こんにちは「オカ兄」です。
早速ですがみなさん、この記事は覚えていらっしゃいますか。
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おととしに公開した記事ですが、昨今の著作権にまつわるニュースに関連して、現在でも注目を集めています。この記事が、アーティスト支援サービス「Frekul」などの制作・運営を行う、株式会社ワールドスケープ代表の海保けんたろー氏(以下、海保氏)の目に留まり、お問い合わせをいただきました。
ご自身でもアーティストとして活躍されている海保氏に、先日リリースした店舗向けBGMサービス「Simple BGM」の開発経緯をお伺いしました。店舗のBGMでお困りの方必見です。
アーティストに還元される仕組みを創りたかった
月額500円で利用可能な楽曲を、店舗に限らずあらゆるシーンで活用できるアプリ「Simple BGM」。まずは、このアプリを開発した経緯をお伺いします。
-なぜこの価格で販売しようと思ったのでしょう。他社と比べても安すぎる気がします。
近年の音楽業界は、楽曲のデジタル化が進みCDなどが売れなくなっています。その影響で、アーティストも活動を続けていく上で、経済面が徐々に厳しくなりつつあると感じます。
著作権団体を間に挟むことで、受けられる恩恵もあります。しかし、徴収したお金が、ちゃんと公平に分配されているとは言い切れないという状況に問題を感じます。
著作権に付随したことでいうと、店舗BGMを扱うサービスは金額的に高いものが多く、利用者(店舗)の負担となってしまいます。その結果“脱法で音楽を使用する”という悪循環に陥っているとも感じます。
-脱法とは著作権使用料を払わずに楽曲を利用しているということですか
現在でこそJASRACに関心が集まっているので、世間に著作権の概念が浸透しているように感じます。しかし、実際のところは“無断で楽曲を使用することが著作権を侵害している”という認識がないのが現実です。
ただ、それを知ったところで、著作権管理団体や有料音楽配信サービスに、費用を捻出しようという気にはなりませんよね。今まで無料でしたから。しかし、昨今のJASRACの動きをみていると、ますます取締りが厳しくなる気がします。
-実際に月額利用料500円という金額で運営できるのでしょうか
弊社ではアーティスト支援サービス「Frekul」を運営しています。その中で取り扱う楽曲は約6,000組、20,000曲以上です。「Simple BGM」で利用される楽曲は、著作権管理団体への信託を行ってないアーティストの楽曲のみを取り扱っているので、管理団体への中間マージンがない分コストを抑えられています。その分、アーティストに還元できる仕組みです。
飲食店における音楽の重要性とは?
著作権に対する認識の相違で、どちらの業界でも厳しい現状があるようです。続いて、10年以上飲食業界に携わる私より、音楽業界と飲食業界の密接な関係性についてお伺いします。
-飲食店で働いていたとき、音楽をこだわってかけていたイメージがありません。近隣の飲食店ではアルバイトの子に選曲をある程度ゆだねているという意見も聞いたことがあります。それについてはどう思われますか。
私自身、ずっと音楽業界にいたので現場の飲食店がどのように選曲しているのか、実際のところはあまり知りません。しかし、利用者の居心地が悪くなければいい、という店舗もあると思うんですよね。
-音楽がないと味気ないですね。飲食店にとっての音楽は、空間とトータルで重要なエッセンスだというのは理解しています。
そうなんです。音楽はあったほうがいい。もちろん中には、ちゃんと音楽の細部まで意識されて選曲しているお店もあると思います。ただ、「何をかけていいか分からない」、「雰囲気が合っていればある程度なんでもいい」という店舗も多いのに、そういった方々を対象とする店舗向けBGMのサービスがありませんでした。
食事を楽しんでもらうための音楽もある
-現場の意見としては“皆が知っている音楽をかけたくない”という気持ちは常にありました。皆が知っている曲が流れると、“食事”にかかっていたウエイトが“音楽”に少し比重が寄る、そんな感覚がしていました。
楽曲には何かしらの形でアーティストの主張が込められています。しかし、そんな楽曲の中でも「歌詞のないもの」「メロディーが印象的なもの」などさまざまです。こんな言い方をしたら楽曲を提供しているアーティストに怒られてしまうかもしれませんが、「Simple BGM」で提供する楽曲はいい意味で主張が強すぎない曲なんです。
決してメインを張る曲ばかりではない。けど、そのような曲にもスポットライトを与えられるのもこのサービスだと感じています。“かけたい音楽はないけど、かけたくない音楽はある”まさにオカ兄さんの求めているような楽曲を安価で提供し、その対価をアーティストに還元する。両者に価値があるサービスだと自負しています。
-まさに、“こだわらないなら安いほうがいい!”ということですね。最後に飲食業界のみなさまにお伝えしたいことはありますか。
音楽業界も、飲食業界もお互いに作用しあっていますよね。きれいごとのようですが、お互いのビジネスが成り立つように、クリーンな方法で手を取り合えるといいなと思います。
安かろう悪かろうではありません。アーティストの方々が真摯に取り組んだ楽曲が、問題ないことを実感していただきたいので、ダウンロード後に無料でお試しできます。音楽にかける費用に課題を感じている方は、ぜひ一度利用していただき、ご検討いただければ幸いです。
-ありがとうございました。
《海保けんたろー》
ドラマー / 株式会社ワールドスケープ代表取締役。「キマグレン」「ハシグチカナデリヤ」「SONALIO」など数々のアーティストのサポートドラマーやバンドメンバーとして活躍する。2011年には、音楽業界を変革するためのIT企業・株式会社ワールドスケープを設立。将来の夢は英雄になること。
Simple BGM - 著作権の心配がいらない店舗BGMアプリ
オカ兄
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