モーニング娘。'17 工藤遥卒業(工藤遥&野中美希/工藤遥単独)インタビュー
私は「アイドルとしてモーニング娘。って凄いと思う。モーニング娘。は格好良いんです!」って自信を持って言えるんですよ。私はこのグループを自慢できる――― いまだかつてないアイドルストーリーを歩んだ工藤遥のすべて、ここに解禁。
「だから、あなたもこれからいくらでも変わっていけるんだよ」
工藤遥(10期)&野中美希(12期)インタビュー
--【モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~】も残すところ12月11日の工藤遥卒業スペシャルだけとなりましたが、自分たちの中ではどんなツアーになっていますか?
工藤遥:20周年のアニバーサリーイヤーであることは間違いないですし、内容も昔から今まですべてのモーニング娘。を感じてもらえるようになっているので、私たちとしては、回替わり曲とか内容がどんどん進化していくという面では、大変と言えば大変なんですけど、でも今までパフォーマンスできなかったアルバム曲とかカップリング曲とかたくさん披露できる場でもあるので、楽しいですね! めちゃめちゃ! 野中美希:一言で表せないぐらい盛りだくさん! それぐらい内容が詰まっている。工藤さん最後のツアーでもあるし、森戸知沙希(14期)ちゃんにとっては最初のツアーでもあるし、今の14人体制になって最初で最後のツアーでもあるし、シングルもアルバムも引っ提げて、回替わりで過去の曲をめちゃめちゃ披露しているツアーでもあるんです。本当に盛りだくさん過ぎて、ファンの方も本当に飽きないと思います。何回来てもらっても! それぐらい内容の濃いツアーになっています。--意外な楽曲もどんどん披露している訳ですね。
工藤遥:ファイナルでやるかどうかは分からないんですけど、1stアルバムや2ndアルバムの曲とか、例えば「NIGHT OF TOKYO CITY」(2ndアルバム『セカンド モーニング』収録)とか歌ったんですよ。昔から20年間にわたってモーニング娘。を好きでいてくれている方もいらっしゃるにせよ、やっぱり若い方もめちゃめちゃ増えていて、そういう私たちの同世代が知らないような曲もパフォーマンスしています。個人的には「BE ポジティブ!」(8thアルバム『SEXY 8 BEAT』収録)や「パープルウインド」(7thアルバム『レインボー7』収録)辺りは自分にとって神アルバムの収録曲なので、そういう曲がパフォーマンスできたこともめちゃくちゃ嬉しかったです。憧れをついに実現できたというか、ひとりのモーニング娘。ファンとしても嬉しい内容ですね。--20周年のタイミングでモーニング娘。のメンバーで居られていることには、どんな感慨を持たれていますか?
工藤遥:奇跡だと思ってます! 父親が「愛の種」(インディーズデビューシングル)を何気なく本人たちから買ったひとりなんですよ。当時、両親は名古屋に住んでいて、そこで『ASAYAN』を観てて、「近くでやってるなら、会社帰りに寄ってみよう」ぐらいのテンションで応援の為に1枚買ったらしいんです。そんな父親がいて、その娘が後にモーニング娘。のメンバーになって、そして20周年のアニバーサリーのときに居て……なんか、私個人的には親孝行という感じもしますし、先輩たちが作って来て下さった長い歴史のあるモーニング娘。にめちゃくちゃ良いタイミングで在籍できていることは、本当に奇跡だと思いますし、運命的だなと思います。 野中美希:私は20年前に生まれていなくて「LOVEマシーン」以降生まれなので、実感があるかないかと言われたらないんですけど……なんですかね? 運命に連れて来られた感じはあって。すごく昔からモーニング娘。が好きでしたし、なんか直感で「受けたい!」と思って、それでモーニング娘。に入ったので、本当に「運命!」って感じがするんです。だからこの20周年に居れることにも運命を感じていて、この先もこの運命を辿ってどんどん良い方向に持っていけたらなと思います。--今回のツアーは、工藤遥卒業ツアーでもあった訳ですが、野中さん的にはどんな気持ちで一緒にまわってきたんですか?
野中美希:1回1回「あ、工藤さんが卒業されるんだな」と思っていた訳ではないんですよね。もちろん工藤さんの卒業を意識した部分もあるんですけど、やっぱりどうしてもまだ実感が湧かないんですよ。ずっと一緒に活動してきたメンバーだったので。だから本当に居なくなったときに実感するのかなと思うんですけど、私はそれまでいつも通りに工藤さんと接して、吸収できるものは全部吸収していきたいなと思っています。--工藤さん自身はどうですか?
