2017年12月08日




番組開始早々奥へ逃げる豪華な前説メンバーw




今年から審査員7名。個人の偏りが及ぼす影響を分散させる意味では良い判断だし、キングオブコントも右に倣うべき。増えた2人がリーダーと小朝師匠とその人選に少しモヤる所はあるものの、結局そのモヤモヤの行き着く先は第11回審査員待望論なのでもう止め。

今年もMCは今田と上戸彩のコンビ。毎度お馴染み変貌を遂げすぎた小杉イジりから審査員紹介へ。今年もその白さは健在だったえみちゃん。「去年やらして頂いて、書きこみで『顔が白い』って」と守備範囲の広さをアピールしながら「今日は素顔でやってまいりました」をバシッと放り込めるオフェンス力まで見せつける。またそれならカミナリの件についてもどう処理するつもりなのかとワクワク。続く松っちゃんもいつも通りスタジオを暖めてくれます。





松本「小朝師匠とキャラ被りしてないですか?」

今田「してないです!金髪なだけです!」


大会終了後にGYAO サントリー提供の配信で誰かが言っていた、礼二の気合の入った刈り込み具合は小朝師匠の色違いになっていたという分析も素晴らしいw



ここからネタでなく、まずは敗者復活組の発表へ。これはネタ順をその都度引いたクジで決める笑神籤(えみくじ)導入の影響で、最後の出番である敗者復活組がまくりやすいという長年指摘され続けてきたルールの改正が目的。直前まで次に誰がネタを披露するのかわからないので見たいコンビにだけチャンネルを合わせることができない生放送のドキドキ感を演出する狙いもあったかも。漫才師たちは出番に備えて準備しにくいというデメリットもあり、この不条理を残す所も含めてM-1グランプリだな、とw

また敗者復活コンビ発表まで30分たっぷり時間をかけるというのも、スタジオを暖める効果に繋がります。三四郎小宮の「松っちゃん待っててねぇ~」、この日が結婚記念日であることを発表するハライチ澤部に吉本だらけにはさせないと燃える岩井、全国に顔を晒せたアインシュタイン稲田、ポケットに手を突っ込んだままの天竺鼠川原と見所たっぷり。





そして敗者復活戦を制したのはスーパーマラドーナ。お昼の敗者復活戦も観てましたが、もうスーマラしかあり得ない。得票数もハライチ12万票に対してスーマラ23万票。寂しいことに決勝に相応しいなと思う対抗馬が他にいなかったなと。他が勝ち上がるなら準決勝にも残れなかったTEAMサツマカワとジョイマンが荒らしてくれた方が唆られる。スーマラに票を投じなかった人も他のコンビに夢を託したいだけで薄々わかっていたはず。もちろんサンパチマイクを持ってくる天竺鼠川原だとか、スポットで面白いコンビはたくさん。個人的には囲碁将棋やニューヨークが好きでした。今年は東京ホテイソンがいいとこまで行くんじゃないかなと思ってたんですが、テレビの露出が多すぎたが為に不安になったか、余計なことして自滅していたような。


上戸彩による噛み倒しだったルール説明へ。


上戸「ファーストラウンドは、審査員7名による700万点で争われ」www

今田「700点っ」


本人は700点満点と言ってるつもりだったんでしょうけど、これでスタジオはさらに和みました。





笑神籤のデメリットはこんな所にも。呼ばれたらすぐに準備しないといけないので仕方ないにせよ、こんな堅苦しく椅子を並べないでもっとだだっ広い所で自由に待たせてあげた方がコンビ間での作戦会議をするなり、コンビの色も出て良かったと思うんですけど。まあマヂカルラブリーのネタ後、突然カメラに抜かれた時は皆もう自由にしてましたがw


<FIRST ROUND>





トップバッターのゆにばーすを基準にした得点差。案の定、基準忘れなのか、番組的に凄い点数を後半でバーンと出したいのか、はたまた単に点数配分が下手くそなのか特に松っちゃんのインフレ現象が目立ちます。リーダーとえみちゃんも若干怪しい。もちろん誰に高得点をつけるのかは個人の好みでいいと思いますが、本当にただ前のコンビとの比較になってないですかというのは。

毎度のようにトップバッターは損をしているという人がいますけど、案外トップバッターだったからこんな出来でも基準点をつけてもらえて良かったなというパターンの方が実は多いと自分は思ってます。が、今回のゆにばーすに関して言えば明らかに損をしたパターンだったと断言できます。





