの改変だった。
同ゲームはモンスターを退治して(狩って)、キャラクターの武器を強化するのが醍醐味(だいごみ)の一つ。オンライン上で見知らぬ人と仲間になってモンスターを狩ることもできる。プレー時間が千時間を超える人がざらと言われるほど、いかにやり込み、いかに鍛錬を積むかによって、プレーヤーの強さが決まる。近道はなく、その意味ではボクサーや格闘家が愚直に練習を重ねることと変わりはない。
セーブデータの改変はそうした血と汗と涙の時間経過を、一瞬でかすめ取る行為といえるだろう。そのうえ武器の威力なども自由に設定できたという。
男はネットオークションで、改変の依頼者を募集。ゲームソフトを送ってもらい、勤務先の会社内で内職にいそしんだ。
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