地元漁師さんはこんなに旨い「寒ぶり」を食べているのか…!極上の寒ぶりが食べられる本場・佐渡島の「寒ぶりまつり」が最高でした

12月3日、佐渡島の鷲崎(わしざき)漁港では、今年22回目を迎える「佐渡海府寒ぶり大漁まつり」が行われました。ぶりの産地は富山県の氷見が有名ですが、新潟県でも氷見に負けず劣らない極上のぶりが食べられます。寒ぶりまつりのボランティアに参加したルリ子さんが、佐渡の寒ぶりの美味しさと地元漁師さんが教えてくれた美味しさの秘密をレポートしてくれました。ボランティアで参加すると寒ぶり食べ放題なので、我こそはという食いしん坊な方は来年に向けてスタンバっておいてください。 (佐渡のグルメランチ

地元漁師さんはこんなに旨い「寒ぶり」を食べているのか…!極上の寒ぶりが食べられる本場・佐渡島の「寒ぶりまつり」が最高でした

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今、ぶりが旬です。

お刺身、煮付け、アラ汁、ぶり大根、ぶりしゃぶなど、どんなお料理でも楽しめるぶり。
ぶりの産地は富山県の氷見が有名ですが、私の住む新潟県でも氷見に負けず劣らない極上のぶりが味わえるんです。

ぶりは春に北海道まで北上し、水温が下がる11月ごろから日本海を南下します。餌となるアジなどの群れを追いかけ栄養をしっかり貯えた「寒ぶり」は、日本海に浮かぶ佐渡島でどこよりも早く水揚げされます。

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去る12月3日、佐渡島の鷲崎(わしざき)漁港では、今年22回目を迎える「佐渡海府寒ぶり大漁まつり」が行われました。

寒ぶりまつり直前、Facebookを眺めていると「寒ぶりまつりのボランティアに参加すれば、寒ぶりが食べ放題!」という投稿を発見!

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“食べ放題”の文字にまんまと釣られた私は、即効ボランティアに応募し、佐渡島へ向かうことにしたのです。

今回は佐渡島の寒ぶりの魅力と、地元漁師さんに聞いたぶりの豆知識、そして寒ぶりまつりの様子をたっぷりお届けしたいと思います!

 

働かざるもの食うべからず。まずは寒ぶり祭りの準備!

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佐渡島で私がお世話になったのは、鷲崎しただみ会の方々。
地元漁師さんや土木さんなどで構成される男だらけのメンバーに混ざって、出店で販売する焼きそばや、タコ飯などの仕込みをしていきます。

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おいしそうなタコ飯をパック詰めしながら、にやつく私。

 

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作業の合間にビールを飲んでいる人も(笑)。
「酒を飲むためにやってるんだから、君も遠慮せずに飲みなよ!」とお酒をぐいぐい勧められます。酒好きにはたまらんイベントですな。

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出店用のPOPづくりも任されました。

 

いよいよ宴会スタート! 初めて食べる極上ぶりの味とは!?

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時間はあっという間に過ぎ、待ちに待った夕食が始まりました。それも17時からと早い!
寒ぶりまつりの成功を祈願する乾杯のあと、テーブルには数々の料理が運ばれていきます。

 

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左上から時計回りに、新鮮で透明なスミイカ、1週間置いてから煮たバイ貝、まぐろのあらの塩焼き、本ずわい蟹。

めちゃくちゃ贅沢……。

すべて佐渡島でとれた新鮮な海の幸です。
ぶりだけかと思っていたら完全に見くびっていました、ごめんなさい。。
そして私の想像を遥かに越えた、主役の寒ぶりが登場!

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量、やばっ!!

1本11kgもある寒ぶりの半量です。ピンクの大トロ部分、赤い背の部分と、すべての部位が余すことなく味わえます。

 

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盛り付けは、帝国ホテルで板前をしていたという、地元漁師さんによるもの。
こんなぶりの盛り合わせ、見たことない……!

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脂が大好きなので、迷わず大トロをいただきます!!

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う、うまい、、、、、、

これ本当にぶり? マグロの大トロじゃない!?

淡いピンク色の大トロは、見た目以上に甘みもあり柔らかくとろっとろです!

生臭さなんて皆無。
さっぱりした脂だからいくらでも食べられるし、こんなに脂がのっていたら絶対に火を通したくない!

ボランティアだからちょっとは遠慮したほうがいいんだろうけど、こんなにうまいぶりを目の前にすれば自然と箸が進んでしまいます!

どうしてこんなに寒ぶりがおいしいのか、そのわけを地元漁師さんに聞いてみました。

極上寒ぶりには3つの秘密がある!

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私「そもそもなぜ寒ぶりって言うんですか?」

漁師さん「寒ぶりっていうのは、冬に穫れる旬のぶりがそう呼ばれているだけ。でも重さ7キロぐらいのブリで寒ブリとは呼べないね。

今日食べてもらったのは、11kg以上の佐渡寒ぶりで、脂肪含有量が15%以上あるんだ。スーパーで売られているぶりは小さくて細身のものが多いけど、丸々と太ったぶりは脂がのって抜群にうまいんだよ」

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「僕のように太ったブリがおいしいよね」とお腹をポンっと叩いている右の男性。申し訳ないが非常に分かりやすい……。

【その1】15%以上の脂肪がある、11kg以上の佐渡寒ぶりがうまい!