今大会で一番笑ったのはどこだったか、振り返ればこのシャワーを浴びながらの『翼の折れたエンジェル』だったかも。結局「ベランダ寒っ」というボケに繋がりますが、普通はただシャワーを浴びている風のジェスチャーから繋げるだけに留まりそうな所、フリの段階で爆笑もぎとることでさらに大きなボケに昇華。個人的には「わかった。じゃあ大喜利で決めよう」「めっちゃ芸人やなお前」というやりとりも印象的w 大吉はトップでつけられる最高の92点をつけたと高評価。後続の得点を刻んでいる所からもそれがよくわかります。


松本「あのねぇ~こんなん言うてええのかなぁ?いや面白かったんですよ?お客さんが良すぎるのか?って今ちょっと僕わかんないとこがまだあるんですよ。お客さんの反応が凄くいいでしょ?これ彼らの実力が凄いのかぁ、お客さんが暖かいのかがまだわかんない」


まあ言う必要のないコメントだったとは思いますが、このコメントでわかるのはお客さんの人数を増やした事とネタまでしっかりと時間を割いた事の相乗効果で、例年とは比べ物にならない程スタジオが良い空気だったんだろうということ。ここはスタッフの健闘が光る。こんな返しにくいコメントへの今ちゃんのフォローがまた素晴らしい。


今田「じゃあ代表して言います。彼らの実力ではないです」www

川瀬「おえーーッ!」


すぐにちゃんと実力だと補足する今ちゃん。笑いすぎた客が悪いと捨て台詞を吐く川瀬名人もらしい。


2組目は仕組みがバレている中でお笑い濃度を向上させて決勝に進出したカミナリ。まなぶの小さいボケには軽めにツッコみ、たくみのツッコミに強弱をつけることで抑揚を演出。後半はたくみが一つずつ思い出すように引っ叩きを連打、ツッコミ先行でボケを浮かび上がらせる手法が今回も炸裂!より引っ叩きが強調されたネタにえみちゃんどう出るか!


上沼「あの~、去年、私低かったでしょ?」

スタジオ「・・・(笑)」


ここでも自分から口火を切るえみちゃん!サンドウィッチマンに『カミナリのどこが悪かったのか』と脅されたという笑いを交えながら、今回のネタは好きだったと。手のひら返しでヒヨってしまうのか?と思いきや、


上沼「あのどつきはいるんやろか?叩いてからツッコむっていうのはぁ、いらないと思う。もうクセになってんねんな」


クセwww さすがえみちゃん自分を曲げない!素晴らしい!しかも叩くという暴力的な部分への否定ではなく、漫才の間としての指摘。つまりネタの構成を高く評価したからこそのコメント。この後小朝師匠がなんか言って褒めてましたが、それって減点内容じゃないの?とあまりピンときませんでした。


そして3番手にとろサーモン。寄生虫の気持ち悪い話や旅館の内風呂に野猿からのホーミーのような追い出しソングと、たっぷり時間をとって、時間を使った分だけ笑いをちゃんと持ち帰るボケが気持ちいい。「続行ッ!」「継続ッ!」という去年の敗者復活戦を荒らした強ボケからどさくさに紛れて日馬富士や希望の党まで挟み込む遊び心まで。ラストイヤーというプレッシャーを感じさせない素晴らしい漫才。




間違いなくゆにばーすよりは点数が高くなるだろうと思いましたが、その基準を忘れてしまうならここかもしれないなと危惧したら案の定。冷静に大吉が刻んでも意味がない。つけてもこの段階ならプラス3点って所じゃないですかねぇ。ちなみに巨人師匠は基準からマイナス1点。逆に漫才としてのスタイルを恐らく評価して巨人師匠がガツンと得点を上げてきたのがスーパーマラドーナ。敗者復活とは別のネタを用意して決して見劣りしていないコンパのネタを披露。蒔かれた種がポンポン花開くように生まれていくボケの数々でウケ量は申し分なかったと思いますが、ここまでの3組も皆ウケているので点数に繋げるならそれ以上の強いインパクトが必要だったか、巨人師匠以外はとろサーモンから少しマイナスという結果に。えみちゃんはゆにばーす、カミナリよりも1点マイナス。


