末期がん公表 コマツ 安崎元社長「感謝の気持伝える会」開催

末期がん公表 コマツ 安崎元社長「感謝の気持伝える会」開催
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末期のがんと診断されたことなどを公表した大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長が、これまでの感謝の気持ちを伝える会を開き、出席者からは、みずからの生き方も考えさせられる機会になったといった声が出されました。
大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長は、先月20日付けの新聞広告で、末期のがんと診断されたことなどを公表しました。

安崎さんは、元気なうちに感謝の気持ちを伝えたいと11日、東京・港区のホテルで「感謝の会」を開き、会社の関係者や同級生などおよそ1000人が集まりました。安崎さんによりますと、会場には親交がある人たちとの思い出の写真を飾り、一人一人と言葉を交わし握手したということです。また会場では、安崎さんの出身地、徳島県にちなんで阿波踊りも披露されたということです。

「コマツ」の元社員の男性は「とても楽しい会でした。私も病気があるので、自分自身の生き方についても改めて考えさせられました」と話していたほか、高校の同級生の女性は「とても潔い生き方で、安崎さんらしいと思いました。逆に感謝の気持ちを伝えました」と話していました。

安崎さんは、会のあと記者会見し「『終活』の考え方は一人一人違うと思うが、しめっぽいのは嫌なので、楽しんでもらおうとこの会を開いた。多くの人に来ていただき、正直少しくたびれたが、直接感謝の気持ちを伝えることができて満足しています」と話していました。

出席者は

「感謝の会」の会場となった東京・港区のホテルには、会が始まるおよそ1時間前から、出席者が次々と訪れました。

このうち、海外でのボランティア活動に携わり、安崎暁さんから支援を受けたという女性は、「とても元気な方だったので、病気のことを聞いて驚きました。胸がつまってどんな言葉をかければいいかわかりません」と話していました。

また、安崎さんと同期で「コマツ」に入社したという男性は、「立派な決断だと感じました。まだ奇跡が起きるかもしれないし、もしかしたら私のほうが先にいくかもしれないので、元気づけてこようと思います」と話していました。

始まりは新聞広告

大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁・元社長は、先月20日付けの新聞広告で、みずからが末期のがんと診断されたことなどを明らかにしたうえで、元気なうちに感謝の気持ちを伝えたいと「感謝の会」を開くことを知らせました。

この中で安崎さんは、10月上旬、検査の結果、胆のうガンが見つかり、肺などにも転移していて手術が難しい状態であると診断されたことを明らかにしたうえで、「私は残された時間をQuality of Life(クオリティー・オブ・ライフ)優先にしたく、放射線や抗がん剤による治療は受けないことにしました」などと公表しました。

そして、「皆様方には公私ともに大変お世話になり、誠に有難うございました。私がまだ元気なうちに皆様方に感謝の気持ちをお伝えしたい。お会いできましたら私の最大の喜びです」として、東京都内のホテルで「感謝の会」を開くことを知らせました。

安崎氏とは

「コマツ」の安崎暁元社長は徳島県出身の80歳で、一橋大学卒業後の昭和36年に入社しました。会社では主に国際部門を担当し、平成7年に社長に就任したあとは、バブル崩壊後の不況の中、中国での現地法人の設立などグローバル化を推し進めました。

海外企業との競争の中で、商品やサービスの品質と信頼性が会社の強みであることを社内に浸透させ、コマツの成長の基盤を作りました。また社外では、国家公安委員会の委員や日中経済協会の副会長も務めました。

安崎氏は社員時代から部下の指導に熱心で、上司にもはっきりと意見を言う人物だったということで、会社によりますと、11日の感謝の会は安崎元社長がみずから企画し、新聞広告を出したり会の内容を決めたりしていたということです。

安崎元社長 「目標持って生きていきたい」

末期のがんと診断されたことなどを公表した大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長は「感謝の会」のあと記者会見し、現在の心境を語りました。

この中で安崎・元社長は、家族の同意も得て延命治療を受けないことを選んだと説明したうえで、「死ぬのは大変なことだと思っているが、人生を十分楽しんできたし寿命にも限りがあり、最後にじたばたするのは私の趣味には合わないと考えた」と話しました。

ただ、こうした選択について「妻は私と『まだ一緒に生きたい』ということで、妻には一生懸命やってもらっている」と話し、妻からの勧めで食事療法には取り組んでいると説明しました。

そして、新聞広告で触れていた「Quality of Life」については今も考え続けているということで、「健康で歩ければいいのか、がんが治ればいいのかと、いろいろ考えて結論は出ていないが、『心・技・体』の精神で自分なりの目標を持って生きていきたい」と語りました。

ツイッターでも共感の声

ツイッター上では、安崎元社長の生き方に感銘を受けたなどといった投稿が相次いでいます。

このうち、安崎元社長が元気なうちに感謝の気持ちを伝えるための「感謝の会」を開くとしたことについては「自己余命宣告で死を受け止め、それでも他人に謝意を表する。マネできないわ」とか、「自分が死を間近に感じた時、その恐怖を払拭(ふっしょく)して人への感謝の気持ちをもてるとはすごい」、「感謝と謙虚な気持ちは本当に大切だと思いました」といった意見が投稿されています。

また、「こういう人が戦後の日本を立て直してきたのか・・すごい。なんだか感謝してます」とか、「覚悟がきちっとできる方なんだと思う。きっといい決断ができる立派な経営者だったのだろう」などと企業経営者としての功績について触れているものも見られました。

さらに、「人生の終わりというより、能動的な人生の終え方。少しだけでもお手本にさせて頂きたいです」とか「こんなふうに関わった人に別れのあいさつができる潔い人生になりたい」などとこれからの人生の手本にしたいといった意見も多く投稿されています。

