2017-12-11

「これ、すごいッスよ」とイケメンバイトは言った

私は40代地方の小さな会社システムエンジニアをしている。

就職氷河期だったため就職は厳しいと言われていたが、

小学生の頃にあった第一パソコンブームに引っかかってたおかげで、

プログラムはまぁまぁできたのが強かった。

なんだかんだで今では部長である

はいえ、ニッチ領域に食い込んでいるおかげでなんとか生きながらえている程度の会社である

社員数は20名もいない状態から部長といっても名ばかりで年齢相応の肩書きが付いただけだ。

私には専業主婦の妻と三人の子供がいる。

妻のたっての希望で35年ローンでマイホームを購入したはいものの、

来年、上の子中学に進学するのもあって家計が厳しい。

子供大学に進学するとなったら、学資保険のためのローンが必要だろう。

名ばかりだろうが管理職管理職

残業しても残業代は付かない状態なので、

時間頑張ったところで給料があがるわけでもない。

残業していた時間休日コンビニバイトに充てることにした。

コンビニで私に業務を教えてくれることになったのは、

フリーターをやっているという20歳の軽そうだがイケメン男の子だった。

会社ではそれなりに仕事ができる扱いを受けていた私だが、

コンビニバイト仕事はきつかった。

できの悪いオッサンという誰もが避けたい人間にも係らず、

バイト先のイケメンは優しく根気良く一緒に仕事をしてくれていた。

レジだけでなく、品出し、掃除があるぐらいまでは想定内だった。

(品出しにはテクニックがあるのだというのは、

 コンビニ店長ブログで知っていた)

しかし、公共料金宅急便の受付、

店頭受取サービスとなってくるとキャパを超えた。

何が入っているのか知らないが、

箱だけでかくて異様に軽いAmazonダンボールには、

虚無でも詰まっているのだろうかと思ったものだ。

満身創痍マイホームに帰り着くのは毎日午前1時過ぎである

体力としては厳しいのに仕事と寝るしかない生活我慢できず、

家に帰れば、ビールを飲みながらアマゾンプライムビデオを見る日々となった。

ただ、この歳で睡眠時間を削るのは精神的にくるらしい。

だんだん会社でもコンビニでもイライラしている時間が多くなっていった。

そんなのとき、気にして声を掛けてくれたのもイケメンバイトだった。

フルタイム仕事してコンビニバイトまでなんて、俺なら耐えられないッスよ」

ホント尊敬するッス」

最近イライラしてるみたいですけど、ストレス溜まってるんじゃないッスか?」

ストレスなんて散らすしかないッス」

「これ、すごいッスよ」

気遣いのできるイケメン…彼が教えてくれたのは、ストロングゼロ

これは本当に凄かった。

飲んでいる間はストレスが消えていくのだ。

まあ、他の大抵のものも一緒に消えていくのだが。

ビールだった晩酌ストロングゼロに切り替わったのは必然だった。

酒量も増えていった。

今も片手にストロングゼロを持ちながらこれを書いている。

俺には何もない。

いや、むしろこの宇宙に偏在しているのかもしれない。

まり何でも持っているということだ。

世の中の真実だって知っている。

バナナの実はバナナの皮より小さい。

俺は宇宙だ。

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