早くもカミナリの敗退が決定。


竹内「ちょっと敗因が半ズボンだってわかったんで!」

今田「違いますよ(笑)」

竹内「長ズボン買ってきまーす」

石田「あっ!おめぇっ!」






石田「おもしれぇ~ボケだなぁ」wwwww

今田「変わりましたカミナリが!たぶん今日だけだと思います」


キングオブコントとの2冠を狙うかまいたち。怖い話を聞くとイラッとするという山内が細かい所に引っかかっていく様はブラマヨを彷彿とさせましたが、終わってみれば卍卍卍とかまいたちらしさ爆発。漫才コントではなくしゃべくり漫才だったことでコントと漫才の両立っぷりを存分にアピール。


今田「決勝の舞台いかがでした?」

山内「もう大サービスですよ?」






山内「笑顔さく~♪」wwwww

今田「違う違う違う、怖っ、なにしてんの?めっちゃ怖いやん、めっちゃ怖い話やん今の」


巨人師匠と礼二はかまいたちに最高得点。他は伸び悩んで結果スーパーマラドーナと同点。M-1は勝てるネタではなく勝ち切るネタが必要だと小朝師匠。言いたいことはわからんでもないですが、「というと?」って誰か3回ぐらい質問を繰り返してみて欲しい。ただフォローじゃないですけど、コメントさえしなけりゃ小朝師匠の点数配分は全体通してかなり冷静沈着だったことは記しておきます。





人気ツイートランキング。意外とここまでのM-1の見所を的確に網羅したものになっているのが面白い。『まっちゃん待っててねー』の字の小ささが丁度いいw 


松本「遠くで言われてる感じが」


歴代優勝者の銀シャリとトレンディエンジェルに話が振られる機会も数回ありましたが、「正直言うと、ゆにばーすの5番目6番目出てきた時どんな点数だったのかなって見てみたかったみたいな」というたかしの基準忘れ批判があったことは記しておきたいです。思えば本来言われていたトップバッターのハンデというのは、まだスタジオが暖まっていないからウケないというものだったんですけどねぇ。


いつもの自己紹介をM-1決勝でやってるのがなんだか感慨深かったマヂカルラブリー。ミュージカルの客だったというボケの並列的な印象も悪手でしたが、単純に客ボケまでのフリの時点でゆにばーすのベランダボケのように間が持たないと厳しい。要は初見じゃ厳しい。マヂカルラブリーが大好きじゃないと厳しい。敗者復活を見る限りでは決勝に上がったのも頷けますが、今回は他のファイナリスト達があまりにも強すぎた。マヂカルラブリーがもしトップバッターだったら点数は逆にもっと高かったと思いますw あまり手応えがなかった時に今ちゃんがつい口にしてしまう「最後までやり切りました」が出てしまった時点で勝負あり。

ただネタ後の審査員コメントパートの中ではマヂカルラブリーが掛け合いや不穏さではダントツの面白さを発揮。点数発表前はヌマンズのギャグを挟むなど軽快にボケる野田クリスタル。


今田「手応えの方は?」

野田「あー結果次第で態度を変えて行こうかなと」
ww







今田「お前結果で態度変えすぎやろアホォ!」wwww


リーダーはコメントするのを嫌がりながら、好きなタイプの漫才ではあったが同じボケの繰り返しだったことで漫才としての振り幅は狭かったとコメント。えみちゃんは基準からマイナス7点。


今田「上沼さん、いかがでしたか?」






上沼「あ、ごめん聞かないで」wwww


好感度を上げようと思えば審査員は高い点をつければいいだけだが、


上沼「本気で挑んでるんで皆、私も本気で挑んでます」

野田「本気で挑んでるからぁ!本気でやってるからぁ!」

上沼「本気でやってるっちゅってんねんこっちもぉッ!!」

野田「怖ぇ・・・」
www


もちろんマヂカルラブリーが本気で挑んでいるのはわかっているとしながら、


上沼「好みじゃない」www


「上沼笑神籤でした」というこれもネットで拾ったんじゃないかというボケを強引に挟みながらまだ続けるえみちゃん。


上沼「よう決勝残ったなと思って」

野田「もうやめて!もういい!」
ww


いやー、えみちゃん素晴らしい。下手に取ってつけたようなわけのわからん理由で点数を下げられるよりもハッキリと好みだと言い切ってくれる方が気持ちいいですよ。ここまでハイレベルな漫才が並べば最終的には好みで点差をつけるのは自然なことだし、本来はいろんな趣向の審査員がいて然るべき。またえみちゃんは逆にマヂカルラブリーが好きな人もいるだろうという可能性を残しているわけですから。




