このエントリは Dark Advent Calendar 2017 12 日目のエントリだよ。
伝説の闇の技術について紹介するよ。
ブラウザクラッシャーとは
まずはこちらの動画をご覧いただきたい。(音が入っているので注意)
Windows 98 上の Internet Explorer で開いた Web ページが何やら奇妙な動きをはじめ、ブラウザを終了させようとした途端にウィンドウが増殖して大量のポップアップウィンドウが画面上を跳ね回っている。
これは You are an idiot というブラウザクラッシャー (ブラクラ) の一種。 crashme と並んで「二大有名ブラクラ」だと勝手に思っている。
一応コンピュータウィルスには分類されないが、リソースが大量に消費されることでマシンが不安定になったりクラッシュしたりする、悪意のあるプログラムである。
自分の記憶では 2000 年代前半に大流行していたので、その頃にインターネットをよく使っていた人は見覚えがあるかもしれない。 当時小学生だった自分も、学校の友達と交流していた BBS (掲示板) に「これ面白いよ!」とブラクラのリンクを貼られたり、桃色な Web サイトをコッソリ見ているときに誤ってブラクラのリンクを踏んでしまったりしていた。
当時はブラクラのことを「迷惑なサイト」としか思っていなかったが、いま思い返すとブラクラによって「インターネットはこういう場所なんだ」ということを学んでいた節があり、十数年経ったいま改めてブラクラの動画を見返してみると、嫌な思い出というよりは「あ〜懐かしいなーーー」という気持ちになる。
You are an idiot を現代に蘇らせる
ノスタルジーのあまり、ブラクラをもう一度動かしてみたくなってしまった。
しかし現代のブラウザはセキュリティが堅くて同じようなものを実装してもコレジャナイ感が出てしまう。 あの小さなポップアップウィンドウを大量に生成して画面内を動き回らせたい。
そこで Electron である。
Electron であれば、Window まわりの実装の自由度が高いし、ブラウザによってポップアップをブロックされる心配もない。
そして完成したものがこちら。
※ ちなみにライセンスは CC0 (パブリックドメイン) なので、煮るなり焼くなり好きにして欲しい。
!!!注意事項!!!
- 動かすときは自己責任で
- ジョークアプリとはいえ、ウィンドウを増やしすぎると本当にマシンが死にます
- というか開発中に動作確認してたら自分の Mac が一度死にかけました
- 万が一のことがあっても作者は一切の責任を負いません
- ビルド済みパッケージは配布しません
- 自身で Node.js をインストールしてよしなに起動できる程度に解っている人のみ、ご利用ください
- macOS 以外では動作確認をしていません
- macOS では
⌘ + W
で増殖 /⌘ + Q
で終了 するようになっていますが、macOS 以外の OS だとどういう挙動をするかわかりません
- macOS では
動かしてみた様子
良くないですか、この活き活きとしたポップアップウィンドウ達。
まとめ (?)
かくして Flash 黄金時代の悪しき文明は、Electron という最新技術との融合によって見事復活を遂げたのであった。
インターネット老人会の諸君、いま一度あのときの気持ちを思い出してみてはいかがだろうか。