Appleが、iTunes Storeでの音楽ダウンロード販売を終了し、Apple Musicでのストリーミングに完全移行する、と複数の関係者からの情報をもとに、音楽業界の動向に詳しい米メディアDigital Music News(DMN)が報じています。
iTunes Storeでの音楽DL販売終了、計画を前倒しか
iTunes Storeでの音楽ダウンロード販売を終了する計画は、2016年から動き出しており、その時期は3〜4年以内という計画がある一方で、遅くとも2019年の年末、早ければ2018年末に前倒しされる、と複数の匿名の関係者がDMNに語っています。
音楽のダウンロード販売によるビジネスは、年々市場規模が縮小しており、ビジネスの中心はSpotifyやApple Musicなどのストリーミングへと移行しています。
ストリーミングでトップを走るSpotifyは、6,000万人以上の有料会員を持ち、無料会員を含めたアクティブユーザーは1億4,000万人以上に達しています。
一方、後発のApple Musicの有料会員は3,000万人を超えた程度にとどまっており、Appleはユーザーを引きつけるべく、独自の映像コンテンツの開発に取り組んでおり、Apple Musicのブランド見直しも検討されている模様です。
ダウンロードしたコンテンツはApple Musicに移行
Appleの計画に詳しい人物によると、ユーザーがiTunesでダウンロード購入したコンテンツは、Apple Musicに移行される、とのことです。
移行に際して、ライセンスの問題でストリーミング視聴できないコンテンツは、タイトルがグレーアウトして再生不可能になるそうです。
しかし、ユーザーはダウンロードされたコンテンツも引き続き利用可能で、将来的にライセンス契約先が拡大することでこの問題は解決に向かうだろう、と関係者は語っています。
肥大化したiTunesにもメスが入るか
iPodの登場後、ユーザーがコンピュータを介して音楽を入手する重要なインターフェイスとなっていたiTunesですが、近年はインターフェイスが複雑化し使いにくいとユーザーからの厳しい評価にさらされていました。DMNによると、iTunesはApple社内のエンジニアからも評判が悪いものとなっている、とのことです。
コンテンツのダウンロード販売からストリーミングへのシフトは、iTunesの機能やデザイン刷新も伴ったものとなるでしょう。
なお、2017年9月に公開されたiTunes 12.7では、アプリやブックを管理する機能を削除するなど、機能のスリム化が図られています。
Source:Digital Music News via GIGAZINE
(hato)