ひとくだり終えた後、鬼のような形相だったえみちゃんがすぐに笑顔に戻っていたことは念の為付け加えておきます。





最後に言い残すことはないか今田から振られた野田、「俺が本気を出したらなぁ!」と突然ネクタイをはずしてシャツを脱ぎだす暴挙にw どこまで脱ぐのか信用できなかったのか、防衛本能が働いた今田が反射的にネタを打ち切ろうとしてしまい、余計グダグダに。


今田「さあ松本さん!一言お願いします!」www

松本「僕あの、録画してきたんですけどぉ、ここはスキップします」wwww


最高の数分間でした!渡辺リーダーのコメントで退場だったらそれこそ事故。


初見だったさや香。歌のお兄さんにのめりこんでいくという設定自体はかなりやりつくされた趣向のネタでしたけど、それでもあれだけ笑いをとっていけるのが凄い。しかし今回のハイレベルな面子に混じれば『やり尽くされた設定』が平坦な印象を与えてしまっても仕方ないかも。ここでゆにばーすという基準をちゃんと思い出す審査員が多い中でボケのキャラが新しいと耳を疑うコメントを残していたリーダーはプラス4点、松っちゃんがプラス3点。いやもちろん本当にそう評価したのなら別にいいんですけど。

そして突然自分は半分占い師だと宣言するえみちゃんがまた面白すぎる。さや香は漫才以外のジャンルでもスターになれるだろうと。


今田「久しぶりに言わせて下さい。えみちゃんねるの出演決まりました」wwww


このえみちゃんの過剰な評価に対して新山が「僕ら売れると思ってるんで」と過剰な自信で返していたのも良かったです。


この時点でとろサーモン、スーマラ、かまいたちの3組による決勝でもういいじゃないかというぐらい満足感があったんですが、中川家以来の兄弟漫才であったミキの兄弟ならではの息の合い方、なんて使い古されたフレーズは絶対に使いたくなかったんですが、もうそう書くしかない程の掛け合いがもはや芸術的ですら。テンポ、表情の作り方に至るまでこの芸歴で技術点がエグすぎる。これだけのモノを見せられてしまうと松っちゃんは基準を忘れるだろうなと思ったら出ました7点プラス。ボケの強度を冷静に判断しただろう大吉のマイナス1点という評価が余計に光って見えてしまいます。1位に躍り出るミキ。


松本「あのぉ、所々ね、すっごいベタも入れて来るんですけどぉ~、このテンポでこんだけやられたら圧巻かなぁ~と思いますね」


これだけのものを見せられると仕方ないかなというのは確かに。ここにボケの強度が備わった時ミキは優勝するでしょう。


昨年準優勝の和牛。唐突にウエディングプランナーのコントに入る水田に対して不審がりながらも諦めたように役になりきる川西。違和感なく最速で本題に入る手法でありながら、ここに漫才師としての矜持すら感じます。前半は正直昔の和牛のネタを見ているようでこれは厳しいかなと思ったんですが、前半のボケが後半の新たなボケのフリになるという凄まじい構成力。しかも川西が衆人環視の元そのボケにのっかるしかないという状況もまた上手すぎる。リアルタイムで観ている時はかまいたちが落ちてしまうと嘆いていましたが、小朝師匠、大吉、えみちゃんが最高得点をつける程ハネ上がってやはり和牛が1位へ。


スーパーマラドーナとかまいたちが敗退。厳密には恐らくミキが1位に躍り出た時点で準決勝の順位差でスーパーマラドーナは落ちていたのかも。ここで何故かとろサーモンが落ちたと力説するフロアディレクター。今ちゃんが「僕は誰と喋っているんでしょうか」と笑いを交えながら落ちていないことをフロアDに説明する無駄な時間垂れ流し。普通に進行を邪魔するレベルでフロアDが喋るので事故を誤魔化すかのようにCMへw よりによって念願叶って最後のチャンスを掴んだとろサーモンが落ちたことにされそうだったというのが面白いw





山内「頑張って、リラックスして」


敗退してキングオブコント王者としての立場に鞍替えする山内w






そしてトリはジャルジャル。かつて鬼越トマホークに『シュールを盾に客から逃げるな!』と言われたジャルジャルですが、もはやそんな領域はとうに超えてる。敗者復活組にどれだけ逃げているコンビがいたことか。そんなのを甘やかしていないで、このネタが書けて、ざっくりハイタッチみたいなごりごりのお笑い番組からめちゃイケのような王道バラエティまでこなすジャルジャルを甘やかすテレビマンがいないと困る。

