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画像をトレースする

[多重スキャン]モード

[多重スキャン]モードでは、[スキャン回数)]で設定した回数分スキャンし、パスを重ねていきます。最終的に全てのパスがグループ化され完成します。異なるフィル設定のパスを重ねることにより、濃淡やカラーの表現ができます。

[多重スキャン]モードには、[ 明るさのステップ][ ][ 濃淡]の3つのモードがあります。

[多重スキャン]モードのイメージとしては下記のような感じです

左上の鳥のイラストの画像を[]モードでトレースし、できたものをグループ解除して分解してみました。
色ごとに作成されたパスが重なってグループ化されているのがわかります。

スキャン回数)]が増えるほど、緻密な表現になりますが、パスが増える分トレースに時間がかかりますし、重いデータになります。

画像に適用してみます

3つのモードを、Inkscapeのドキュメントにインポートした下記の3つの画像に順に設定してみます。
(※左側の鳥のイラストは、Inkscapeで作ったものをエクスポートで画像に変換し、再びインポートしています。)

インポートとエクスポートについては・・・
明るさのステップ

このモードはつまり・・・
[単一スキャン]の[明るさの境界]モードで、[しきい値]を徐々に増やして(0.2~0.9)スキャンしていき、出来たパスのフィルに、濃いグレーから徐々に薄いグレーを設定するのと同じことです。
『作成されるパスの数=[スキャン回数)]の設定値』です。


『作成されるパスの数=[スキャン回数)]の設定値』で、パスにはそれぞれ異なった色が設定されます。


濃淡

上記の[ ]モードのトレース結果を、グレースケールに変換したものです。
下記のトレース結果と、上記の[ ]モードのトレース結果を見比べてみると、カラー情報がなくなっただけで、パスの形は同じです。

オプションを設定する

[多重スキャン]モードでは、次の3つのオプションを選択できます。

平滑化

ここにチェックを入れると、ボケ感が加わりなめらかな感じになります。


ただし解像度が低い画像の場合は、詳細が崩れてしまいます。

スキャンを積み重ねる

このオプションがOFFの場合は、パズルのように実際に見えている部分そのもののパーツが作られます。
ONの場合は、下に位置するパスは、上に重なるパスの領域も含みます。

結果を分解してみると下記のようになります。

パーツ分けしたい時にはOFFの方が便利そうです。
ただし、OFFの場合は、パーツがオーバーラップしないので、よく見ると境界のあたりに隙間があいています。

背景を削除

ここにチェックを入れると、一番下の一番薄い(明るい)パスが除去されます。
これは、下記のオレンジのようなクリッピング画像やイラスト画像の場合に便利です。
通常は画像の大きさの白い矩形が一番下にできてしまいますが、ここにチェックを入れると、それを削除してくれます。
わかりやすいように、スキャン結果の後ろにグレーをひいてみました。

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写真を簡単にトレース|Inkscape-aholic!

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