絵文字コンボを成立させたい…!
絵文字も含めた文字コードの国際規格を決めるUnicode Consortium(ユニコード・コンソーシアム)が検討中の新しいガイドライン案に対して、米GizmodoのEmily Lipstein記者はかなり強く同意しています。しかし彼女が賛同しているのは多くの人も注目する新しい絵文字群についてではなく、絵文字の向きを自由に変えられる、という機能についてのようです。
ユニコード・コンソーシアムが現在検討中の新ガイドラインはもしかしたら私たちと絵文字の関係性を大きく変えてしまうかもしれません。どういうことか。そうです、ピンと来た人も多いでしょう。ついに、やっと、絵文字の左右の向きを変えられるようになるかもしれないんです。
たとえば、現在は上の画像のようになってしまうネズミたちも、アーティスト、Ellen van Deelenが生み出す傑作のような、動物が人間のように道具を使っている光景を絵文字で作り出せるようになるかもしれないんです。太陽を覆っていた雲の切れ目から、希望の光が差し込んできた気がしますよね。
すでに左右反転の絵文字を出力できるテキスト・プラットフォームもあるいっぽうで、Apple(アップル)のiOSでは、現状では楽器もネズミも左を向いているため楽器を吹かせることができません。プラットフォームによって絵文字が生み出す世界がまったく違ってしまっているんです。
絵文字の向きをユーザーが選べるようにする。よく考えてみるとこれほど納得の判断はありません。なにかと入り用になる矢印の絵文字ですが、全方向の矢印が用意されているわけではないですよね。
⤴(右上向き回転矢印)があるけど逆側の「左上向き回転矢印」がないなんて、不便きわまりないわけです。
ほかにも非常に困った状況がiPhoneで毎日起きていることに皆さんお気づきでしょうか。絵文字を使って動物バンドを作ろうとしても、カタツムリが右を向いていてサクソフォンが左を向いているため、どれだけサクソフォンパートのカタツムリをバンドメンバーに入れたかったとしても、しぶしぶ青虫にサクソフォンを弾かせるしかないんです。
Emojipediaによると、2017年6月段階でのユニコード規格には2666の絵文字があります。左右を反転できるようになるだけで、どれだけの不必要な混乱、不便が解決できるか…想像するだけで圧倒されてしまいます。
この変更をユニコードの絵文字アップデートに組みこむ提案は、現時点ではまだ提案にすぎません。これが実装されると、Appleなどのメーカーは、どの絵文字が両方向で利用できてどの絵文字はできないかという究極の判断に迫られることになります。さらにそのアップデートはiOS12まで待たないといけないでしょう。それまではカタツムリは楽屋ベンチを温めるしかなさそうです。
Image: Gizmodo US
Source: Wikipedia, Unicode Consortium, Ellen van Deelen, Emojipedia
Emily Lipstein - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)