第1は、ビールと同じ原料である麦汁を使い、これをビール発酵させず炭酸や合成調味料、合成香料その他を加えてジュースを造るというもの。

 発酵していないのだから、ビールの風味があるわけがない。当然です。

 第2は、麦汁とは別ものの「麦芽エキス」を使って、やはり炭酸や添加物をいろいろ付け加えてジュースを作るというもの。

 要するにビールとして必要な最低限の発酵プロセスを経ていないので、味やら素っ気やらがないのは不思議でも何でもない。

 第3は、麦汁を用い、ビール同様の発酵プロセスを取らせながら、アルコールの度数が高くならないように、あるいはアルコールができないような別の酵母を使うなど工夫して、ビール風飲料を作るというもの。

 第1、第2の方法よりは、発酵させているので、もう少しビールに近いのかもしれませんが、基本的に別のものを作っているのは間違いありません。

 たとえて言えば、「ヤクルト」のような乳酸菌飲料を造ると言って、その実、納豆菌でドリンクを造っているような話ですから、所詮ビールではなく、別ものができて当然という話にしかならない。

 ではなぜ、こんなへんてこりんな方法で、不自然な飲み物を造らねばならないのか?

 ドイツみたいに、普通のビール製品からアルコールだけ抜けばよさそうなものなのに、それができないのは酒税法など法的な規制によるというのです。

 酒を造るには免許が必要、モグリの焼酎作りなどは検挙されると罰されてしまいます。

 要するに贋金作りと同じことで、政府が認可し、税金という上前をハネられるものだけを認めて、それ以外は認可しないという考え方による立法になっている。