男向けアニメは基本的に成長ポイントは勇気とアイデンティティ全振りで戦いが終わったらいつも通りモラルの無いクソガキに戻ったりするから耐えられる。
でも女児アニメだと登場人物が一度成長するとそのまま成長しっぱなしな事が多い。成長する部分も多岐に渡っていて、話が進むに連れて人間性がまるごと大きくなっていく。始まった時は中学生の身体に小学校低学年ぐらいの心だったのに、4クール8クールと話が進むに連れ、凡人の一生何回分とも付かぬほどの人生経験をその心に注ぎ込まれ、見かけは子供のままに人間として理想的すぎる成長を遂げた聖母のような存在へと近づいていく。正しく、優しく、微笑ましく、人の気持を汲み取り、自分の姿を見失わず、惑うこともなく、諦めることもなく、己の間違いは認め、人の間違いは時には正し、時には受け止める、そんな理想を詰め込んだような人間となる。
彼女たちを見ていると自分たちの矮小さに気付かされる。そして恐ろしくなる。どう生きれば正しいのかが分かっていながら道を間違え続けてきている自分たちの惨めさに冷や汗が出る。何故もっと人として誇れる生き方が出来なかったのだろうか。そして、そんな人間ばかりの世の中で本当に良いのだろうかと。考えてもしょうがないことを次々に考えしまいに泣きそうになる。
恐ろしい。
毒なのだ。
光は毒なのだ。
人は正しく己を磨けば自ら光を発することができるようになるはずであるという事実すらも毒なのだ。