ゴッドタンでハライチ岩井が言っていた『0から1の笑い』というのはジャルジャルのネタにこそ使うべき。冒頭の後藤のツッコミ方に福徳が訂正を入れるくだりではまた漫才をメタな視点からほじくるつもりなのかと思わされましたが、あくまでゲーム。しかもオリジナル。カズレーザーが大喜利の強さと発想力の豊かさはイコールではないとロンハーで発言していましたが、自分もこれまで大喜利ボケの羅列を極端に嫌う感想を残しているのはそういうことであって、このネタこそが類い稀な発想力。そしてアスリートのように鍛え磨き上げられた掛け合い。展開も十分。常に進化を続けてきたジャルジャルの漫才がさらなる高みへ。それでも届かない。


ネタ後、もっと笑わせる為に今田をくすぐるというボケを放つ後藤。得点が発表され、最終決戦に進めないことが決定した直後も、


後藤「あー、審査員の方全員こしょばしたら点数上がりますかね?」

今田「いやちゃうねん!そういう笑いじゃないねんM-1でやってんのって」






福徳「お前・・・ようボケれんなぁ今」


思うところは同じだったでしょうが、最後に「信じがたい・・・」というコメントまで残す福徳と、審査員に「背筋伸びてるやん!」をひょうひょうと振る後藤というジャルジャルのコンビバランス。熱すぎる。

松っちゃんは最高得点でしたがここまでの流れや審査員が同じ傾向であることに誇りを持つような発言を繰り返している中では正直あまり価値がないというか・・・w 評価しないのではないかと思われた巨人師匠がプラス4点。コメントも良かったです。


巨人「これアホやったら聞かれへんなぁいうようなネタ、こっちが理解せな笑えないからね?でも凄い良かったと思いますよ?」


大吉は期待値が上がりすぎたが故のマイナス1点。かつて笑い飯だけが他のファイナリストでなく過去の自分達を超えられるかをずっとテーマに戦っていたことを思い出します。この棘の道はとてつもなくしんどいでしょうけど自分は無責任に来年の挑戦を待ちたい。


<FINAL ROUND>

久保田が上戸彩にオシャレな衣装だとイジられ、ミッキーマウスを意識した衣装だと返すボケ。その直後に実は振るように指示を受けていたことをバラしてしまう上戸彩酷いw







3組とも1本目のネタよりやや劣るかなというのが正直な印象。和牛は2本目も女将がタイムリープするかのような構成で魅せましたが、個人的にはいくらクレーム気質な客でも女将が「帰れ」と言っちゃう程には思えず、ディテールがやや雑に見えたかも。それでも3組ともハイレベルだったのは間違いなく、自分の希望通りの3組ではありませんでしたが見応え十分。結果はどうとでも転ぶなと。それでも和牛なのかなと正直この時は思いました。


昴生「鶴本直の時からずっと大好きです」


突然の上戸彩への告白w 街中でそう話しかけても上戸彩はこんな対応だろうなという若干こなれた「ありがとうございまーす」も良かった。





巨人師匠、松っちゃん、えみちゃんが和牛、残り4名がとろサーモンに票を投じ、とろサーモン優勝!


今田「さあ、ちょっとお芝居が入ってる久保田くん(笑)」


信じられないというリアクションで涙する村田に対し、喜び慣れていない不器用なところが久保田らしい。そんなとろサーモンに涙する審査員がたくさん。色々悪口書いてきたのに、リーダーその涙はズルいぜ。


優勝者には一点だけ勝っていた所があったとしていた大吉は「僕が無類のミッキーマウスファンだという」とボケつつ、とろサーモンのツカミが一番早かったと。漫才師としてツカミの大切さや難しさを知っている大吉らしい評。またそれを決め手にしてしまいたい程僅差だったという事でしょう。もしも審査員が去年の5名投票であれば優勝は和牛でしたし、ここまで拮抗していればあとはルール次第。にしても、とろサーモン優勝には夢がある!