工藤遥:私も実感湧いてないですね。私も「きっと卒業してひとりになったときに初めて実感するんだろうな」と思っているんですけど、それは無意識的に考えないようにしているのかもしれないです。今歌って踊って汗かいて……っていう瞬間を「幸せだな」と感じている。そっちの気持ちのほうが強いので、どうしても「卒業か……しんみり」みたいな感情が後回しになりがちというか。 野中美希:でも唯一「ちょっと感じるな」と思う瞬間は、コンサートでファンの方が工藤さんを見て泣いているとき。その瞬間だけは「あ、そっか!」と思ってウルッと来たりします。--そんな工藤さんの卒業シングルでもある『邪魔しないで Here We Go!/弩級のゴーサイン/若いんだし!』が、Billboard JAPAN Top Singles Sales(週間シングル・セールスチャート)にて1位。そのセールスに加えてラジオオンエアやルックアップ、Twitter、ダウンロードなどの回数を総合した“JAPAN HOT100”でも堂々の1位を獲得しました。
▲モーニング娘。'17『若いんだし!』(Morning Musume。'17[You’re Young Anyway!])(Promotion Edit)
--モーニング娘。として最後に参加したシングルで1位という評価をもらえたのは、どんな気分?
工藤遥:めちゃめちゃうれしいです。私が「卒業する」と発表して「どれぐらいの人が注目してくれるんだろう?」とはずっと思っていたんですよ。卒業効果というのは絶対にある訳じゃないですか。卒業していった先輩たちに負けず劣らず、どれだけ私は注目してもらうことが出来るのか。どれだけ自分が世間に通用するのか。それがいちばん分かる瞬間だろうなと思っていて、だからこそ!「数字がすべてではない」とは言いますけど、やっぱりこうして1位を獲得できたのは嬉しいですし、ちょっとでも私の卒業がきっかけで改めてモーニング娘。に注目して頂けたのかなと思うと「貢献できてよかったな!」と思いますね。--ということは「私の卒業シングルの結果がイマイチだったらどうしよう?」とか、わりと気にはしていたんですね?
工藤遥:気にしてました!「私の卒業効果なくないか?」みたいな状況になったらどうしようって(笑)。圧倒的存在だった道重さゆみさんだったり、エースの鞘師里保さんだったり、お茶の間の人がみんな知ってる鈴木香音さんだったり、偉大な先輩たちが卒業していって「この流れで工藤遥ってヤバいな!」と正直思ってて、本当に何の盛り上がりもなく終わってしまったら「私のモーニング娘。人生って一体?」ってなるじゃないですか! でもこうやって結果が残せてよかったです。本当にありがとうございます!--特に「若いんだし!」はまさに工藤遥の卒業ソング! といった内容になっていましたもんね。野中さんは「若いんだし!」に対してどんな印象を持たれていますか?
野中美希:歌詞には「若いからいろんなことにチャレンジすればいいじゃん」というつんく♂さんからのメッセージも入っていて、それは工藤さんに向けたメッセージでもあると思うし、でも私たちにもすごく響くところがあって。例えば、私は英語が特技ですけど「音楽にも力を入れてみよう」と思ってピアノをもっと練習してみたりしてます。それは「若いんだし!」を聴いたのをきっかけにです! あと、MVも素晴らしくて、格好良い系のMVが多いモーニング娘。にとっては珍しい、みんなではしゃいでいる内容だったんですけど、工藤さん含め12人でワチャワチャしている瞬間ってすごく楽しいんですよ。だから「この空間から工藤さんが居なくなってしまうのは寂しいな」とも思いながらの撮影だったんですけど、出来上がりを観たら本当にみんな楽しそうにしていて、いつまでもたくさんの人たちに観てほしいMVだなって思っています。--あれはもう限りなく素に近いんですか?
工藤遥:そうですね。私がいちばん好きな瞬間ばっかり切り取られているMVだと思いますし、バスの中のシーンもあるんですけど、私たちはモーニング娘。というバスに乗って走り続けている訳じゃないですか。そこから私が降りるにあたって「じゃあ、まわりはそんな私をどう見てるんだろうな?」とか……なんて言うんですかね? モーニング娘。に居た6年間だけじゃなくて、私の人生すべてみたいな。その人生を進んでいく上で人と出逢っていって、その瞬間瞬間も表現されているから……「工藤さんってどんな人生を歩んできたんですか?」と聞かれたら「「若いんだし!」のMVを見て頂ければ全部分かります」と答えられるぐらい、本当に愛と想いと……いろんなものが詰まった作品になったなと思っています。--あの涙はどうして流れちゃったんですか?