末期がん公表 コマツ 安崎元社長「感謝の気持伝える会」開催

末期のがんと診断されたことなどを公表した大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長が、これまでの感謝の気持ちを伝える会を開き、出席者からは、みずからの生き方も考えさせられる機会になったといった声が出されました。

大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長は、先月20日付けの新聞広告で、末期のがんと診断されたことなどを公表しました。

安崎さんは、元気なうちに感謝の気持ちを伝えたいと11日、東京・港区のホテルで「感謝の会」を開き、会社の関係者や同級生などおよそ1000人が集まりました。安崎さんによりますと、会場には親交がある人たちとの思い出の写真を飾り、一人一人と言葉を交わし握手したということです。また会場では、安崎さんの出身地、徳島県にちなんで阿波踊りも披露されたということです。

「コマツ」の元社員の男性は「とても楽しい会でした。私も病気があるので、自分自身の生き方についても改めて考えさせられました」と話していたほか、高校の同級生の女性は「とても潔い生き方で、安崎さんらしいと思いました。逆に感謝の気持ちを伝えました」と話していました。

安崎さんは、会のあと記者会見し「『終活』の考え方は一人一人違うと思うが、しめっぽいのは嫌なので、楽しんでもらおうとこの会を開いた。多くの人に来ていただき、正直少しくたびれたが、直接感謝の気持ちを伝えることができて満足しています」と話していました。

出席者は

「感謝の会」の会場となった東京・港区のホテルには、会が始まるおよそ1時間前から、出席者が次々と訪れました。

このうち、海外でのボランティア活動に携わり、安崎暁さんから支援を受けたという女性は、「とても元気な方だったので、病気のことを聞いて驚きました。胸がつまってどんな言葉をかければいいかわかりません」と話していました。

また、安崎さんと同期で「コマツ」に入社したという男性は、「立派な決断だと感じました。まだ奇跡が起きるかもしれないし、もしかしたら私のほうが先にいくかもしれないので、元気づけてこようと思います」と話していました。

始まりは新聞広告

大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁・元社長は、先月20日付けの新聞広告で、みずからが末期のがんと診断されたことなどを明らかにしたうえで、元気なうちに感謝の気持ちを伝えたいと「感謝の会」を開くことを知らせました。

この中で安崎さんは、10月上旬、検査の結果、胆のうガンが見つかり、肺などにも転移していて手術が難しい状態であると診断されたことを明らかにしたうえで、「私は残された時間をQuality of Life(クオリティー・オブ・ライフ)優先にしたく、放射線や抗がん剤による治療は受けないことにしました」などと公表しました。

そして、「皆様方には公私ともに大変お世話になり、誠に有難うございました。私がまだ元気なうちに皆様方に感謝の気持ちをお伝えしたい。お会いできましたら私の最大の喜びです」として、東京都内のホテルで「感謝の会」を開くことを知らせました。

安崎氏とは

「コマツ」の安崎暁元社長は徳島県出身の80歳で、一橋大学卒業後の昭和36年に入社しました。会社では主に国際部門を担当し、平成7年に社長に就任したあとは、バブル崩壊後の不況の中、中国での現地法人の設立などグローバル化を推し進めました。

海外企業との競争の中で、商品やサービスの品質と信頼性が会社の強みであることを社内に浸透させ、コマツの成長の基盤を作りました。また社外では、国家公安委員会の委員や日中経済協会の副会長も務めました。

安崎氏は社員時代から部下の指導に熱心で、上司にもはっきりと意見を言う人物だったということで、会社によりますと、11日の感謝の会は安崎元社長がみずから企画し、新聞広告を出したり会の内容を決めたりしていたということです。

安崎元社長 「目標持って生きていきたい」

末期のがんと診断されたことなどを公表した大手建設機械メーカー「コマツ」の安崎暁元社長は「感謝の会」のあと記者会見し、現在の心境を語りました。

この中で安崎・元社長は、家族の同意も得て延命治療を受けないことを選んだと説明したうえで、「死ぬのは大変なことだと思っているが、人生を十分楽しんできたし寿命にも限りがあり、最後にじたばたするのは私の趣味には合わないと考えた」と話しました。

ただ、こうした選択について「妻は私と『まだ一緒に生きたい』ということで、妻には一生懸命やってもらっている」と話し、妻からの勧めで食事療法には取り組んでいると説明しました。

そして、新聞広告で触れていた「Quality of Life」については今も考え続けているということで、「健康で歩ければいいのか、がんが治ればいいのかと、いろいろ考えて結論は出ていないが、『心・技・体』の精神で自分なりの目標を持って生きていきたい」と語りました。

ツイッターでも共感の声

ツイッター上では、安崎元社長の生き方に感銘を受けたなどといった投稿が相次いでいます。

このうち、安崎元社長が元気なうちに感謝の気持ちを伝えるための「感謝の会」を開くとしたことについては「自己余命宣告で死を受け止め、それでも他人に謝意を表する。マネできないわ」とか、「自分が死を間近に感じた時、その恐怖を払拭(ふっしょく)して人への感謝の気持ちをもてるとはすごい」、「感謝と謙虚な気持ちは本当に大切だと思いました」といった意見が投稿されています。

また、「こういう人が戦後の日本を立て直してきたのか・・すごい。なんだか感謝してます」とか、「覚悟がきちっとできる方なんだと思う。きっといい決断ができる立派な経営者だったのだろう」などと企業経営者としての功績について触れているものも見られました。

さらに、「人生の終わりというより、能動的な人生の終え方。少しだけでもお手本にさせて頂きたいです」とか「こんなふうに関わった人に別れのあいさつができる潔い人生になりたい」などとこれからの人生の手本にしたいといった意見も多く投稿されています。