<総括>

ハライチ岩井が言うところの吉本だらけという批判が巷に存在するのかどうか自分は知らないですけど、あるのだとしても敗者復活戦の放送を見て消え失せていなきゃおかしい。かつて関西の有力候補が次々優勝して巣立つか10年目制限で出場できなくなったことにより、チュートリアル優勝あたりから西高東低が崩れ始めましたが、今再びその時代をあの当時の若手が取り戻してるのが感慨深い(今は東京所属とかは関係なく)。正直このメンバーじゃ厳しいんじゃないかと思っていた時代もあったので謝罪したいってのは銀シャリが優勝した去年も書きましたね。時代は繰り返すというのであれば、今の時点で準決勝で敗退するのはおかしいと思われるコンビが大量にひしめき合っていないとまただんだんパワーダウンして10年目の区切りみたいな終わり方しちゃうかも。その時はせめて紳助の席に座るえみちゃんが宣言して笑わせて欲しいw

視聴率は昨年を上回り関東でも15%まで回復。また瞬間最高は21%(関西は平均24%の瞬間最高は34%w)。当然今年のネタの面白さは関係していたはず。初出場でも元々知名度が高いとろサーモンや、2017年活躍したカミナリ、キングオブコント優勝のかまいたち、普段全国区のお茶の間への露出は少なくてもスーパーマラドーナや和牛はファイナリスト常連として定着してきており、今年の面子は視聴者に優しかったように思います。

また初回のバランスのとれた審査よりも老害がわかりやすくやらかす方が文句つけながら楽しめる(見てしまう)というのはある?まあ実際面白い。R-1の審査で真っ先に思い出すのはトップバッターの基準を高くつけすぎて狼狽える堺正章だし。でも既に書きましたが中途半端な評を聞かされるより、えみちゃんのようにバッサリ斬るか過剰に褒めることでコンビを再生するエンタメ老害の方が見ていて楽しい。

それにしても松っちゃんをその老害カテゴリに入れてしまいたくなる日が来るなんて。今でも笑いを生むコメント力の切れ味は十分鋭いと自分は思っていますが、松っちゃんこそもっとネットの書きこみを見るべきかもしれないw 『名前 スペース 基準』で検索するべきかもしれないw 思い返せば第一回のM-1グランプリ、松本人志という文字列が審査員メンバーに名を連ねると知った時はもの凄く興奮したのを覚えています。でも実はその時の方が点数のつけ方はめちゃくちゃで、第10回大会でも今と同じような点数のつけ方をしているんですよね。でも今ほど点数の細かい所まで気にしていた覚えはないし、まあ当時は本当にファイナリストにそれだけの優劣があったような気がしないでもないですが、極論昔は他の審査員がどう点数をつけようが、松っちゃんが何点をつけるのかだけが気になっていたというのもあるのかもしれないなと。番組冒頭、M-1は新時代に突入しているなんて適当な煽りテロップがでかでかと眼前に迫ってきましたが、この一連の不満もこうした時代の移り変わりによるものなのか。大吉が審査員メンバーの中で一番の大御所だったら全てがまるっと解決するのにな、と結局第11回審査員待望論に行き着きながらも、そんな不条理がM-1グランプリの熱を生み続けてきたという歴史にも心揺れながらまた来年を楽しみに待ちたいと思います。

(07:00)

この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   2017年12月08日 12:04
馬鹿よ貴方はの新道が準決勝を見ていたら吉本批判はなくなる、むしろ全組吉本でもおかしくなかったとコラムで言っていました
あとそこでも心配されていた笑神籤のシステムですがほぼ全芸人がバッチリネタをやっていたので結果的には杞憂に終わったということでしょうか
2. Posted by K助   2017年12月08日 13:03
何か言われないよう調整する為、スーパーマラドーナはどうせ敗者復活で勝ち上がるだろうと見込まれた上で落とされたのかなとすら思ってしまいました。
笑神籤は結果的には良い方向に作用したような気がしますね。三連単を予想しづらくさせる影響もあったようなw
3. Posted by 名も無き哲学者   2017年12月08日 13:05
今年の松本さん、そこまで基準忘れてる感じは自分はあんまり感じませんでした
点数の幅もだし後半のミキ和牛ジャルジャルの点が伸びたことも実際ネタを見たら納得できますし
しいて言うならリーダーの方があれっ?って思う点でした
4. Posted by V   2017年12月08日 13:12
大吉さんが採点理由ぜんぶ話してくれてますね
https://www.tbsradio.jp/206623
5. Posted by sachi   2017年12月08日 14:05
以前は点数が低くても、松本さんから高得点を貰えば自信をもつってタイプがいました。でも今回決勝に出た世代は、フットやチュートなどとは違って、松っちゃんのことをそれほど神聖化していないですよね。。たむけんに老害になっていることを指摘して欲しい(笑)
6. Posted by ねじりほんにょ   2017年12月08日 14:26
ラジオクラウドで、たまむすび放送後に大吉が採点基準について語った音声が聴けます。しかも全10組分プラス最終決戦で、30分の長尺!
必聴です。
7. Posted by もん   2017年12月08日 14:51
いつもブログ楽しく拝見させて頂いています。