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私「いやぁ〜今日食べてみてわかりましたが、本場のぶりはやっぱり新鮮で抜群においしいですね」

漁師さん「いや、新鮮という表現は間違ってるよ」

私「えっ?」

漁師さん「ぶりは3日から1週間ほど熟成させたものがうまいんだよ。早すぎると魚の臭みが残るけど、熟成させると臭みが消えてぶりの旨味が出るんだ。

今日のだって熟成させたぶりだからうまいわけ。刺身で食べるなら断然熟成させたぶりだね」


私「熟成肉は知ってたけど、魚も熟成させるなんて知らなかったです!!」

【その2】3日から1週間熟成させた寒ぶりがうまい!


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漁師さん「あとね、今日夕食に出したのは神経じめ ※1をしてるんだ。神経じめは死後硬直を遅らせることができるから、身の引き締まったぶりになる。

神経じめで、尚且つしっかり血抜きをしたぶりなら茶色になることはない。1匹ずつ処理を施す手間はかかるけど、本当にうまいぶりを買いたいなら、ぜひとも神経じめのぶりを漁師に直接注文してほしいね」

※1 神経じめとは……手かぎという道具などを使って頭蓋骨を壊したあと、上の写真のように神経にワイヤーを通し神経を壊す作業のこと。


【その3】神経じめされた寒ぶりがうまい!

極上のぶりには、それだけの手間がかけられていたのか……!

 

寒ぶりまつりは争奪戦覚悟!

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寒ぶりまつり当日。生憎の曇り空ですが、イベントは雨天でも決行です。

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朝10時の開始と同時にお客さんが一気に押し寄せる、寒ぶりまつりの目玉、一本買いのコーナー!


すぐそばの漁港で水揚げされたぶりが並ぶと、会場は大混乱。

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まるでバーゲンセールのような争奪戦!

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1本買いのぶりは開始2時間ほどですべて売り切れてしまいました。
市場で買うよりも3割ほど安くオトクなので、島外から前乗りしてでも訪れる価値はあります!

 

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購入したぶりは、このように発泡スチロールに入れて自分で運びます。

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少し待ち時間はかかりますが、地元の漁師さんに無料で捌いてもらうこともできます。

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一本はいらないわ、という人はパック詰めのぶりがおすすめ。

 

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この日会場で販売されたぶりは約230匹。ひとりで10パック買う人もいて、あっという間になくなっていきました。

 

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私もなんとか手に入れた、大トロ1,000円。
わさび醤油につけて食べるとね、醤油にまで脂が滴るんですよ……。
これで1,000円なんて、安いと思いませんか??

 

寒ぶりまつりでは出店や寒ぶりレースも!

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私はその間、出店で焼き鳥やタコ飯なども販売しながら

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漁師さんからいただいたぶりを頬張ったり

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漁師さんが作ったブリのアラ汁もご馳走に!!
(会場では先着1,000人に無料で配られるアラ汁があります)

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大きく柔らかいブリと、ブリの出汁がしっかり染みたスープが冷えた体を温めてくれます。

こんなにおいしい仕事、いいのでしょうか……!?


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ほかにも長さ20mほどの水槽で、順位を当てる寒ぶりレースが行われていたり

 

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子どものぶり掴み取り大会が行われていたりと、ぶり尽くしの催しが盛りだくさん!
次の寒ぶり祭りは来年の開催なので、これから佐渡島に行くなら両津港からバスで約20分の長三郎鮨で食べるのがおすすめ。1月ごろまでは毎日寒ぶりが食べられるそうです。

ぜひ、佐渡島の寒ぶりの味を確かめてみてください!
(冬はフェリーが揺れやすいので、酔い止めも忘れずに★)

■内海府漁業生産組合
極上の佐渡寒ぶりを注文したい飲食店の方は下記連絡先まで。
電話:0259-27-5802

■長三郎鮨
住所:新潟佐渡市新穂81−4
時間:11:00~22:30(日曜営業)
駐車場:あり
電話:0259-22-2125

長三郎鮨を紹介した記事はこちら
新潟・佐渡は寿司パラダイス…!凄まじいクオリティのネタを庶民価格で堪能できる「長三郎」が本当に素晴らしかった

■寒ぶりまつり
住所:新潟佐渡市鷲崎(両津港から車で約45分)
時間:10:00~ 寒ぶり販売開始(予定)
駐車場:無料
電話:0259-27-3258(佐渡海府寒ぶり大漁まつり実行委員会事務局(内海府漁協内))
詳細:佐渡 海府 寒ぶり大漁まつり | イベント

ライター:ルリ子

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新潟在住のフリーライター。グルメや観光記事を中心にWEBメディアで執筆しています。

Twitter:https://twitter.com/ruricocoa

ブログ:毒いちご - 新潟グルメや日々のブログです。

インスタグラム:https://www.instagram.com/ruricocoa/

 

                             
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