(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年12月7日付)
スイス・ジュネーブのレマン湖に、ベットに横になって登場した7メートルを超える巨大操り人形(2017年10月1日撮影)。(c)AFP/Fabrice COFFRINI〔AFPBB News〕
ジュネーブ空港に降り立ったら、その先はレンタカーで移動しようという場合、やり方は2つある。
1つは、スイスの入国管理カウンターを通ってまっすぐレンタカーの営業所に向かうパターン。もう1つは、エスカレーターで1つ上の階に行き、廊下を歩いてフランス側に出るパターンだ。
フランス側では、スイス側と同じ多国籍レンタカー会社が違う条件を提示している。
スイスでは、秋から春にかけてはレンタカーに冬用のタイヤをはかせる決まりになっている。「ヴィニエット」というシールを貼る必要もある。
年当たり40スイスフラン(40ドル)の道路税を納めるともらえる、スイス国内の高速道路を走ってもよいという許可証のことだ。
一方、フランス側で借りるレンタカーにはそんな決まりがなく、ヴィニエットもいらない。車のスペック(仕様)が違うことも多いが、概して言えるのは料金がかなり安いことだ。
同じレンタカー会社でも、今なら2月の短い休みにファミリーカーをスイス側のおおむね半額で借りることができる(ただし、ジュネーブ空港のフランス側で借り、同じところで返却することが条件となる)。
レンタカー事業は、どの企業も基本的に同じ商品を提供する競争の激しいビジネスだが、国境によって市場が分けられることにより、商品の質の違いをはるかに上回る価格差が生じ得るようになっている。