ふとした思い付きではじめ(てしまっ)たベストショット企画、、、
第二弾はCOSINA VoightLander NOKTON 58mm F1.4 SLII Nです。
本レンズはニコンFマウント用ですので、Sony αシリーズにはマウントアダプターを介して使用することとなります(私は八仙堂さんのF→Eマウントアダプターを使用しています)。MFレンズで、アダプターを介した場合基本的にEXIFなど撮影情報は記録されません。
本レンズはすでに販売終了となっており、現在は新型の「NOKTON 58mm F1.4 SL II S」となっています。APS-Cでは、中望遠87mm相当となるこのレンズ、コシナのHPによると、その設計の特徴は以下の通り。
設計に無理のない大口径標準レンズとして伝統的に採用されてきた58mmレンズを現代の技術で新たに設計。クラシックレンズの味わいと現代的な性能を両立させています。APS-Cサイズでは85mm相当のポートレイトレンズとしても活躍します。絞り開放では柔らかな描写を堪能でき、絞るに従いシャープな結像をする特性を活かした撮影が楽しめます。
そう、まさにこの記述通りのレンズなのです...。
本レンズを導入したころ(2016年4月)、私は中望遠相当のレンズとしてミッドレンジでピントピークが浮き上がるような描写に憧れており、大口径50-60mm程度のレンズを探していました。別に本命の候補はあったのですが予算オーバーで、既にF→Eマウントアダプターを保有していたこと、リーズナブルなプライスにも関わらず評判が良かったことから、このレンズの導入を決めました。
使用してみたファーストインプレッションは、開放のボケ最高!でも、オールドレンズを使用したことのない私にとって、予想以上に開放は柔らかかったですね。未熟な私にはピントピークが眠いと思えてしまうこともありました。開放ではピント合わせがシビアなので、わずかにアウトフォーカスしていた場合もあるかもしれません(要するに下手)。f2.8くらいまで絞ると非常に切れ味の良い描写になるので、f1.4 - 2.8間にある程度良いポイントがあると思うのですが、絞りのステップが大きく(f1.4→2.0→2.8)、f2.0しか選べません。この点はちょっと残念。
一方で、ボケの雰囲気は本当に素晴らしいです。このとろけるようなボケはNokton 58/1.4ならではだと思います。花撮りにはこの特性がすごくハマりました。ふわーっとボケて柔らかく被写体を描写します。このレンズで花を撮るとそれまでにはできなかった表現が可能で、撮影の幅が広がりました。このレンズから前ボケを含めた花撮りのボケ表現を多く学んだ気がします。つまりこれが、このレンズのひとつの持ち味なんですよね。スナップやポートレートなどでも、このような雰囲気を活かす方向で使用するとハマると思います。
あくまでSony αのAPS-Cボディでマウントアダプターを介して使用した際の感想ですので、フルサイズで使用する場合・開放に求めるものが違う場合・絞って使うのが好きな場合、などなど、それぞれで感じ方は違うかと思います。いずれにしろ、このレンズはあえて個性を残したレンズとメーカーが言明しているので、その個性を腹落ちして使用するのが重要かも。私は当初このレンズを理解できていなかったし、いまでもそのポテンシャルを引き出せていません。難しいレンズ -言い換えれば奥の深いレンズであることは間違い無いと思います。
最近、いまだ歩留まりは悪いものの、このレンズでしか撮れないショットがあることを再発見し、またちょくちょく使うようになりました。今回これまでのショットを振り返ってみて、やはりこのレンズは唯一無二だな、と思いました。Nokton 58/1.4でしか撮れないショットがたしかにあります。手放すことを考えた事もありましたが、思い留まって良かった、今はそう思っています。
※ 以前にも引用させていただいたのですが、価格コムのこちらの方のレビューがこのレンズの性格をかなり正確に表現していると思います。
さて、それではマイベストショットを。
My Best Shots
2016/4 α6000
初めての開放f1.4に戸惑いながら撮影した、思い出の一枚です。
2016/4 α6000
柔らかくて、ボケが美しくて、独特の色味があって、、、お気に入りの一枚。
2016/4 α6000
新緑キレイ!少し絞ってたと思いますが、詳細不明。
2016/4 α6000
よく見ると倒木にカメが。
2016/4 α6000
前ボケきれい!
2016/4 α6000
スナップにも活躍。
2016/4 α6000
このショットは比較的ピントピークがしゃきっとしてる気がする。
2016/6 α6000
良い質感!
2016/8 α6000
ゲロゲロ。
2016/8 α6000
この写真を含めて多くのショットに認められる、ややブルー?グリーン?がかった色合い、お分かりいただけますでしょうか。デフォルト現像ではなぜかこのような色合いが得られます。好みなのであえてこの色味を残して現像するようにしています。
2016/8 α6000
開放でも条件によっては解像するんですよね。まだまだこのレンズの癖が掴み切れません。
2017/4 α6000
前ボケと対岸の樹の解像感のコントラストが好きな一枚です。絞り値不明。
2017/9 α6500
柔らかい雰囲気がむしろこのシーンではマッチしているような気がします。
2017/9 α6500
髪の毛けっこう解像してますね...。被写体の距離が近いと開放でも解像するのかな。ミッドレンジの場合に柔らかくなるのかもしれない。
2017/9 α6500
ボケを活かして一味違う江ノ電の線路が撮れました。
2017/9 α6500
自然物と人工物の対比が気に入っている一枚。ふわっとした描写がいい感じ。
2017/9 α6500
鎌倉駅前の喧騒。
改めてこれらのショットを見返してみると、やはりNokton 58/1.4ならではの味わいがあるなあ、と思います。前回紹介したTouit 32/1.8とはまたガラッと変わって、とても個性的なレンズです。もっと経験値を上げてこのレンズを使いこなせるようになりたいな。
以上、NOKTON 58mm F1.4 SLII N / マイベストショットでした。
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