ジャルジャルのネタ、予選と見比べると福徳のセリフが微妙に簡略化されてるように思いました。(「2個少ないやん」に対しての「もう数はええねん!」と、「ライスお願いします」に対しての「惜しい!」が単に「違う!」になってた)別に大きな笑いを生むフレーズじゃないのでそれで点数上がってたとは思いませんが、微妙な臨場感?の違いがあったような。福徳が敢えてそうしたのか、前の二組の高得点でほんの少しの焦りが出たのか、ちょっと気になりました。
8. Posted by 。   2017年12月08日 15:51
ちなみに 礼二が小朝の色違い はサントリーの配信でノブが言ってましたよ~。
9. Posted by マークー   2017年12月08日 16:11
ラジオクラウドの大吉さんのM1の審査を振り返るやつ聞きました?
技術論好きなので個別のネタ掘り下げて欲しかったですが面白かったです。
10. Posted by K助   2017年12月08日 16:30
大吉の配信はさっき聴き終わったので来週にでも感想書きます。
色違いはそうだ、サントリーの配信ですね。GYAOって書いたとこだけ訂正しておきます。
11. Posted by ばお   2017年12月08日 18:09
たのしく読ませていただきました!
今回は地味に順番が完璧でしたね
ゆにばーすがトップでマヂラブが中盤、ネタ飛ばしのリスクが一番大きいジャルジャルがラスト
ランダムといいながら実は操作されてたのかと勘ぐってしまいます
いつだったか放送室で松っちゃんが「出順は制作側がある程度操作、そしてそれを公表すべきだ」と言って後半部分を高須に反対されていたのを思い出します
もし笑御籤というのを建前に出順の操作がなされてるならもしかしたらそれが理想なのかも
12. Posted by 眼鏡   2017年12月08日 19:30
大変おもしろくブログ拝見させて頂きました。

このご時世、M-1の審査を引き受けてくれる度量のある方々に「老害」はいません。審査の「正しさ」とは何なのでしょうか。大吉先生でさえ、あまり点数差をつけないことに批判が来るようですね。
13. Posted by 単1飲み屋   2017年12月08日 19:47
きっちり言語化している明確な採点基準が本人の中にあればいいですけど
最初につけた得点を基準に置くのって不可能ではないかと個人的には思ってしまうなぁ・・・。
14. Posted by いつも楽しく読ませていただいてます   2017年12月08日 22:32
フロアDはスーマラとかまいたちが落ちたから敗退コメントに行かせようとしてたのを今ちゃんがとろサーモンが落ちたと早とちりしてたようですね
15. Posted by Y   2017年12月08日 23:01
いつも楽しく読ませていただいてます。
初めてジャルジャルのネタを見たのは、今田おすすめ芸人としてラップのネタを披露していた時でしたが、オリジナリティに衝撃でした。ジャルジャルのネタこそ『0から1の笑い』、その通りですね。進化しながら創造し続けるなんて偉業、報われてほしいです。

かまいたちのネタも面白かったですが、王者としての振る舞いは最高でした(笑)
16. Posted by にられば   2017年12月08日 23:29
いつもブログやツイッター拝見させていただいてます。
今回の記事も、自分と違う所や共感部分もありつつ、賞レース考察としても読み応えがあってとても面白かったです。

一昨年のメイプル、去年のカミナリのように年明け後にテレビでよく見かけるようになりそうなのは
同じくダークホース枠のさや香よりも(色々な意味で)深すぎる爪痕を残したマヂラブの方なのかなーと思ったり。
あとはミキやゆにばーすも活躍の機会が増えそうですね、川瀬名人がオファーを断らなければw
逆にジャルジャルは良くも悪くも「お笑いにかける情熱が重すぎる」と一層周知されたことでしょうし
そこ含めて弄られキャラにならないと、テレビ的にはワレモテ芸人のままなのかなとも不安になったりします。

これだけの面白い大会になった以上、優勝者とろサーモンだけでなく、
決勝メンバー全員何かしらの形で報われて欲しいものですね。
17. Posted by さらむこ   2017年12月09日 00:23
初めまして。いつも記事を楽しく読ませていただいております。

