ニューヨーク中心部で爆発 バングラデシュ出身の容疑者を逮捕

バスターミナル前を警備する警官(11日、ニューヨーク)
Image caption バスターミナル前を警備する警官(11日、ニューヨーク)

米ニューヨーク・マンハッタン中心部にあるバスターミナル「ポート・オーソリティ(港湾局)」付近で11日夜、テロ攻撃を意図したとみられる爆発があり、警察はバングラデシュ出身の男を逮捕した。

逮捕されたのはアカイード・ウラー容疑者(27)で、体に巻きつけた「単純な技術の爆発装置」で負傷しているという。

地下通路で起きたこの爆発で、このほか3人が軽傷を負った。

ソーシャルメディアで拡散されている写真には、ウラー容疑者とされる男が、衣服が破れて上半身に裂傷を負った状態で、地面に倒れている様子が写っている。

ニューヨークのビル・デブラシオ市長は、単独犯による犯行だとみられると語った。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、「ここはニューヨークだ。民主主義、また自由に反対する意志表示をしようとする多くの者が私たちを標的にしているというのが現実だ。私たちの港には自由の女神像が立っていて、国際的な標的になっている」と述べた。

ウラー容疑者はバングラデシュから米国に移民した Image copyright CBS
Image caption ウラー容疑者はバングラデシュから米国に移民した

爆発は午前7時半(日本時間午後9時半)ごろに起きた。現場に居合わせたアンドレ・ロドリゲスさん(62)はニューヨーク・タイムズ紙に対し、「回転式ゲートを通っていたら、爆発のような音が聞こえて、みんなが逃げようと走り出した」と語った。

別の目撃者、アリシア・ウロドコウスキさんはロイター通信に対し、60人くらいの人が走って逃げるのが見えたと話した。「女性が倒れたのに、誰も立ち止まって助けようともしなかった。パニック状態でとても怖かったから」。

現場付近の複数の地下鉄駅から利用客が避難し、バスターミナルは一時閉鎖された。ポート・オーソリティは世界で最も利用客の多いバスターミナルで、1年間の利用者は6500万人以上。

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Image caption 爆発のあったポート・オーソリティ(Port Authority Bus Terminal)とタイムズ・スクエア(Times Square)の位置

ニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク・ブルックリン地区にある容疑者の自宅で家宅捜索が行われている。地元紙ニューヨーク・ポストによると、ウラー容疑者は最近電力会社で働いていた可能性がある。

ウラー容疑者は、2011年に家族を呼び寄せる家族ビザで米国に移住した。バングラデシュ政府はウラー容疑者に犯罪歴はなかったと明らかにした。ウラー容疑者が最も最近バングラデシュを訪れたのは今年9月だった。

米ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は11日の定例記者会見で、ドナルド・トランプ大統領が推進する移民取り締まりがすでに実施されていたならば、「この攻撃犯が入国を認められるようなことは絶対なかった」と主張し、「今回の攻撃は、国家の安全保障および市民の安全を強化する移民制度改革について、いかに議会が大統領と協力しなくてはならないかを裏付けている」と述べた。

現場近くの道は数ブロックにわたって閉鎖された(11日、ニューヨーク) Image copyright Reuters
Image caption 現場近くの道は数ブロックにわたって閉鎖された(11日、ニューヨーク)

(英語記事 New York Port Authority attack: Man held after Manhattan blast