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ネガコメ職人の朝は早い

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ネガコメ職人の朝は早い

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はてな村のとある一画。

ここに1人の人物が居た。

 

はてな村でも有数のネガコメ職人。

彼の仕事は決して世間に知らされるものではない。

 

我々はネガコメ職人の1日を追った。

 

午前5時起床

 

Q.早いですね?

 

「そうですね、朝早くに自動投稿して通勤するサラリーマン達からブクマを貰おうとする奴が居るんです。そいつらに対応しようと思ったらどうしてもこんな時間になっちゃうんですよ」

 

そう語るネガコメ職人の目は何より真剣だ。

 

日が昇り始める前、人々が行動する前からネガコメ職人は動き出す。

 

「互助会乙」

 

これをしないと一日が始まらないんです。と職人は語る。

 

「ブクマ集めて嬉しいか?」

 

何気ない一言にも職人の技が光る。

 

 

Q.なぜこの仕事を?

 

「いやぁ、お恥ずかしながら時間掛けて書いた自分の記事が全然ブクマされなくて、ふと他の記事を見たらすっごい薄っぺらい内容なのに100ブクマ超えていたんですよ。悔しいから「なんか気持ち悪い」ってコメントしたらすごいはてなスターが付いて。すっごく嬉しかったからいっその事プロになっちゃおかな?って。おかげで今じゃこれしか生き方を知らないよ(笑)」

 

次にネガコメ職人が記事を開いたかと思うと即座にブクマ画面を開いた

 

 

Q.記事を読んでいないのでは?

 

「タイトルと冒頭文で大体わかるんですよ。こいつが何を言いたいのかな?って。だったら記事を読むのって時間が勿体無いんですよ。パッと開いてパッと叩く。的外れだったら的外れで混乱させる事ができる」

 

「ブラック企業辛い?ブラック企業に働いてから言え」

 

一切の抜かりはなく、素早くネガコメを書くネガコメ職人

 

 

Q.やりがいは何ですか?

 

「ブログ始めたばかりでブクマたくさんもらって調子乗ってる初心者を潰すことですかね。あいつらブクマを貰う為なら何でもするんですよ。事実ブクマ貰えるように仕向けるのって簡単だし。そんなことしてはてブを汚す奴にネガコメ書いてやるんですよ」

 

「有名ブロガー気取り痛い」

 

職人になって5年にもなると毎日更新している初心者を一言のネガコメで放置ブログにさせるのも容易いという。

軽い口調だが、確かな言葉の重みが伝わってくる。

 

 

はてなブックマークで記事を見続けて2時間、彼が寝ている間にエントリーしてきた記事を全て叩き終えた。

 

最近はまともな記事が無いから仕事が増える。と彼は愚痴をこぼす。

 

 

Q.これからどこへ?

 

「ちょっと散歩にね」

 

そう言いながら散歩中もかかさずスマホではてブを確認するネガコメ職人。

一瞬の時間も無駄にしない所に職人の熱意が伝わる。

 

「で、何が言いたいの?」

たった一言のコメントには重さが感じられる。

 

 

午後12時 お昼の時間

 

「はてブをつまらない記事で汚すな」

 

彼のお昼はネガコメと共に始まる。

昼までずっと頭の中で効果的なネガコメを考えていたのだという

 

「お昼休みにブクマを貰うことを狙って投稿する奴が居ますからね。油断できないんですよ」

 

午後9時 帰宅

 

普通の人間なら仕事が終わりゆっくりするはずだが、職人は違った。

「ここからが本番なんすよ」

 

そう言うと彼はPCの前に座った。

 

Q.”本番”とは?

 

「あぁ、インターネット利用者が最も多い時間の事ね。投稿される記事の数も最も多くなる。つまり最も忙しくなる時間だよ」

 

そういうとネガコメ職人はパンを片手にパソコンに張り付いた。

忙しい時は食事や睡眠すら取れないという。

常に危険と隣り合わせの仕事である。

 

「そんなんだから負け組なんだよ」「これだから田舎者は」「つまんね」「互助会wwwwww」「SEO気にしすぎ、どんだけ検索ほしいんだよ」「ほんとアフィカスブログ」「日本語正しく使えないの?」

現場には専門用語が次々と飛び出す

 

「きたきたきたきた、バズったまとめ系記事」

ネガコメ職人からすると狙い目だという

 

「普段ブクマ付かないブログがホットエントリに上がってくるし、まとめ系は「名作ばかりじゃねえか」っていう叩き方ができるからね」

 

「名作ばかり上げてんじゃねぇ」「ファン受けの悪そうな記事」

 

ネガコメ職人が培ってきた経験が活かされるときである。

 

 

Q.逆に叩かれることは無いのですか?

 

「ネガコメ専用アカウントでネガコメを書いてる。だからどれだけ辿ってもネガコメだらけのブクマにしかたどり着かない。やっぱり職業柄無駄な争いは避けたいしね」

 

時間と自分を大切にする、それもプロに必要な資質なのかもしれない。

 

 

Q.これを365日毎日辛くないんですか?

 

「まぁ好きでやってるからね(笑) でも最初は正直辞めたいなとか思ったよ。人を呪わば穴二つとか言うしね。ただプロとしてのプライドってなんだろう?って考えた時、呪いにすら屈せずブロガーを攻撃することなんじゃないかな?と思ったわけです。多分普通の人は出来ないことを私をやっている。そう思うとふっきれて苦じゃなくなりました」

 

(挿入歌)

www.youtube.com

 

Q.プライドですか

 

「俺にはこれしかない!だから全力で叩く。誰にも負けない!ってプライドだね。今この生活にはすごく満足しているよ」

 

 

時にはIDコールでボロクソに反論を書かれることもあるという。

「叩いた分、叩かれる」

それが彼の座右の銘である。

 

その言葉を忘れずに今日もまたあちこちのブログでネガコメを発信しているプロの彼は確かに居た。

彼は明日の朝また、5時には起きるという。

 

end