ザンネンナケイサツカン
2016年3月17日発売
定価(本体760円+税)
ISBN 978-4-334-03910-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
残念な警察官内部の視点で読み解く組織の失敗学
この本でいう四大不祥事は、日本警察にとっての痛恨事であり、それによる危難を受けた方にとってはまさに悪夢です。警察も市民も絶対に忘れてはならないもの。とりわけ警察は、四大不祥事において「警察の説明責任」「警察の不作為責任」が厳しく問われたことを、記憶しあるいは語り継いでゆかなければならないと思います。(中略)
そこで、この本では、四大不祥事のそれぞれについて章を起こし、1.事案そのものの概要をまとめた上で、2.「市民としての視点」からの批判、3.「警察部内の視点」からの説明を検討してゆき、4.「今は市民である元警察官としてどう考えるか」という、私なりの総括を試みています。 (「まえがき」より)
目次
まえがき
序 章 警察不祥事の読み方
第1章 桶川事件 ~警察署が機能不全に陥るとき~
第2章 神奈川事件 ~本部長独裁の下で~
第3章 新潟事件 ~社会と市民からの遊離~
第4章 石橋事件 ~共感力と想像力の欠如~
終 章 市民の視点、警察の視点
著者紹介
古野まほろ(ふるのまほろ)
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Droit et Politique de la Sécurité」専攻修士課程修了、仏内務省から免状「Diplôme de Commissaire」授与。なお学位授与機構より学士(文学)。警察庁Ⅰ種警察官として交番、警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務の後、警察大学校主任教授にて退官。現場指揮官・官僚両面の捜査・実務経験のほか、その法学書は学会・法曹からも評価を受けている。ミステリ作家としては、有栖川有栖・綾辻行人両氏に師事。古典的な「本格ミステリ」の書き手として知られる。