岩手県で栽培された無農薬のリンゴが都内販売店で高い評価を得た。良品計画の生活雑貨店「無印良品」有楽町店(東京・千代田)で2カ月以上、青果部門の売上高1位だった。生産者は「消費者の関心が高くてびっくりしている」と話している。
栽培したのは産業廃棄物処理業で肥料も製造販売する岩手コンポスト(岩手県花巻市)。汚泥を肥料に変える働きなどを持つEM菌(有用微生物群)を土壌に混ぜる農法で、農薬や除草剤を一切使わないリンゴの量産に成功した。
良品計画は7月、有楽町店の新装開店に合わせ、同社として初めて青果売り場を設けた。化学合成農薬と化学肥料を使っていない果物を探していたところ、東北銀行が両社を仲介した。紅ロマン、黄王、サンつがるなど6種類を9月中旬から11月末まで販売し、その間、売上高は青果部門の1位だった。主婦や訪日外国人が購入していたという。
岩手コンポストの担当者は「味を評価してもらったが、特に無農薬に反響が大きかった。今後、他の野菜や果物にも挑戦したい」と喜びを語る。良品計画も「継続した取引を検討したい」と話す。