松ちゃんの採点配分についてですが、KOCよりマシかな、と思います。ツイッターを見てても、KOC関連では、何故か尖ったツイートしてる一方で、M-1関連のツイートは心温まる感じになってるんですよね。こういう部分を見てても、KOCとM-1とで採点の仕方を変えてるのかなあ、と個人的には思ってしまいます。
18. Posted by ミハエル5    2017年12月09日 00:58
採点に対してどこまで厳格に求めるかは難しいところですね。
採点競技でも大きな大会で急に点数がインフレする時があるけど、点数はともかく順位が正しければOKみたいなところはあるから。
めちゃくちゃ細かい採点基準があって、資格をもった人間がやってもそうなら、お笑いなら尚のこと難しいだろうなと…スポーツと違ってM-1の場合結果が全てというわけでもないし。

終わった後もこうやってあれこれ言えるのもM-1ならでは。いい大会でした。
19. Posted by あ   2017年12月09日 06:33
和牛の決勝ネタは5分超えだったという時間制限に関する意見もちらほら見かけますね。
全体通して一番笑ったのは「まっちゃん待っててねー」の文字の小ささだったかもしれませんw
20. Posted by K助   2017年12月09日 10:38
ちょっと補足しておくと、老害という言葉の持つイメージが悪すぎるので引っかかる人が多いかもしれませんが、自分の中でいなくなってもらいたい害のある存在とまでネガティブな意味合いはないです。

基準点についてですが、後半どんどん点数が上がった部分よりも寧ろマヂカルラブリーの点数が松っちゃんの振り幅では高すぎるのではないかと思った部分も大きいです。ゆにばーすについてネタが良いのか客が良すぎるのかという話をしていましたが、結局客が良かっただけだという結論に松っちゃんが達したのだとしたら基準忘れではないことになりますね。
21. Posted by 11island   2017年12月09日 13:32
大吉先生のたまむすびラジオクラウドは熱かったです。たまむすび本編だとここまで長時間話せなかったでしょうから。
吉本勢は劇場に多く立てるぶん有利、カミナリには非吉本で不利なぶん1,2点甘い採点をした、など深いところを。

さて"西高東低""非吉本"問題への番組の回答が、リーダーと小朝さんの審査員起用だと思います。カミナリが最終へ進めなかったのはただの結果であり、番組としてはむしろ今回、東京非吉本勢に配慮したのだと感じます。
22. Posted by 公算5    2017年12月09日 19:09
本番数日前の地方ライブでカミナリの「四コマ漫画」(おそらく準決勝で受かったネタ)を見ましたが、伏線回収も含めかなり仕上がっていました。にもかかわらず仕上がり具合もネタの完成度も劣る熊のネタをあえてやったのはえみちゃんへの宣戦布告だったのかな?と妄想したくなりました。
ちなみにそのライブ中のトークで、本番一発目のツッコミは「今年も上沼恵美子いるじゃねぇか!!」にするかどうか迷ってるとも言ってましたよ(笑)


ちなみにとろサーモンの「続行ッ!」「継続ッ!」が炸裂したのは去年の敗者復活戦じゃなくて2015年の敗者復活戦かと(まぁ去年も似たようなことやってましたが・・・)去年の5人審査のままだととろサーモンは優勝どころか最終決戦にも残れていなかったことになるので、大吉先生が言うように笑いの神様が応援したのかなと思いますね。

あと、ミキととろサーモンの最終決戦は2組とも敗者復活戦で2位の時のネタだったのも彼らなりの意地なのかそれとも安牌をとったのか勘繰りたくなります(笑)
23. Posted by と   2017年12月09日 23:58
KOC決勝のコロチキのあのポーズとかミキのあの感じは松っちゃん影響下の世代はできないですよね
24. Posted by    2017年12月10日 00:35
K助さんが最初のほうに貼っているプラマイ表みたいのを審査員の手元にずっと表示させてれば少しは基準を取ってくれるんじゃないですかねw
しかし順位はともかく、ゆにばーす(と、直後のカミナリ)の上位陣とのこの点数差はちょっとひどいなぁ。後半はみなさんこぞって"100点満点で何点くらいか"みたいな点数のつけかたにシフトするのに何故最初だけいかにも基準点っぽい点をつけたがるのかw
25. Posted by BB   2017年12月10日 14:12
さや香とえみちゃんのやり取りを見て、2006年にナンチャンがチュートリアルに対して「このコンビは近い将来必ず売れますね!」と言った天然発言を思い出しました(笑)

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