映画の紹介というものは定性的になりがちである。
だが俺は可能な限り定量的に語りたい。
だから心拍数を元に映画の感想を語る。
By Bryan Brandenburg (http://bryanbrandenburg.net/wikpedia-heart-3d//) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
【対象作品】
- 『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL』
- 『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』
- 『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』
なお、予告編で描写されている以上のネタバレは無い。
読み方
何事においても、評価するためには「基準」というものが必要である。映画を見ている間の心拍数を見せられたところで、通常時の心拍数を知らなければ判断のしようがない。そこでまず例として、当日の朝の心拍数を示す。
縦軸はbpmだ。この時の俺はずっと椅子に座ってPCの前にいた。つまり映画を見てる時と同じような状態にあったわけである。
グラフの青色はエキサイト状態を表し、水色はリラックス状態を表している。
運動量の少ない非活動時は、こころの状態により脈拍が変化します。
PULSENSEは加速度センサーで体の動きを把握し、運動していないのに脈拍が高ければ“エキサイト”、低ければ“リラックス”として記録します。
1日のこころバランスをメーターで表示するので、1日の自身のリズムを把握することに繋がります。
PULSENSE PS-100BL/TL/BS/TS 特長|製品情報|エプソン
7:00〜7:30にエキサイト状態が多いのは『ドライブヘッド』を実況していたからだ。
心拍数を計測するのに使ったのはこれ。
[エプソン パルセンス]EPSON PULSENSE 脈拍計測機能付活動量計バンド PS-100BL
- 出版社/メーカー: EPSON(エプソン)
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計測した心拍数は、スマホアプリ版だとおおよその値しか分からないが、Web版*1ならカーソルを合わせることで細かく読み取ることができる。csvで吐き出してくれると一番いいのだが、それはできない。
各映画を視聴していた時のグラフには、上映開始と終了のタイミングが分かるように赤線を3本入れた。1本目が宣伝開始、2本目が本編開始、3本目が上映終了のタイミングである。
説明は以上。では見た作品について順に語っていこう。
仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL
最大心拍数:108bpm
完全にEXCITE。
この映画は最初から最後まで興奮しっぱなしにさせてくれる作品だった。しかしこれは誰にでも当てはまる話ではない。『オーズ』から『ビルド』に至るまで毎週見続けてきた者にのみ、この興奮を味わうことができる。
レジェンドライダー達が紛れもなく本人として登場する。それは単に役者が、という意味ではない。バックボーンも含めての本人だ。そんな彼らがここぞという時に現われ、終わったはずの物語の続きを見せてくれる。これでテンションが上がらないわけがない。
また、今作の仕上がりがここまでのものになったのは万丈龍我のおかげだ。まだライダーになったばかりであり、戦う意味を探している彼がいることで、レジェンドライダー達の意志がはっきりと見えてくる。戦い続けた者と戦い始めた者の対比という構図にしたこと、それが勝利の方程式だった。
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話
最大心拍数:102bpm
一言で言うならば「やはりガルパンはいいぞ」しかない。
こちらは緩急がはっきりとした構成になっていることが心拍数からも分かる。観た人ならば心拍数がどのタイミングで上昇しているのか分かるのではないだろうか。最初の宣伝のところで心拍数が高いのは、俺好みの映画が多かったからである。具体的に言えば『パシフィック・リム』と『キングスマン』だ。
今作は全6話の第1話ということで、新たな物語の始まりとなる。なので前半はあくまでも準備期間。ところどころ盛り上がるところもあるけれど、どちらかと言えば笑えるシーンの方が多い。しかし後半は心拍数からも分かるように怒涛の展開となる。そう、俺はこれを待ち望んでいたのだ、と言える仕上がりだ。ガルパン好きなのに見に行かない人は、きっと娘を人質に取られているに違いない。
とりあえず今の気持ちとしては、早く続きを見せろ、ということである。1話48分なので続きは来週、遅くとも再来週かと思ったら来年だった*2。6話を見る前にガルパンおじさんの寿命が尽きないよう、早く続きを見せて欲しい。
ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~
最大心拍数:90bpm
劇場で涅槃に至る。
俺の地域ではようやく公開。しかも初日から上映は1日1回しかない。そして『ガルパン』と同時公開。上映時間が近づくにつれてロビーは異様な雰囲気に包まれていく。『ガルパン』を観終えても一向に帰ろうとしない奴がいるとすぐに分かる。ああ、コイツも俺と同じなのだな、と。
見ている間は落ちついて、満ち足りた気持ちに包まれていた。しかしこれでいいのである。『ごちうさ』はカフェの物語だ。同じくコーヒーを提供する店でも、コーヒーハウスは激論を交わす場所だが、カフェは落ち着く場所である。興奮ではなく、癒やしを求めて人々は集ったのだ。そしてその願いは叶えられた。我々は円満・安楽の境地に達したのである。
今回のストーリーはココアが帰省する話であるが、俺はふと既視感を覚えた。以前にもこんな時期に「帰省する話」を見たことがある気がする、と。
少し考えて思い出した。『ガルパン 劇場版』だ。
完全に一致。
姉というものは妹を送るものなのかもしれない。尊い。
終わりに
口では何とでも言えるが、体は正直である。これからも映画を見る時は心拍数を記録していきたい。
ウェアラブルデバイスと言えば、これまでにも紹介しているがこの本はお薦め。
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
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わざわざ日常的に計測して何の意味があるの?と思っている人は読むといい。
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これを書いたから『ごちうさ』を観るしかなくなった。
映画感想記事。不満側。
*2:来年のいつかは知らない。