工藤遥:私、しんみりしているときよりも「何? ハルちゃん、泣いちゃうの?」みたいな感じで茶化されているときのほうが泣きそうになるんですよ。それで、MVでリップシーンを撮っているとき、私のソロパートになった瞬間、みんながめっちゃ茶化してきて! それで思わず泣いてしまいました。「こうやって茶化されることもなくなるんだな」って一瞬でも思ってしまった私の負けです(笑)。 野中美希:ガチワチャワチャでしたから(笑)。--「若いんだし 無限だし 勇気がそりゃ必要な時もあるだろが WOW WOW WOW 結果を先に気にすんな!」というフレーズは、つんく♂さんがお父さんだとしたら娘への教えのような歌詞ですよね。
工藤遥:そうなんですよ! なので、この歌詞をもらった時点でまず1回泣き、曲を聴いて泣き、MV撮影で泣き、ダンスレッスンで泣き……みたいな。この曲にまつわるすべての場面で本当に涙していて。つんく♂さんがこの曲を通して「私に手紙を書いてくれた」という感覚もありましたし、つんく♂さんは常々「ここがゴールじゃない」と仰っていたんですよ。それを改めて伝えてくれたメッセージというか「工藤がやっていることは間違いじゃないし、工藤の人生なんだから好きにしなさい」という温かさみたいなものは本当に感じましたね。「体の水分、全部出ていくんじゃないか?」「人間ってこんなに涙出るんだ?」と思うぐらい、この曲には泣かされましたね。 野中美希:私、泣いているところ全部見てるんですけど(笑)、さすがにそのときはつられて泣きそうになりました。本当に心に染み渡る歌詞、そして目の前で工藤さんが泣いているという状況。そんなの、絶対にうるうる来るじゃないですか。だからこの先も忘れられない瞬間になりそうです。工藤さんが卒業されるときに、工藤さんが初めて歌詞をもらって読んでいるとき、そして泣いている瞬間は、きっと脳内再生されるんだろうなって。--この曲、工藤さんの卒業公演で歌ったら凄いことになっちゃいそうですよね。
工藤遥:いや、本当ですよね。歌える気がしないです(笑)。--野中さんから見た工藤遥について伺いたいのですが、12期メンバーとして加入する前はどんな印象を持たれていましたか?
▲モーニング娘。'15『青春小僧が泣いている』(Morning Musume。'15[An Adolescent Boy is Crying]) (Another Ver.)
--ジェントルマンだと男になっちゃいますね(笑)。
工藤遥:ハハハハ! 野中美希:ジェントルウーマンみたいな! 例えば、泣いている子がそこにいたらササってティッシュを持ってきたりとか、そういう優しい心遣いができる方で、後輩メンバーに工藤さんのファンがたくさんいるのもよく分かるなって。私は逆に空気を読めないタイプなので(笑)すごく尊敬します! ブログにも書いたんですけど、楽屋のお片づけを工藤さんが進んでやっていらっしゃって、それを見て後輩たちも「やらなきゃ!」となるんです。要するに「工藤さんの後についていきます!」って感じなんです。でもその工藤さんが卒業されるから、ついていく人がいない状況になる訳ですよ。だから今後は私が最初に動ける人になりたいなとすごく思います。--誰かが動かないと散らかったままになっちゃいますからね。
工藤遥:そうなんですよー。困っちゃうぐらい。 野中美希:だから工藤さんは本当にグループの中でいちばんのしっかり者なんです! なんであんなに気を遣えるのか本当に不思議なんですよ。おんなじ人間なのに!--でも工藤さんからしたら普通なんですよね(笑)。
工藤遥:そうですね。でも私が気にしぃの部分もあったりとか、私は過去にいろんなスランプを乗り越えてきて今に至るので、そういう意味ではモーニング娘。が今の自分を作ってくれたんです。野中は私のわりと出来上がった状態だけを見てるから「なんで出来るんですか?」と驚くと思うんですけど、たぶん最初から見ている人からしたら「いやいやいや、工藤は最初からああじゃなかったよ。この辺から変わったんじゃん」ってなると思うんです。なので、野中には「元々こういう訳じゃないよ? だから、あなたもこれからいくらでも変わっていけるんだよ」と言っておきたい。--ちなみに、野中さんにとって工藤さんはどんな存在だったんでしょう?
野中美希:ひたすらキラキラしている先輩。お顔も可愛いですし、スッピンでもすごく可愛いんですよ。それで持ち物とかもすごく女子力が高いんです。ティッシュとかハンカチとかリップクリームを常備しているタイプ。--野中さんは、ティッシュとかハンカチとかリップを常備しないんですか?
野中美希:私はわりと必要最低限タイプなんですよ。だから「○○持ってる?」と聞かれても「ごめんなさい、持ってないです」となる。でも工藤さんはそういうモノをちゃんと持っていて、整理整頓もしっかりされていて、完璧主義なのか分からないですけど、本当にすべてが整っているんです。それでいてメンバーからもスタッフさんからもすごく愛されていますし、うらやましいなと思います。「工藤さんになりたい」と何度も思ったことあります。 工藤遥:えー? うれしい!--では、工藤さんにとって野中さんはどんな後輩?
