JR東日本などが運行を始めた路線は、人口がロンドンに次いで多いバーミンガムの都市圏の輸送やロンドンへの通勤などに利用されていて、年間の乗客数は7360万人にのぼります。
地元ウエストミッドランズ州のアンディ・ストリート知事は、NHKの取材に対し、「日本の鉄道システムは非常に評価が高い。この地域で鉄道を利用する人は増えていてJR東日本などが営業することで時間に正確な運行だけでなく座席数や列車の運行本数が増えることも期待している」と話していました。
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JR東日本と大手商社の三井物産は、イギリスで、ロンドンと中西部を結ぶ鉄道路線の運行を始め、安全で時間に正確とされる日本の鉄道の強みを海外の路線でも実現できるか注目されます。
イギリスではそれぞれの鉄道路線を運行する事業者が一定の期間ごとに入札で決められていて、JR東日本と三井物産はオランダの鉄道会社とともに、ロンドンと中西部の各都市を結ぶ路線の2026年までの営業権を獲得しました。
中部バーミンガムでは11日、運行開始を祝う式典が開かれ、関係者が駅のホームに集まって新しいデザインとなった列車を拍手で迎えました。
駅や車両、それに従業員などは前の事業者から引き継がれますが、ラッシュ時の混雑を緩和したり列車の遅延を減らしたりするため、今後、およそ1500億円をかけて新型車両の導入や施設の改修などを進める計画です。
JR東日本が海外で鉄道の運行を担うのは初めてで、小縣方樹副会長は「安全運行を第一に質の高い安定した輸送を築き上げたい。日本の鉄道は145年前、イギリスの技師の支援で開通したが、今回は日本が貢献していきたい」と話していました。
JR東日本と三井物産はイギリスのほかの路線でも営業権の獲得を目指していて、日本の鉄道の強みを生かした運行を実現し、実績を重ねることができるか注目されます。