工藤遥:12期メンバーは加入当初、かなり大変だった面もある子たちだったので、すごく怒ったりもしたし、私にとってはいつまでも心配でおっかない子たちなんです。もう心配する必要もないぐらい成長していますし、各自にキャラクターや立ち位置も見つけている……にも関わらず、なんか「心配」って思っちゃうんだよなぁ。それぐらい愛おしい子たちなんですけど、特に野中は最近中心メンバーになってきて、何に対しても本当に努力家で頑張り屋さんだから、これからどんどんどんどん期待値が上がれば上がるほど「応えよう!」と思って努力すると思うんですよ。ただ、そればっかりになってほしくないなって。例えば「後輩が入ってきたから格好良い姿を見せなきゃ」とか「負けないようにしなきゃ」とか思い過ぎて、野中がこの3年4年で築き上げてきたものを見失ってほしくないと思うときがあります。やっぱり人一倍憧れが強くて「好き」が強い分、どうしても背伸びしがちなんですけど、私は等身大の野中が好きだったりもするし、変に格好付けなくてもちゃんと頑張っていることは知ってるから…… 野中美希:変に格好付けないほうがいい? 工藤遥:そう! そんなことしないで、これまで野中が学んできたことや頑張ってきたことをただただ真っ直ぐぶつけていってほしい、これからも!--野中さんをずっと見守ってきた工藤さんだからこそ言えることですね。
工藤遥:何年経ってもこのまま成長していってほしい。「私が卒業した後の歌割りとかどうなるんだろうな?」ってめちゃめちゃ気になるんですけど、正直「私のパート、野中に結構行くんだろうな」と思っているんですよ。そう期待もしているし、だからこそ「工藤さんがこういう風にやっていたから」とか「こういう風に歌っていたから」とか思わずに! そこは野中美希のパートになるんだから「野中が好きなようにやっていいんだよ!」っていう風に思ってますね。 野中美希:私、後輩が入ってきたときに「格好付けよう」と実際に思ったんですよ。だから今話を聞いていて「ごもっともです」と思いました。13期と14期が入ってきて、しかも森戸知沙希ちゃんはほぼ同期で、そういう新メンバーたちが入ってくると「格好良い人でありたい」と思って急にイキっちゃうところがあって(笑)。--ちょっと不自然に……
野中美希:すごく不自然に!一同:(笑)
野中美希:それで空回りしちゃって……- < Prev
- 女優さんとして格好良く生きていく工藤さんをずっと見ていたいです
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リリース情報
⑮ Thank you, too
- 2017/12/06 RELEASE
- 初回生産限定盤[EPCE-7371/2(CD+BD)]
- 定価: 7,020円(tax in.)
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
15 Thank you, too
2017/12/06 RELEASE
EPCE-7371/2 ¥ 7,020(税込)
Disc01
- 01.ジェラシー ジェラシー (Album Version)
- 02.ロマンスに目覚める妄想女子の歌
- 03.CHO DAI
- 04.私のなんにもわかっちゃない
- 05.邪魔しないで Here We Go!
- 06.Style of my love
- 07.ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番
- 08.青春Say A-HA
- 09.若いんだし!
- 10.もう 我慢できないわ~Love ice cream~
- 11.弩級のゴーサイン
- 12.恋は時に
- 13.女子かしまし物語 (モーニング娘。’17 Ver.)
- 14.BRAND NEW MORNING
- 15.愛の種 (20th Anniversary Ver.) <Additional Track>
Disc02
- 01.OPENING
- 02.モーニングコーヒー
- 03.MC
- 04.恋ING
- 05.MC
- 06.I WISH (updated)
- 07.シャボン玉
- 08.リゾナント ブルー
- 09.MC
- 10.大好きだから絶対に許さない
- 11.ロボキッス
- 12.MC
- 13.One・Two・Three (updated)
- 14.Fantasyが始まる
- 15.Say Yeah!-もっとミラクルナイト-
- 16.MC
- 17.大きい瞳
- 18.MC
- 19.彼と一緒にお店がしたい!
- 20.MC
- 21.邪魔しないで Here We Go!
- 22.わがまま 気のまま 愛のジョーク
- 23.What is LOVE?
- 24.VTR <ENCORE>
- 25.浪漫 ~MY DEAR BOY~ <ENCORE>
- 26.MC <ENCORE>
- 27.LOVEマシーン (updated) <ENCORE>
- 28.ENDING VTR <ENCORE>
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